在宅ワークへ移行して1ヶ月、銀行の開発チームはこうなった
Hello, note!アジャイル開発チームのA氏です。
4月に発出された緊急事態宣言に伴い、ふくおかフィナンシャルグループでも人の移動を少なくするために可能な限り在宅ワークへ移行しています。
わたしたちアジャイル開発チームは全員が在宅ワークで勤務しており、紆余曲折ありつつ、1ヶ月でかなり適応できるようになったと実感しています。
そこで今回は私たちの在宅ワークの取り組みを共有させてもらい、何か1つでもヒントを提供できると嬉しいです!
(開発チームの席に座る人がほとんどいなくなりました)
そもそもどんな開発環境で働いているのか?
アジャイル開発チームは、自社サービスとしてWebやアプリを開発する部隊です。
銀行の作るシステムと聞くとセキュリティやガバナンスの印象を強く持たれがちですが、私たちは銀行のイントラネット環境とは切り離されたネットワークで開発しています。
そのため採用技術や開発手法などの自由度が高く、働く環境を自分たちで模索して改良し続けています。(もちろん要所でセキュリティ部門やリスク管理部門と協議はします)
在宅ワークに向けてトライ!トライ!トライ!
緊急事態宣言に関する報道が国内で高まり始めた3月下旬から、在宅ワークに向けた準備を進めました。
主な論点としては以下のようなものがありました。
・各種開発ツールの使い方見直し
・Web会議ツールの選定
・VPN接続方法の確立
・PCのセキュリティレベル向上
・在宅ワークガイドラインの策定
・その他(ヘッドセット、インターネット回線速度問題などイロイロ)
Slackで情報公開しながら検証していたところ、多くの開発メンバーがみずから協力してくれました。
そのおかげもあって本格的に着手してから約1週間で在宅ワークの準備が概ね整いました。
在宅ワーク環境の現状
現在はこんな感じでツールを使い分けながら業務を行っています。
ミーティング :Microsoft Teams
ペアプログラミング:Microsoft Teamsの画面共有
チャット :Slack
ホワイトボード:Miro
チケット管理 :Redmine or Miro
個人的には、今回の在宅ワークで新たな発見だったのはホワイトボードツールのMiroです。
デザイナーや一部エンジニアの中では有名らしい・・・ご存知ですか?
実際に使ってみたところ本当にすごいツールです。
もちろんリアルなホワイトボードほど気軽にサクっとは書けません。
それでも自由度が高く、いろんな用途で使えます。
様々な種類の情報(テキスト、画像、図形など)をモリモリ書き込めますし、Googleスプレッドシートのように共同作業もできます。
またフレームワーク(マインドマップ、タスクボード等)のテンプレートが用意されており、準備無しでいきなり本題のディスカッションに入ることができます。
私のつたない表現力ではそのすごさを伝えきれないので、興味がある人は実際にMiroを使ってみてください。
(上図はMiroの画面)
開発パフォーマンスはアップ!
私たちはベロシティという指標で開発パフォーマンスを毎週計測しています。
まだ1ヶ月と短期間ではあるものの、在宅ワーク実施後の方がパフォーマンスが10.3%上昇したという結果が出ています。
絶対に下がると思ってたので本当に意外な結果です。(原因分析は未実施)
この指標だけでパフォーマンスの全てを語ることはできないのですが、在宅ワークが大きな支障にはなっていないようです。
「スクラム」が在宅ワークの課題を解決するかも
課題はあるものの、思っていた以上に開発メンバーはスムーズに業務できている印象を持っています。
一方で他社の話を聞くと頭の痛い課題が山積といった話を見聞きします。
例えば・・・
・周囲とコミュニケーションが取れず孤立するメンバーがいる
・課題を各メンバーが抱え込む
・進捗管理ができない
・上司がメンバーの働きぶりが見えなくなる
・意図していたものと違う成果物ができる
なぜこれらの課題を私たちが抱えてないか?
考えてみたところ、普段から取り組む「スクラム」が効果を発揮してるのかなと思い当たりました。
スクラムは6~10人程度のチームで業務を行うためのフレームワークで、日次や週次のセレモニーが定められています。
セレモニーによって何気ないコミュニケーション、進捗確認、ギャップや課題の認識、解決方法の模索が毎日のように行われます。
スクラムの活用によって在宅ワークで起きうる課題をタイムリーに発見できているので、大きな問題に発展していないのかもしれません。
しかしスクラムといえば対面コミュニケーションを重視するフレームワークなので、どうやってリモートでやってるのか気になりますよね?
リモートスクラムの勘所については、現場メンバーがいつかnoteを書いてくれるはずなので、楽しみにお待ちください。
在宅ワーク 2.0に向けて
今回の在宅ワークは、突発的な社会問題を受けて急いで準備を進めたので、出社して業務をこなすのと同等レベルで在宅ワークできることを目標に対応してきました。
偶然にも新しい働き方を経験できたことを変革のチャンスと捉え、今後は出社時以上のパフォーマンスを目指す在宅ワーク2.0に向けて、部門をあげて活動し始めました。
その取り組みについても、いつかnoteで紹介したいと思います。
以上、今回はここまで。
それでは!