見出し画像

舞台『ヒストリーボーイズ』を観劇

7月21日、池袋の劇場「あうるすぽっと」にて、舞台「ヒストリーボーイズ」を見てきました。
英国ローレンス・オリヴィエ賞やトニー賞を受賞した作品です。

物語は…

イギリスの進学校でオックスフォード大学やケンブリッジ大学の歴史学科を目指す8人の男子高校生。

英語と一般教養の授業を担当するベテラン教師ヘクターは受験にはあまり役にたたない文化や芸術について教え、歴史を担当する女性教師リントットは堅実だが今ひとつ合格には結びつかないオーソドックスな授業をおこなっていた。

学校として進学実績を上げたい校長は、オックスフォード大学に通っていた若い教師アーウィンを新たに雇う。彼は受験に有効な斬新な授業をおこなっていく。

ハンサムで頭がよく、リーダー的な存在のデイキン。ユダヤ人で自分がゲイであることに悩んでいるポズナー。敬虔なクリスチャンで作家志望のスクリップス。スポーツは得意だが勉強では周りに追いつけないラッジ。ユーモアがあり、ヘクターの授業を楽しんでいるティムズ、イスラム教徒で、建築に興味があるアクタール。独自の視点で鋭い意見を言うロックウッド。趣味で演劇に興味があるクラウザー。

生徒たちはアーウィンとヘクター、相反する考えを持つ二人の教師の間で揺れ動きながら、大学合格を目指していく。

本公演のパンフレットより

作:アラン・ベネット
翻訳:常田景子
演出:松森望宏
2,024年7月20日(土)~28日(日)あうるすぽっと

新木宏典 アーウィン
片岡千之助 デイキン
小西成弥 ポズナー
定本楓馬 スクリップス
國島直希 ラッジ
白又 敦 ティムズ
納谷 健 アクタール
前嶋 曜 ロックウッド
小田龍哉 クラウザー
長谷川初範 校長
増子倭文江 リントット
石川 禅 ヘクター

なかなか面白い作品です。イギリスの歴史や芸術などを知っているともっと楽しめると思う。
なぜならここは歴史学の授業であり、しかもヘクター先生は文化や芸術がお好きですから。
なかなか気になるセリフもあったが、忘れてしまった。ちょっと戯曲を読んでみたいと思う。

演出の松森望宏が手掛けた舞台は何作か観ていて、ドストエフスキーの「悪霊」とか、三島由紀夫の「わが友ヒトラー」など見ごたえのある凄まじさがあった。
それらに比べると「ヒストリーボーイズ」は表面的にはポップな作品かもしれない。

二幕。幕間に休憩をはさむ。
舞台のセットは学校の教室風で基本的には変わらない。生徒の机といすが移動して場面転換する。
場面展開が多いので、ややブツ切れ感は否めないかな。

片岡千之助はじめ高校生たちはハツラツとしてましたし、かたやベテラン勢は安定感の芝居。
一番印象的なのはヘクターを演じた石川禅。しょっぱな登場から歌を披露してくれたりする。この芝居はミュージカルではないが歌もうたうし寸劇もする。
アーウィン役の新木宏典は歴史だの教育だの難しいセリフで分量も多く大変そう。着てるスーツはいい感じ。

衣裳は良い。生徒はほとんどの場がブレザーでしたが、最後だけ制服ではない。
芝居終わってズラッとキャストが並んでご挨拶の時に、衣裳もセットも含めて全体的に茶系ベースのトーンでまとめられていることに気づく。遅いな。
実は衣裳の藤崎コウイチは親友です。だから褒めるわけじゃないが、素晴らしい才能の持ち主だと思いってます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?