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社員に自律してほしい

経営者の悩み

こんにちは。
フェリタス社会保険労務士法人の石川です。

経営者であるお客様と話していると、結構な頻度で
「社員にもっと自律して動いてほしい」
「自分から動く積極性を持ってほしい」
というお悩みを伺います。

私も経営者のはしくれなので、お気持ちはよーく分かります。

どうしたら社員が自律してくれるのでしょうか??

今回は、「自律した社員になってもらうために?」というテーマで、うちの事務所の例でお伝えさせていただきたいと思います。
ポイントは、ずばり「仕組み」です!

そもそも、社員が「自律しているか」「依存的か」というのは、その人のパーソナリティにもよりますし、今まで育ってきた環境などの影響も大きいです。
個人のパーソナリティにフォーカスすると、それは大変な労力を要しますし、そもそも「過去と他人は変えられない」という言葉通り、個人を外から変えようというのは難しい・・。
そこで、個人にフォーカスするのではなく、仕組みを作って動かしていく、という方法がおススメです。

フェリタスの場合

私自身も同じ悩みを持っていました。
(自分達でやりたい事とか、意見とかどんどん出してほしい)
(積極的に動いてほしい)
と思って、そのように伝えているつもりにも関わらず、あまり状況が変わらない・・。
私自身が色々と忙しくなる中で、様々な役割を代表である私が担当していることに限界を感じていました。

うちの事務所は、現在、社員数が私も含めて24名なので、本業の社労士業務以外にも、細かい管理業務や雑務があります。
総務、経理、人事、IT関連、広報、Pマーク対応など、他にも事務所機能を維持したり、サービスレベルを上げるために、色々色々色々やることがあります。。
以前は、経理を担当してくれている社員と私のほぼ2名で総務も経理も担当し、IT関連や広報、Pマーク対応などは、ほとんど私一人が対応するという状態でした。

ですが、こういったことをスタッフ自身が自分達で主導してやっていった方が、事務所内の動きも分かるし、私がやるよりもっといい成果が出るのでは?と常々思っていました。
(何より、私自身が1人でやるのは、完全にキャパオーバー)

そこで、顧問税理士さんと相談して、事務所内に委員会のようなものを立ち上げよう!となりました。

実は、以前から委員会的なものはあったのですが、あまり機能しておらず、結局はすべて私が判断・決定するという流れになってしまっていました。
今回は、ちゃんと自分達で判断できる範囲をあらかじめ決めて、自分達の責任で運営していこう!となり、動き出したのです。

ロール発足!

「委員会」という名称は使わず、「ロール」という名称にして、「総務ロール」「経理ロール」などと名付け、それぞれメンバーを3名~5名程度アサインしました。
各ロールの中にも役割があり、それぞれ「ビール」「ノンアル」「ジュース」となっています。
「ビール」は、いわゆるリーダーです。ロール全体の会議に出席したり、各ロールの代表的な役割です。
「ノンアル」は、いわゆるサブリーダーの役割で、ビールをサポートする役割。
「ジュース」は、ロールのメンバーです。

ちなみに、このロール全体が集まる会を「お歳暮会」と呼んでいます。

各自、ロールにジョインする際に、役割に応じてポイントがあります。
「ビール」は3ポイント、ノンアルは2ポイント、ジュースは1ポイントで、各自4ポイント以上になるようにしています。
例えば、ビールとノンアルで参加すると、5ポイントなので、2つのロール参加でOK。
ジュースのみで参加する人は、4つのロールに参加します。

各ロールとも、毎月1回ミーティングを行い、その内容について、お歳暮会で毎月発表します。
ミーティングの内容などは、全て議事録をとって、メンバー以外の誰でも確認できるよう、Slackにアップしています。

最初は慣れなくて、私が「ロールで決めていいよ」と言った事でも、
「先生、これでいいですか?」
と聞いてきて、
「いや、ロールで決めていいって言ったじゃん!」
というやり取りが何度もありました。
ですが、最近はだいぶ慣れてきて自分達でどんどん取り組んでくれています。

うちの事務所メンバーは、真面目な人が多く、何事もちゃんと上長に確認して、自分達で勝手に動かない!という傾向が強く、
それはそれで、安心・確実なのですが、ともすると自律性を失いかねず、また、自分で判断するという機会を奪う事にもなります。

最初は、
「自分達で決めるなんて、無理だよね。うまくいかないに決まっている」
などと言う声もちらほら耳に入り、ガッカリしたりしましたが、やはり思い切って改革することは大事だなと実感しています。

メンバーのタイプに合わせた対応

うちのメンバーのように、石橋を叩きまくって渡るような人たちには、
「この範囲でなら自由に決めていいよ」
と、範囲を限定してあげることも大事なのだと気づきました。

私自身は比較的自由人なので、どんどん前に進んでいこうとするタイプですが、慎重なタイプの人に、
「もっと自由に発想して、どんどん決めていいよ」
と言っても、かえって不安になるようです。

どちらが良いとか悪いではなく、慎重な社員だからこそこの仕事に向いている部分もあります。
仕組みを作ることでお互いにストレスフリーで進められることがあると実感しています。
結果的に仕組み化することで、個人のパーソナリティに頼らず、「自律」スイッチを動かすことが出来ました。

ちなみに、「お歳暮会」「ビール」「ノンアル」「ジュース」という名称は、社員から募集して決定しました。
個人的に、とても気に入っている名称です♪