【映画】Coda

少し前だけど、2022年1月に観ることができました。

父も母も兄も聴覚障害がある家庭で自分だけが健聴者、という女の子ルビーが、歌の道に進もうとする話。

子どもが健聴者だと、どうしてもその子に頼りきりになり、子どもが抱えるものが大きくなってしまいがち、というのは、本当によく聞く。それが分かりやすく描かれていくだけに、「伝えようとする」「分かろうとする」ところに涙せずにはいられなかった。

ルビーの歌の才能を見出した、音楽の先生も強烈だった。自分には、見出す、引き出す力がある、導く才能がある。だからこれをやっている、という。自分自身の力をこんなにはっきりと自覚し、言語化し、誇りをもってやっている。プロってかっこいい。

お兄ちゃんの葛藤ややさしさ、お母さんとの素直な打ち明け合いも好きだけど、ラストのお父さんがたまらなかった。トラックの荷台のシーン。
障害と呼ばれるものって、なんなんだろう。何が障害なんだろう。器質的な障害がなくても、伝わらない関係性は山ほどある。逆にそういった障害と呼ばれるものがあったとしても、一番大切なことを、ここまで伝え合うことができるんだ。あのお父さんは、娘の歌声を聴くことは、どんなに望んでも叶わない。でも、心、想い、鎧のなさ……分かろうとする・伝えようとする人間の在り方に、涙腺崩壊した。心ってこんなに伝え合うことができる。私はこっち側の人間になりたい。

書く、歌う、話す。自分にできる形で色々と表現してみたいと改めて思うきっかけになった。どこにもたどり着かないかもしれないけど、目的地は分かんないけどコンパスだけはある感覚。したいと思ったらすればいい。したいことをする。

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