瀬織津姫の藤木社&天鈿女命の大田社 上賀茂神社の東に鎮まる女神たち
こんばんわ、唐崎夜雨です。
今回は総ルビでもなく、句読点なしでもなく、普通に書いてます。
去年の夏、京都の上賀茂神社を参拝しました。その参拝記はこれまでに投稿してきてますので、そちらをご覧ください。
今回は上賀茂神社の境内の外にある上賀茂神社の摂社末社をご紹介します。それでは上賀茂神社の一之鳥居を東に向かってあるきましょう。
上賀茂神社の正式名称は賀茂別雷神社といいます。上賀茂神社は通称ですが、そのほうが通りがよいので本文では上賀茂神社と書いています。
上賀茂神社を出て東へ、明神川に沿って散策を始める。
正面に見えるは比叡山です。
この地域は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
明神川にかかる石橋をわたるところに邸宅がつづく。石垣に土塀、そのうえから木々の緑が垣間見える。
一部拝見できるところもあるようだが、今回は見送る。
正面に大きなクスノキがみえてくる。
これが上賀茂神社の境外末社の藤木社。明神川の守護神として信仰されてきた。御祭神は瀬織津姫神。
このクスノキは樹齢500年という。巨樹はクスノキ、神社はフジの木。
町の中、神社と巨樹と清流という空間がある。
とても素敵な空間だ。夏場だと少し分かりにくいのですいが、この藤木社のクスノキにはナンテンのほか数種の植物が寄宿しています。
冬になればナンテンの赤い実がクスノキの上に実ります。ちょっと不思議な光景です。
この藤木社からさらに東へ進み、大田神社前の交差点を左折、北へ歩くと正面に大田神社がある。
大田神社の東側には大田の沢と呼ばれる沢地があり、カキツバタの群落がみられる。ここは平安のころからカキツバタの名勝地であったようで、藤原俊成も歌を詠んでいる。
神山や大田の沢のかきつばた
深き頼みは色にみゆらむ
藤原俊成『文知六年五社百首』
和歌の「神山」は上賀茂神社の御祭神である賀茂別雷大神が御降臨したとされる山で、上賀茂神社の北にある。上賀茂神社はこの神山を遥拝するように鎮座している。
残念ながら訪れた夏ではカキツバタは咲いていない。かつてどこかで撮ったカキツバタをちょいと載せておく、いろどりとして。
さて、大田神社は延喜式神名帳にのる古社であり、この一帯でも最古の神社と伝えられています。
御祭神は天鈿女命。
天岩戸の神話で、御神楽を演じたところから芸能の神さまとも信仰されている。
唐崎夜雨が訪れたときは暑い夏の日でしたが、境内の木陰に入ると日差しがさえぎられ心地よかった。
境内では、読書をされている青年がいた。いくらか気温は高めだと思うのですが、あまり多くの参拝客の訪れる神社でもなさそうですし、自然の中で静かに本を読むのは意外と心地よいかもしれない。
きっと女神もほほえましく見られていたことだろう。
こうしてあらためて見ると、神社や寺院が好きなのか、巨樹などの緑が好きなのか判然としないところがある。
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