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【新・着物の常識】「10月でも単衣でいいわよ」にぞっとした理由

読んでいただき、ありがとうございます。
《身体と着物》から着付けを考える着付け講師かほです。
不器用さん向け空飛び着付け教室として「身体を調える着付け」を全国レッスンしています。


秋の衣替えの季節になると、決まって出てくる話題。
「9月になったけれど、もう単衣を着なくてはだめですか?」
「もう10月だけど・・・・・」

ほんと、誰よ、こんな「ルールがある」って言いだしたのは!
そもそも「季節のルール」なんて、ありません。
あるとしたら、昭和の時代のどっかの着付け教室が決めた独自ルールです。

あ、制服の衣替えはありましたよ?

そもそも「衣替え」のルーツは宮廷行事。宗教的な意味もありました。
が、庶民にはそんなものはなかったの。
「衣替え」としてルールがあったのは、つまりは、制服。

「ルール」ではなくて「季節感を楽しむ」という意味で、「この時期にはこの素材を着ると素敵よね」「おしゃれは季節先取り、おしゃれは我慢!!」はありましたが、「ルール」ではないのです。

「季節のルールなどない」
まずは、そこを抑えたうえで。

「10月だけど、まだ単衣でもいいわよ」

そうおっしゃっている方も多いのですが、その言葉にわたしはぞっとしました。
「日本の季節感が失われる!」
「10月に袷を着ないなんて!!」
ではもちろんありません。

じゃあ、なぜこの言葉にぞっとしたのか。

まだ30度を越そうかという10月の頭。
単衣を着てるの???
このセリフの背景には

「もうすでに単衣は着てますよね?」

という暗黙の了解があるから。
繰り返しますが、まだ最高気温が30度近くにもかかわらず。
気温的には完全に夏物です。

「10月だけど、まだ単衣でいいわよ」

一見おおらかに見えるこのセリフに隠れた「9月は単衣」というルール感。
そこにぞっとしたの。
無意識で表面上はわからない、だからこそ、かえってこわい。

わたしはまだ夏物です。
完全オフなら浴衣も着ます。
だって、洋服だってまだノースリーブだもの。

わたし的新提案は。

6月~9月は夏物。

……提案もなにも、わたしがまんまこの感じで着ています(笑

とはいえ、「ザ・夏物」ではおしゃれ乙女心が痛みます(笑
9月にも夏物を着るための工夫はまた別の機会に。

※地域性もあるので(北海道なら単衣でももう寒い 笑)、一概には言えませんけどね?

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かほ@《身体と着物》をマニアックに研究している人
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