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日本語教師になったわたし-Vol.1-

私が大学を卒業したのは2016年3月。その年の4月から日本語学校で専任講師として働き始めました。
インターンの時から教えていた学校で、専任のお話をいただいき、なることが決まりました。

【 お品書き 】
✔︎ 大変だったこと
✔︎ やりがいを感じたこと

大まかにこの二つを中心に書いていこうと思います。

【大変だったこと】 毎日の教案作り

入国人数も決まり、クラス数も確定し自分のクラスが決まりました。

驚きの週5で3クラス!
1年目から週5でびっくりでした。
他の専任は週4だったので、もうやるしかないなという感じ。 

何が大変だったかというと、「教案作り」「教材作り」
インターンで教えていたとはいえ、まだまだストックという物はなく
例文から、タスクまで1から作る毎日。 
専任にも非常勤の先生にもたくさん聞いて、なんとか乗り切りました。

ここで気になるのが教材共有
この学校は共通で使える絵カード(みん日)と語彙シートのみでした。 

週5で3〜4クラス授業をすると、4月から10月までで
みんなの日本語1が3周
みんなの日本語2が2周できました (笑)
尋常じゃないスピードでストックがたまりました。

働いているときは、「毎日しんどい」と思っていたけれど
あとから考えると、やったことがない課はほぼなくて
突然代講になっても、授業でのテンパることがなくなりました。

教案をとって置くことも大切ですが、
私は導入方法例文つまづくポイント板書内容を書いた
簡易的な教案ノートを作りました。

重要なのはつまづくポイント
学生がわからないと言ったところ、質問された箇所をメモしておいて
次の授業に生かせるようにしていました。
レベル別でそのポイントも違うので、クラスレベルもメモしておきます。

このノートを作って毎日持ちあるいていました。
授業の振り返りノートにもなるし、授業を組み立てるときにも役立ちました。

【大変だったこと】 初級クラス2つ担任

入社してからすぐにクラス担任になりました。
比較的レベルは高だったのと、先生方からカリキュラム の雛形を
もらっていたので、なんとなく作り方、組み立て方はわかりました。

いきなり1クラス担任で3〜4クラス入っていると疲労がすごい。
土日はほぼぐったりでした。

担任ってすごいなーと思っていたのですが、7月生が入ってくるときに
教務主任から「担任もう一つお願い」と言われ、担任が2クラスに増えた

月末は大忙し!
2クラス分のカリキュラムを組み立てなければいけない。
月末ギリギリにならないと、送れなかった。
2クラスともイレギュラーな対応が必要なクラスだったので
毎週カリキュラム 変動があったので、来月のカリキュラム を早く組みすぎると、また変えなければいけなかった。
1ヶ月単位でカリキュラム を組むのが辛くなったのと、ギリギリになるので先生方に申し訳なくて、1ヶ月単位で作るのを辞めた

同じクラスの先生にも理由を話し、1週間単位で組む事に。
そのほうが学生の状況を見ながら判断できるので、カリキュラムに急かされず、その日の状況に合わせて授業をできるようになりました。
自由にやらせてくれた上司のおかげです。

毎週作らなければいけなくなったが、授業は学生の物なので学生優先は当たり前。でもゴールは決めなければいけなかったので、教務主任との意向と合わないこともあり、毎週作る手間よりも教務主任にカリキュラム について話す方が大変だった。

学生の大切な2年間を無駄にしてほしくないし、私たち教師も無駄にすることはできない。どんな理由で留学してきていても、2年間勉強してよかったと感じてもらえなければいけないと思っていた。

担任をするクラスが増えても、どのクラスにも平等に同じことを言っていたし、目標も決めていた。
私の正義でもあったし、貫きたかったことかもしれない。

【やりがい】 「使えたよ!」と言われたとき

全員がある程度のレベルの日本語を身につけてくるわけではありません。
中にはひらがなやカタカナもわからない、書けないまま入国する学生もいます。
そんな学生にひらがな・カタカナを教え、基礎文法を教えていきます。 

学生に「先生、昨日習ったこと使ったら、伝わったよ!」と言われた。
あのときは、すごくうれしかったです。

試験に合格するための日本語
生活するための日本語
働くための日本語

日本語もいろんな種類があります。教え方も。
教科書は教える手段。
生きた教科書にするには、学生の立場になって
例文を考えないと「使えた」に繋がらないんです。

こちらが一生懸命教えても、学生がわかって使えないと
なんの意味もないんです。
生きた日本語ではなくなる。

この体験がきっかけとなり、カリキュラム の組み方や
テキストの選び方などが変わって言った気がします。
いろんなテキストを買い、教材研究もがんばりました。

【やりがい】 テスト結果

学生が授業で学んだことを使えるようになったことも、とてもうれしい。
でも、学生が教えてくれるとわかる結果

目に見えるやりがいは「テスト結果」でした。
1年間の集大成である期末テスト。

テスト結果で来年次のクラスが決まるので学生はピリピリ。
そんな中、私はテスト結果を見るのが楽しみでした。
「できていない」を探すのではなく、「何ができるようになった」を
探して、みんな頑張ったんだなーとテストを見ます。
フィードバックのときもいいところ自分で何ができるようになったかを見つけて!と最初にいいます。

テスト結果って、何ができていないかが1番大切ですが、
日本語能力試験や留学試験などはそうだと思います。
期末テストぐらい、いいところを見つけるような物にしてもいいんじゃないかなと思いました。

そのときの学生の顔はいい顔をしている人もいるし
複雑そうな顔をしている人もいます。
そのとき私は「1年前の自分だったらこのテスト何点ぐらいかな?」と聞きます。1年前の自分と比べてできることが増えているのであれば、テストの結果って有意義なものになるんだと思う。

なので、自分の担任クラスのテスト結果にはメモ帳にメッセージをつけて返していました。
学生にとっても教師にとっても「テスト結果」は目に見えてわかりやすい。
でも、そのテストの中に含まれている学生の「できた」を見つけられたとき
私はあの授業やってよかったなーとやりがいを感じました。

 毎日が海外旅行

やりがいではなく、私の楽しみなことかもしれません。

この1年間で教えた学生の国は10か国でした。
偏りはありましたが、日本にいるのに学生から母国のことを毎日教えてもらっていたので、楽しかったです。
学校では習わない歴史のこと、文化、習慣、言葉。
学生とコミュニケーションを取ればとるほど、
あの国に行ってみたいなー。
この目で見てみたいなー!」と思う毎日でした。

いろんなことを聞くたびに、目を輝かせながら自分の国について話してくれる学生。私もドキドキ、ワクワクしながら聞いていました!

高校生のころ、「外国人と一緒に働きたい」と思っていました。
教師と学生の関係ですが、私の働く空間に外国人がいて、
旅行に行ったかのようにいろいろなことを知ることができる
毎日がすごく楽しかったです。

理想と現実のギャップ

日本語教師じゃなくても、会社に入る前と入ったあとでギャップがあって
ナイーブになるのは誰にでもあることだと思う。

私にももちろんありました。
でも、インターンシップ先の先生や先輩に予備知識としていろんなことを聞いていたため、覚悟ができていた気がします

理想と現実のギャップに戸惑い、精神的に辛くなる人ももちろんいると思います。
決して「夢を見るな」ということではありません。
勉強に予習があるように、働く前にどんな仕事なのか、現実はどうなのか、何が大変だとか予習することも大事だと思います。
予習をすることで、「よし頑張るぞ!」となる人もいるし、身構える人がいる。前者も後者もどちらもいいと思う。
予習することで予備知識をつけることで、新世界に明るい気持ちで飛び込めるなら、予習した者勝ちだ。


こんな感じで1年目がすぎていきました!
いろんなことがありすぎて、そして、忙しすぎて
1年が2年、3年のようにも感じました。

1年目の経験が2年目、3年目の自分、今の自分の糧になっている。
これから先も忘れないで生きていこう。



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