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リモート飲みって昔話しちゃいがちだよね。

銀河鉄道の夜

この言葉で何を思い返すだろうか。
大抵の人は宮沢賢治の名作小説『銀河鉄道の夜』だろう。しかし、私の学生時代の友人の多くは違うかもしれない。ロックバンド銀杏BOYZ(GOING STEADY)の『銀河鉄道の夜』という楽曲をいの一番に思え返すのかもしれない。

それは、UKのモンスターバンドoasisの『Don't Look Buck In Anger』がイギリスでアンセム(賛美歌)のように節目節目に歌われるのと同じように、『銀河鉄道の夜』という楽曲を学生時代にアンセムかのように節目節目に歌ってきたからだ。

なぜこの楽曲のことについて書こうと思ったのか。それは、このご時世で大学時代の親友たちとリモート飲みを最近よくするからだ。別に卒業してから会っていなかったとかではなくて、ずっと仲が良いのだが、居酒屋とかで会って飲んでいた日々よりもリモートで家で飲むと何かいつも話さないようなま真面目な話や昔の思い出話をする機会が増えたように思える。その中でふとこのことを思い出したのだ。

特に大学時代のサークルではこの曲をよく歌った。時には泣きながら叫んで歌った。銀杏BOYZなんて知らないであろう女子まで泣きながら飛び跳ねて歌っていた。この曲をもともと知っていた大学の人は、浪人したどこか屈折した高校生活を過ごした変人が多かった。峯田和伸っていう公然の場で下半身を出して捕まったり、ヨダレだらだらで歌う、やべぇ人間を崇拝している奴もいた。

ところで、銀杏BOYZの『銀河鉄道の夜』という楽曲は、もともと宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』という小説が多大なインスピレーションを与えている。小説『銀河鉄道の夜』のタイトルは知っているが、内容は知らない人も結構いるのではないだろうか。

簡単に私の拙い文章で紹介すると、主人公ジョバンニと友人カムパネルラの夢のような銀河鉄道の旅を綴ったファンタジー要素の強い作品である。不遇の生活をしているジョバンニは、唯一といっても良い友人カムパネルラと銀河鉄道に乗って様々な人と出会い、ほんとうの幸いとは何なのかを考える。そして、旅の終わりにジョバンニはサソリの話に胸を打たれる。今までの行いを悔いたサソリが自己犠牲の精神で自ら炎を放ち命を落とす姿を目の当たりにしたのである。ジョバンニはカムパネルラと、みんなの本当の幸いのためにどこまでも一緒に行こうと誓い合うのだ。

カムパネルラ、…どこまでも どこまでも 一緒に行こう。

しかしカムパネルラは消えてしまう。
突然、現実の世界に引き戻されるジョバンニは、まもなくカムパネルラが自らの命を犠牲にして友達を救った事実を知るのであった。この瞬間、ジョバンニは夢の世界での銀河鉄道の旅が何を意味していたのか気づき、みんなの本当の幸いのために尽くすことに生きる意味を悟ったのであった。

要約や考察できるほど詳しくないのだが、こんな感じだったと思う。銀河鉄道から見える様々なきれいな景色。そこで出会う沢山の人々。ジョバンニが銀河鉄道で学ぶ本当の幸いにジョバンニは思う。

カムパネルラ、…どこまでも どこまでも 一緒に行こう。

学生生活、僕はジョバンニだったのかもしれない。(痛い発言)乗った鉄道は田園都市線。(関係ない)本当の幸いなんて、考えたことはなかった。楽しけりゃいいや。って飲み惚けていた。でもしかし、カムパネルラには沢山出会えたような気がするのだ。

カムパネルラ…どこまでも、どこまでも、一緒に行こう。

しかし、カムパネルラは先に下車してしまった。

ハロー今、君に素晴らしい世界が見えますか?

まだ、見えそうにないなぁ。

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