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【微ネタバレ感想】キングダム ハーツ FINAL MIX(PS4)

遡ること約1年前。「スマブラSP」の最後のDLCファイターとして「キングダム ハーツ」シリーズのソラ紹介されました。キングダム ハーツはまったく遊んだことがなかったのですが、気になってシリーズ10作品をまとめ買い。

「作品が多すぎる」という理由で長らく放置していたのですが、このタイミングで遊び始めて1作目をクリアしたので、簡単に感想を残そうと思います。
(スクショを撮っていなかったのが悔やまれるので、次回以降はできるだけ自分でゲーム画面を用意します。サムネは公式サイトより引用)

簡潔な評価を見たい場合は目次から「まとめ」まで飛んでください。

キングダム ハーツ FINAL MIX(PS4)とは

キングダム ハーツ1作目の完全版のHD版のPS4版。ワケあって色々ややこしい感じになっているので正式名称ではなく分かりやすい表記にしているけど、とにかく今遊べる中では最新のものを遊んでいるということ。

「ドラクエ」「FF」などでおなじみスクエア・エニックスとディズニーのコラボ作品で、主人公ソラがいろんなディズニー映画の世界を冒険するアクションRPGゲーム。突如現れた闇に連れ去られてしまった親友リク、カイリを追い、ソラは鍵型の武器「キーブレード」を手に見知らぬ世界へ足を踏み込む。たどり着いた先で出会ったドナルド、グーフィーとともに、親友や王様を探すために旅立ち、やがて大きな陰謀に巻き込まれていく。

ゲームプレイ

良かった点

個人的にもっともワクワクした点は、やはり有名なディズニー映画の世界(ワールド)にそのまま入り込めることです。

原作映画に登場したロケーションや話の展開ができる限り再現されつつ、アクションゲームのダンジョンとしても丁寧に構築されており、このワールドへの期待感はゲームを先に進める動機としてはこれ以上ないほどです。映画未視聴でも、アラジン、リトル・マーメイドなど有名なディズニー作品をなんとなく知っているだけで十分楽しめます。

「不思議の国のアリス」では体のサイズを変えたり、「リトル・マーメイド」では人魚になって泳いだりと、各ワールド特有のギミックやそれを応用したパズルで進行するダンジョンも面白かったです。(一部のワールドでは)仲間に加わってくれる各作品の主人公も魅力的で、ワールドごとの雰囲気により没入できます。

私が一番好きなのは任意で遊べるプーさんのワールドで、敵は現れず、おなじみのキャラとただいろんなミニゲームで遊べるため、比較的シリアスなムードが漂うこのゲームの中では一番の癒やしでした。

(ちなみにコラボしているFF側の要素もありますが、呪文やアイテムが共有されキャラが数名登場する程度で、FFのワールドも特にありません。)

戦闘はやや単調なものの、複雑な操作は要求されずキーブレードでの打撃と魔法攻撃の使い分けも楽で、アクション初心者がボタン連打で進めても攻略できる設計は親切だなと感じました。終盤あたりの敵は割と強く、単調な戦闘が長引く場面もあるためその辺のバランスは好みが分かれそうです。

気になった点

全体的には概ね良い出来なのですが、(さすがに20年前のPS2のゲームということもあって)ゲームデザインや操作性等にいくつか問題があるのも事実です。

各ワールド間を移動する際はスペースシップ(?)でのシューティングステージが挟まるのですが、一回一回がそれなりに長いことに加え、後半までどの移動経路にもそれがあって著しくテンポを悪くしています。舞台設定にもあまりあっておらず、正直まるごと不要な要素だと思いました

また、このゲームにはターゲット追従カメラ機能があるものの、散在する敵に向けてカメラがグルングルン動き回るため見づらく、壁を貫通しない上に室内ステージは狭いのでカメラのズームイン・アウトも多く起こり非常に煩わしいです。3Dゲームに慣れてないとすぐ酔うのではないでしょうか。

そして、同じエリアを行き来するタイプのダンジョンでありながら全体マップも目的表示もないため、一度見た地形とカットシーンでの会話を記憶しないと頻繁に迷子になってしまうのもストレスでした。これに先述のカメラ挙動の悪さが加わり、移動のたびにモヤモヤするのが惜しい部分です。

とは言え、20年も前のゲームでシリーズ1作目なので大目に見る必要もありますが。

ストーリー

「心」がテーマになっており、大切な親友や仲間との絆、心無き敵「ハートレス(Heartless)」、ハートレスに飲まれ自分を失う者たちなど、設定や主張がかなり直接的で非常に分かりやすくてよかったです。

また、特徴的な武器でもある「キーブレード」とそれを持つ主人公が文字通りこの世界での鍵となっていたり、実際に各ワールドにおいて闇の侵入を防ぐための扉を閉める際にもキーブレードで鍵をかけたりと、モチーフと舞台設定がしっかり繋がっているのも好きなポイントです。

各ワールド内に物語がありつつワールドを進めるごとに全体の物語が進行していく構成になっていますが、ワールドごとの物語はその原作映画に概ね則っています。そのため、原作を知っている人には親しみと懐かしさを与え、知らない人には原作を紹介する役割を担っていたのもよくできていると思いました。

ただ、今から考えれば20年続くシリーズの1作目ではあるのですが、この「キングダム ハーツ1」という1つの作品内だけで見ると数々の謎を残したまま「これから大いなる旅が始まります」という感じで終わってしまいます。個人的には、続編が企画されている場合でも、もう少し作品内の謎を解決した上で残りの謎とさらなる脅威に向かっていくほうが好みなので、少しスッキリしないところがありました。

サウンド

各ワールドのテーマ曲は原作映画の劇中曲のアレンジになっていて、ここでも原作の良さを活かしているのがよかったです。

このゲームの主題歌である宇多田ヒカルの「光」もこのゲームにしっかりマッチしていて、この曲が流れる場面は(プリレンダーのカットシーンというのもあって)かなり感動的でした。ただこの曲がそれまでのディズニー的な雰囲気とは毛色が若干違うので、統一感を考えると少し惜しい気もします。

グラフィック

主人公ソラや親友リク、カイリなどのオリジナルキャラや敵のデザインは、ディズニーっぽい愛嬌や親しみやすさを持ちつつ、FFっぽい大人びた雰囲気もまとわせており、それぞれの特徴がうまく融合されています。

また、各ディズニーキャラもディズニー特有のアニメーション表現をしっかり踏襲しており見応えがありました。ワールドごとの背景デザインやロゴデザインも凝っていて、見ていて飽きません。

一部カットシーンでは口の動きがテクスチャの貼り替えで表現されていますが、顔周りのテクスチャがPS2時代のままなのか妙に荒くなっている場面があったのは気になりました。

まとめ

ゲームプレイ:ストレスが溜まるポイントがいくつかあるものの、全体的なゲーム体験は素晴らしい。

ストーリー:テーマやモチーフがシンプルかつ明確で分かりやすい。もう少しこの作品内で結末をはっきりさせてほしい。

サウンド:ディズニーっぽさが表現されたキラキラした音楽が活きていて楽しい。宇多田ヒカルの「光」もテーマにあっていて良い。

グラフィック:FFとディズニーそれぞれのビジュアルがうまく融合したアートワークに感心する。たまにテクスチャが荒くなる部分が気になる。

総評:今なお人気である理由がよく分かる、舞台設定とその表現のクオリティが高い作品でした。原作が20年前の作品ということもありところどころに粗がありますが、今遊んでもちゃんと楽しめるのでディズニーが嫌いではない人におすすめです。

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