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どうする人志

ここ30年近く日本のお笑い・バラエティ番組の中心にいるのは誰だろうか?ビッグ3(ビートたけし・タモリ・明石家さんま)?とんねるず?ナインティナイン?

いや、間違いなくダウンタウンだ。
私は90年生まれの神奈川育ちなので、伝説的な関西の生放送番組「4時ですよ〜だ」などは知らないが幼心に、「ごっつええ感じ」で笑っていた微かな記憶もある。
学生の頃は「HEY!HEY!HEY!」や「リンカーン」そして今も放映中の「ガキ使」「ダウンタウンDX」「水曜日のダウンタウン」などを観て育った。特にファンというわけではないが、日本国民の大多数と同じようにダウンタウンそして特に松本人志は天才だと思う1人である。日本のお笑い史はダウンタウン以前か以降に分かれ、現在テレビで活躍する多くの芸人は彼に憧れお笑い芸人の道を志した。

そんな松本人志に対して、元吉本興業所属の芸人であり現在は教育系Youtubeチャンネルで登録者500万人以上を誇るオリエンタルラジオの中田敦彦が提言動画をアップした。内容は松本人志が各お笑いコンテストで審査員を務めすぎているせいで、松本人志以外の笑いは認めなという空気が芸能界にそして社会に蔓延してしまい、風通しが悪くなっているということだ。

なるほど。
確かに一理あると私は率直に思った。

まず、ダウンタウンは吉本興業という超大手芸能事務所に所属し、元会長の大崎氏がマネージャーを務め二人三脚でここまでやってきた。吉本興業内での立場は会長に次いでいるということは2019年の宮迫博之の闇営業問題での彼の立ち振る舞いを思い返せば明らかではないだろうか。そして、テレビ局も現局員達は事務所のこと今までの局への貢献度や年齢も考えればダウンタウンには頭は上がらないことは周知の事実だろう。しかし、その権威は松本人志の才能や努力で勝ち取ったものであることは間違いない。

全てのことに通じるが、天才が長く同じ座に着くことは次の世代や循環という視点から考えると、健全な状態とは言えない。次世代の育成という視点を疎かに同じ権威に頼り続けることは未来を全く見据えていないと言われてもしょうがない。
もちろん、まだまだ松本人志のお笑いを観ていたいし、つまらなくなったとも思わない(余談だが「ワイドナショー」だけは降板してくれてよかったと思っている。)。ただし、松本人志が芸能界のタブー(聖域)だったり彼の権威が権力になり次世代の出現を阻害してしまう可能性は十分にあることは留意しなければならない。

そう考えると中田敦彦の提言内容自体はそんなに批判されなければなら無いのだろうか?今回の中田敦彦への社会の反応を見る限りこれは、残念ながら松本人志はもはや天才が故のタブー(聖域)扱いされていることがよくわかるできごとだったと思う。今回のことで怒っている芸人の方やお笑い通の方々は、本当に次世代のことを考えるならば犯してほしくない聖域だったとしてももう少し中田敦彦の提言に対して闊達に反応して欲しいと思ったり思わなかったり。

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