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葬送のフリーレン:強さと弱さがあるからその人の魅力が作られ、人を知るために私たちは旅を続けていく

この春小5になった息子が今一番ハマっている漫画、葬送のフリーレン。
息子に熱く語られ、夫に勧められ、別のところでもも勧められて気づけば私もアニメを見ることに。

ここ最近マンガに夢中になるなんてありませんでしたが、久々に熱中してしまいました。
面白かった~。

というわけで、個人的にフリーレンの魅力について語りたいと思います。
あらすじやキャラについては他のサイトをご覧ください。

アニメはAmazon primeでもNetflixでも見れます。

作品概要:
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中、山田鐘人(作)とアベツカサ(画)による漫画『葬送のフリーレン』。勇者とそのパーティによって魔王が倒された“その後”の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打倒した、千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく。2021年には「マンガ大賞2021」大賞を受賞。

小学館集英社プロダクションHPより引用

***

やっぱりパーティが魅力的

最近の漫画でヒーローがヒーローらしく完璧に描かれることなんてもはや皆無なんだろうけれど、圧倒的な強さと同時にその人らしい弱さがしっかり描かれているからパーティメンバーはとっても魅力的。

例えばフリーレンはめちゃくちゃ強い魔法使いでダンジョンの攻略も得意だが、くだらない魔法を集めることを趣味にしていて(「赤りんごを青りんごに変える魔法」とか「卵を割ったときに殻が入らなくなる魔法」とか)、クールで感情が薄いが、かといって冷たいわけではない。パーティメンバーのお誕生日に甘いものを食べに行こうと誘ったりするし、新しい魔法を見つければほくほくする。
ヒンメルは魔王を倒した勇者だが、実はすっごくナルシストで銅像を作る時にはポーズにめちゃくちゃこだわるし、現在のパーティの勇者シュタルクだって魔物の前で手が震えている。

私たちはどうしたって圧倒的な強みに心惹かれる。そして同時にその人のくだらないこだわりだったり、どうしようもない弱さを目にしたとき、その人のことを本当に好きになる。
いわゆるギャップ萌え。それがこの作品でとっても機能している。

そして現パーティも旧パーティもなんだかんだでくだらない日常を大切にしている。
くだらないことで日常を面白く、大切に。
それって人生の肝だと思う。

時間は誰にとっても平等に与えられているようで、その意味合いは一人一人異なることを思い出させてくれる

物語は主人公フリーレンを中心に、現在のパーティとの旅と過去の魔王を倒したパーティとの旅の回想が入れ子になってストーリーは進む。
第一話目は魔王を倒したパーティとフリーレンが50年ぶりに再会し、勇者ヒンメルがよぼよぼのおじいさんになって死んでお別れするところからなのでちょっと暗い。

…人間の寿命は短いってわかってたのに…。…なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…。

コミック1巻第1話「冒険の終わり」

ここからフリーレンは人のことを知るための旅に出る。
エルフの寿命はなんせ1000年以上と長いので、人間の一生はエルフにとってはあっという間だし、冒険の旅の10年も人間にとっては長い旅だがエルフにとったら一瞬である。

でもその一瞬が、誰かが変わるきっかけになることだってある。

時間だけは平等に与えられているというけれど、その人にとっての意味や過ごした時間の重みというのは人ごとに異なる。
若いときの10年と年取ってからの10年だって全然違う。

この作品では寿命が異なる種族が出てきて共に時間を過ごすので、なんとなく時間について考えさせられる。
一日24時間なのはみんな一緒でも、密度も違えばその時間が流れる人生のステージも違ったりするので、その人にとっての意味なんてバラバラなのだ。
何気ないことだって、その時は気づかなかったとしてもあとで意味を持ってくることもある。その人のタイミング、というもの。

そしてそれらバラバラをひっくるめて、たまたま一緒に過ごす奇跡を私たちは忘れてしまう。

別に毎日を特別にしなくていいけれど、どこかの片隅においておくとつまらないことでイライラしなくてすむかも。

***

フリーレンは『人を知る』ために再び旅に出るのだけれど、人を知りたいと思うこと、その人を知ろうとすることって愛の本質なような気がする。

私たちは誰のことも本当の意味で知ることはできない。たぶん。

でも好きな人のことは知りたいと思うし、好きな人に知りたいと思ってもらえることはやっぱりとても嬉しい。
人をちゃんと愛せているのかよくわからないけれど、私たちの人生は人を知ることで多少なりとも進んでいくのだろう。


というわけで、私の戯言は置いておいてみんな見てー!といいたくなってこの記事を書きました。
おしまい。

読んでくださってありがとうございます。



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