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【女川原発再稼働】一貫して人々の声を無視し続ける行政。民主主義とは。

今回(2020年12月23日)のFridays For  Future Sendai(以下FFF仙台)の抗議アクションは村井嘉浩宮城県知事の女川原発2号機再稼働への地元同意表明に対し、撤回を求めるアクションでした。改めて、地元同意から今回のアクションまでの経緯を振り返ります。

県民の声を聞かない非民主的な手続き


 女川原発の再稼働は県民の意見を聞き、県民の意向を確認する手続きがほとんどとられませんでした。
 市民グループが再稼働の是非を問う県民投票の実施を求めて11万人余りの署名を集め、村井知事に直接請求を行いました。この署名は法定署名であり、生年月日、押印まで必要という厳しい条件の中で集まった11万筆でした。数としても議会で条例を作る際の基準である4万筆を大きく上回るものです。しかし、「原発の再稼働に賛成か反対かの二者択一では、県民のさまざまな思いを受け止めきれない」と県民投票は実施されないことになりました。その上、県議会は署名を集めた請願者の議会での意見陳述を拒みました。住民説明会も、新型コロナの影響で大幅に定員割れしました。

 避難路の問題もあります。女川原発30キロ圏7市町には約19万9000人が暮らしており、もし事故が起きれば、半島の住民たちは原発の近くの道路を使って避難せざるを得ない環境にあります。災害時の孤立が頻繁に起きており、震災時は津波で主要道路が浸水し、昨年10月の台風19号では冠水や土砂崩れが相次ぎ、女川町の一部が約17時間にわたって孤立しました。県自身が行って調査でも、女川原発で重大事故が起こった際に、住民避難に3~5日かかるという結果が出ました。それに対し、国と県は「原発から半径30キロ圏の緊急防護措置区域の住民に屋内退避をお願いする」という、住民に放射線被ばくを強いるような改善策を提起しています。避難計画の実効性は置き去りの状況です。

 以上のような民主主義の観点でも、安全の面でも問題がある女川原発再稼働に対しては様々な批判があります。県内の市民団体が53団体共同で反対声明を出しており、また、女性議員有志の会、仙台弁護士会、脱原発をめざす首長会議などからも地元同意撤回の要請、声明が出されています。また、宮城県民からの「真」の同意も得られているとはいえず、今年3月に河北新報社が行った世論調査では61%の人が「再稼働反対」74%の人が安全性に対し「不安」であると答えています(河北新報「女川2号機「再稼働反対」61% 原発安全性「不安」74% 本社世論調査」https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202004/20200416_13018.html)。


一貫した県民の声を聞かない行政の姿勢


 以上のように、さまざまな人の声を無視した宮城県知事の地元同意に対し、宮城県内の若者が中心となって活動している私たちFFF仙台も同意撤回を求めた要請を行いました。
 私たちは今年の11月の時点で知事との面会のアポイントを求めていましたが、対応したのは原子力安全対策課でした。そのときの申し入れで、知事と面会する時間を設けるよう、求めましたが、面会の「予定はない」との返答だけで却下されました。(前回の申し入れと県からの回答についてはこちらの記事をご参照ください)
 以上のような県の返答を受け、県側が面会のアポイントを設定して私たちの話を聞いてくれる可能性は極めて低いと感じたため、今回は知事室に訪れ、知事に直接要請書を手渡しにいきました。

 しかし、宮城県庁に入ろうとした時点から、明らかに私たちを妨げる動きがありました。
警備員は、どういうわけか「アポがないと県庁の中に入ってはいけない」と私たちを制止してきました。県庁内には物産店やカフェもあり、一般の人が自由に出入りできるようになっています。にも関わらず、私たちに対してだけはそのような対応をとってきました。私たちは県庁に入る分には問題ないだろう、と警備員を説得して中に入りました。
 県庁内には、私たちの動きを監視する職員が4人ほどいました。彼らはロビーの隅や1階ロビーを見渡せる2階の渡り廊下に立ち、その後1時間にわたって私たちのすぐ近くに立ち、監視することになります。

 受付では知事に直接会うことを要求しましたが「知事は1分単位で予定が入っているから会うのは難しい」とのことでした。さらに話を聞くと「知事はこれから外出するかもしれないし、私たちが知事の予定を知っている訳ではない」ということも言っていました。受付付近で待機するように言われ、原子力安全対策課の職員2人が現れました。この職員との話で、前回の要請書を確実に知事が読んだわけではないことが分かりました。

 その後、私たちが知事室や秘書課に直接赴こうとエレベーターに乗ろうとしたとたん、「秘書課にはアポがないと入れない/知事には会えない」と4人ほどの職員に包囲・制止されました。一連の職員の言動はとてもわたしたちの話を聞いてくれそうな態度ではありませんでした。知事には絶対会わせないという態度が伝わってきており、複数人による監視も続いていたので、知事に会うことは見合わせることにしました。(要請書は原子力安全対策課に提出しました。)


声を上げ続ける必要、民主主義は私たちが作るもの


 宮城県民の住民投票を求める11万筆の署名や、様々な団体の反対があるにも関わらず、再稼働の地元同意を表明するのは民主的ではありません。以前、知事と私たちとの面会を求めた際は「予定はない」とだけ返答が来たように、知事は一貫して全く県民の声を聞く気がありません。
 今回の要請書では女川原発の地元同意の撤回と同時に、改めて知事と私たちとの面会も求めています。

声を上げ続けなければ、どんなに再稼働に反対の人がいたとしても県と東北電力は原発再稼働を粛々と進めてしまいます。ここで改めて前回の私たちの要請に対する県からの回答を添付します。

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注目すべきは「間接民主主義」の下で選ばれた首長や議員による決定だから、県民の意見を踏まえた決定であるという旨の回答をしているところです。選挙だけが政治家ではないわたしたちが政治に意見を反映させうる手段なのでしょうか。私たちはそうではないと考えます(FFF仙台にはそもそも選挙権をもたないメンバーもいます)。ひとりひとりが意見を表明し、権利を主張し、社会の在り方を決めていくべきです。

一人でも多くの人が抗議の声を社会に表明し、その動きを拡げていかなければ社会を気候危機、環境破壊から守ることはできません(気候変動対策は取られず、原発は「国策」を盾に次々と再稼働してしまいます)。一緒に闘いましょう!

Fridays For Future Sendai

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