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アメリカンホテル事件

旅の醍醐味はトラブルとそれをどう解決するかです。

これを楽しめる人は海外旅行に向いてますが、いちいちストレスになる人はお家から出ない方がいいかもしれません。

今回は滞在したホテルで起こった面白い出来事について書きます。

旅の後半はダウンタウンエリアに戻ってきて、アートディストリクツにあるアメリカンホテルという名前のホテルに滞在。

名前がベタですね。

オンシーズンなので、宿泊費抑えようとしたらホステルがいちばんなんですが(友達も作りやすいし)、コロナが心配だったので今回はホテルを選択。

と言ってもシャワートイレは共同なので、アメリカンホテルはホステルに毛が生えたようなものです。

これよりランク上になると突然、1泊2〜3万とかになるのでほぼ、選択肢がなかったです。昔は治安の悪い場所だったけど、アーティストが住み始めてからおしゃれな街に生まれ変わり、周辺はアートだらけ。巨大なアートがビルの壁面に描かれています。もちろんダウンタウンなので、キレイで上品な雰囲気ではありませんが、道路に書かれたグラフィティ(落書き)ですら、写真に撮るとなんだかかっこいいです。

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ホテルは雰囲気的にアメリカンホラーストーリー(Netflixのゴシックホラー)に出てきそうな感じ。個人的にはテンション上がります。

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レセプションの男の子がとても親切で、エレベーターないので重いスーツケースも部屋まで運んでくれました。

古そうな建物だけあって、鍵はカードキーとかではなく普通に鍵穴にガチャンて差し込むタイプでオートロックでもありません。

部屋はこんな感じ。

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旅行中は寝られればいいので、私は特に不満はありませんでした(冷蔵庫もあった)。

さて、事件は日中外に出て、帰ってきてからのことです。

夜遅くミネラルウオーターを買いに行きたくて、ホテルの角にあるコンビニ??に行こうとしたとき。

え、鍵抜けない...

閉めようとして差し込んだ鍵が抜けません。ガチャガチャいくら回して少し浮かしたり深く差し込んだり色々と工夫をしても一緒...

スマホと2ドルの現金しか持っておらず、このまま朝まで開かなければどうしよう...と困っていたところに、2部屋先の人が出てきて"Hi〜!!"と挨拶してきました。

黒縁のおしゃれなメガネをかけたちょっと渋めのおじさん。イケオジ。

わたしも"Hi〜!"と返してから、今から水を買いに出るところなんだよね、と伝えたら、そのおじさんは向かいの小部屋を開けてペットボトルに水を汲み出した。

「ここの水で十分だよ!全然大丈夫!」

とか言い出す(いや、完全に掃除用のシンクでしょ、そこ)。

えーその水はちょっと〜、とか言いながら世間話を続けていたら、向こうは"Have a good night!"と言って部屋に戻ろうとしたので、

"Hey, I'm kinda in trouble...the key's got stuck in the keyhole! "

と伝えてみました(実は会話の間ずっと鍵が取れないかとガチャガチャやっていた)。

be stuckは「(ものが)動かない、つまって、はまって」という意味です。

"We got stuck in a traffic jam." (渋滞にハマった)

この単語はとても便利で、今回のように物理的に何か動かないという以外に「(物事が)行き詰まって、どうにもならなくて」という意味で幅広く使えます。

"I'm stuck in a terrible situation." (ひどい状況から抜け出せない)

"I'm totally stuck.  I don't know how to solve this math problem."(全然わからなくなっちゃった。この数学の問題どうやって解いたらいいかわからない)

のように使えます。

わたしは鍵穴から鍵が抜けず物理的にstuckだけでなく、この後どうしたら良いかもわからず状況的にもstuck...笑

そしたら、イケオジが言ったのです。

「部屋にオイルあるから持ってくるわ!」

え???どういうこと???観光客がオイル持ち歩くとか???...大体、掃除の水汲んでたし何この人...と思って聞いたら、

"I'm living here." (僕はここに住んでる)

という。

え?ホテルに住んでる?今流行りのやつですか?と思ったけど全然違った。

この後、ホテルのwebsiteを読んだら、イケオジが言ったことがそのまま書かれていたのですが、アメリカンホテルは1900年頃に黒人専用に建てたれたホテルであり、その後ミュージシャンが集まる場となり、文化の中心的な役割だったこともあったよう。ニルヴァーナとかソニックユースがいたらしい。

「何年住んでるの?」と聞いたら「ずっと住んでる」というのでどれくらい古くからの住人なのかはわかりませんが、風貌からして"You're a jazz guy, right?"と聞いたら、そのまんまジャズのミュージシャンでした。

イケオジがくれKURE556のようなものを持ってきてくれて、鍵はあっさり開きました。

旅はこういうことがあるからトラブルも楽しいということで。ちなみに後日、他にも住んでいる人がいるようで、友人は「空いてる部屋覗いたら普通にタンスがあった」と言っておりました。

ちなみに水は海外に行ったら、ミネラルウオーターを買いましょう。欧米はtap water(水道水)飲めないことはないですが、硬水なので石灰が含まれていて飲みすぎるとあまりいいことはありません。

さて、わたしは無事にホテル角の店に行き、ミネラルウオーターを買えたのですが、持っていた現金は2ドルだけ。お店のおっちゃんが「10ドル以下は現金しか受け付けない」と言い出したので、「えー、2ドルしかないんだけど」と言ったら「あ、いいよ、2ドルで」って大きいボトルを2ドルで買っちゃいました。





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