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敗者復活戦のランジャタイがめっちゃすごかった

先日、M-1グランプリという漫才の大会が開かれました。M-1には、準決勝の結果惜しくも敗退した組が敗者復活戦を行い、視聴者投票で選ばれた1組だけが決勝に復活できるシステムがあります。

その敗者復活選もテレビで放送されるので見ていましたが、さすが5000組を超えるコンビの中から準決勝まで駒を進めた15組だけあってどの漫才も決勝に劣らないくらい面白いんですよね。

ちなみに、今年のM-1は敗者復活と決勝のすべての漫才が公式でYouTubeに上がっているので、是非見てみてください。

話を戻しますが、その敗者復活で見た「ランジャタイ」というコンビの漫才が個人的にすごすぎたし面白すぎたので紹介します。


ポイント1:夢みたいな構成

これは「夢のような豪華さ」みたいな意味じゃなくて本当に夢を見ているようだという意味です。

そもそもよくある漫才の構成の例は、かなりざっくりいうと「特定のテーマにおいて想定とズレた言動をして(ボケ)それを訂正する(ツッコミ)」というものが基本だと思います、多分。

仮に「コンビニ店員になる」みたいなテーマだとすると

コンビニ店員をやってみたいから練習しよう
 ↓
変な店員をやる(ここを繰り返す)
 ↓
店員やりたいけど強盗が来たら怖い、
じゃあお手本見せるから強盗やって(店員役交代)
 ↓
変な強盗をやる(ここを繰り返す)
 
もういいよ(終わり)

こんな感じでしょうか。素人の私が考えたものですが、大きくズレてはないと思います。


ところが、このランジャタイのネタは

子供の頃から欽ちゃんが好き
 ↓
変な子ども時代
 ↓
好きだから2人で「仏が沼にハマったよ」という演目で"欽ちゃんの仮装大賞"に出たい
 ↓
仮装大賞のシミュレーション、合格点を出して欽ちゃんと会う
 ↓
欽ちゃんの頭から出たミニ欽ちゃんに勝俣と名付けるも、お腹に入り込まれ暴れられ再び仮装大賞の演目に入る
 ↓
合格かと思ったらなんでも鑑定団になる
 ↓
鑑定金額が発表されると同時に合格し、再び欽ちゃんに会う(終わり)

すごくないですか??????

粒度の差はあれど、コンビニの例と比べて「なんでそうなったの?」が分からなすぎてめちゃくちゃ面白い

繋ぎ目を端折ってるせいもあるのですが、マジで夢を見ているようダイナミックな展開が続き、締めもなく終わっていくんですよね。


ポイント2:夢みたいな繋ぎ

先ほどの構成でいうと、仮装大賞で最初に合格して欽ちゃんが出てくるまでは自然な流れというか現実に即しています。

しかし、欽ちゃんに演目で使った焼き鳥を上げた瞬間に不条理な展開へと繋がります。

頭からミニ欽ちゃんが出てくることもそうなのですが、ミニ欽ちゃんを手にした瞬間さっきまでいた欽ちゃんが最初からいなかったかのように消えるんですよね。

ミニ欽ちゃん(勝俣)がお腹で暴れた瞬間、急にまた沼にハマって仮装大賞の演目中に戻るし、勝俣も消える。

なんというか全体的に、周囲の環境や背景がいつのまにか切り替わってるような感じです。

もっとすごいのは、仮装大賞の点数が上がる音からスムーズになんでも鑑定団の音楽に移行する瞬間。

それまで「仏の手」を表していた右手の丸ポーズが「虫眼鏡」になるのもそうですが、「カブトムシとの距離を出すための腕」だった左腕がいきなり「カブトムシを持つ腕」に代わり、手を近づけるという動作をほぼ変えずに解釈を変えて鑑定中の動作に変化させるんですよね。

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色んな場面の色んな映像が、まるでクロスフェードされているかのように次々と自然に切り替わっていく流れが、まるで夢の中のようです。


ポイント3:想像力を補う表現力

こんだけぶっとんだ話の進め方をしているのに、何が起こっているかなんとなくは分かるんですよね。

それは、「欽ちゃんの頭からミニ欽ちゃんが出てくる」「勝俣が口から入ってくる」みたいなことを伝えられるだけの表現力があるからだと思います。

手先や体全体のパントマイムは人の共通認識で理解できるような動作で構成されていて、見るだけで何が起こってるのかがわかるようになっています。その上、ロボットダンスのようなキレがあってさらに面白い。

私はミニ欽ちゃんが出てくるところが好きすぎて1日に何回も見てるし、見るたび毎回大笑いしてしまいます。


まとめ

1700字強もの文字数でランジャタイの1ネタについて語りましたが、いかがでしょうか。

このネタは敗者復活の中では最下位でしたし、正直誰が見ても面白いものだとは思いません。

でも、設定や動きがハマればめちゃくちゃ面白くなると思います。

このネタ、何かに似てるなと思ったらボボボーボ・ボーボボですわ。ギャグマンガのボボボーボ・ボーボボの面白さと同じです。

ボーボボが好きな人はハマるかもしれませんね。

ボーボボが嫌いな人はハマんないと思います。

以上です。

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