FF16感想回の感想みたいなもの

私が配信しているポッドキャスト番組「ゲームの話をさせてくれ」にてFF16の感想を話した回を踏まえてさらに思ったことを書きます。
いわば感想回の感想。
上記はその回のリンクです。よろしければ聞いてみてください。

この記事にはFF16の物語中盤の展開に関するネタバレがあります。そこまでクリティカルには言及していませんが、気になる方はご注意ください。



今回のようにプロットホール(だと思われる箇所)についてネガティブに言及することは、普段はあまりない。そもそも自分は基本的に雰囲気で物語を受け取っている。
なので最後まで味わった結果出力される感想なんて「なんか良かったね」とか「なんか微妙だったね」くらいのものだ。
細かい矛盾など気にしないどころか、気づいてさえいないことが多い。
高度なことなんぞ全然わからないのである。
(そんなあまりにも浅い自分の感想が嫌になって、どうにか自分の感想を納得する形で言語化したいと思ったのがポッドキャストを始めた理由のひとつでもある)

細かいことに気づけない、故に気にならない自分が、
FF16において、マザークリスタルを破壊することへのクライヴの葛藤があまり無いこと、および破壊後の社会への影響について描写が薄いことを割と早い段階(1周目の途中)で気にしているのは珍しい。
普段なら絶対スルーしているはずだ。
FF16の物語の描き方が悪いから気づけたのかと思いきや、そうでもないようだ。
色々な人の感想を見てみると気にならない人も結構いることがわかった。少なくとも人によっては気にならない程度の描き方にはなっているのだろう。
それこそ番組でも言ったように、クライヴをものすごくまっすぐな迷わないキャラクターにデザインしたのも、そこを気にさせないという意図がありそれが効果を発揮しているのかもしれない。
だが自分は気になってしまった。

上記に書いたような部分をなぜ自分がここまで気になったのか考えてみたが、その答えは単純でおそらく自分のFF16に対する向き合い方がとても前のめりになっていたのだろう。
気持ち的にはディスプレイに鼻がくっつかんばかりに顔を近づけるくらいの前のめりだった。
それどころかもはやディスプレイの中に「入ろう」とする勢いだった。
なので、いつもより集中して物語を受け取っていたのだ。

前のめりになっていた理由はいくつかある。
まずはFF最新作だからだ。
ドラクエ、FFで青春時代を過ごした自分にとって、FFナンバリング最新作はやはり特別な存在である。
そのナンバリング最新作を、FF14の吉田直樹さんを始めとするスクエニ第三開発事業本部の面々が手がけるというのも大きい。
今となっては「FFナンバリングで一番好きなのはFF14」と言うくらいにはFF14ファンになった自分にとって、それを作った中心人物たちがFF16を作るといわれて期待しないほうが無理だ。
情報が公開された後も、インタビュー等を読む限りその期待をまったく裏切らなかった。体験版が配信された後もそうだった。
期待値が頂点に達していた。期待しすぎた結果、どうにかディスプレイの中に「入ろう」としていた。
だからこそ「入れない」ことに気づかされたのだと思う。
そこまで近づいていたから自分とゲームを隔てる壁がどこにあるのかもすぐわかったのだ。
逆に言えば入ろうとしていなければその壁には気づかずに終えていたかもしれない。
その後もどうにか「入ろう」としてゲームを2周したりしたが、結局は入れなかった。

期待しすぎなければネガティブな感想を抱かずに済んだのだろうか。
だけどそれだとFF16に対して「なんかよかったね」とか「なんか微妙だったね」という感想で終わっていた可能性がある。
それはそれで寂しいよな。

ネガティブな感想となってしまったけど、自分が思いっきり向き合った結果出てきた感想なので満足している。
また、自分に納得いく形で言語化できたのはとてもうれしいし、達成感がある。

こう言ってしまうと負けた気がするので言いたくないのだけれど、やはりFF16は特別なゲームだったんだなと思う。

…だからこそ「ディスプレイの中に入れる」ゲームであってほしかった。
そこまではいかなくとも「中に入った気にさせられる」ゲームであってほしかった。

やっぱり期待のし過ぎかなぁ。

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