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Fender LEAD3のZodiac Works SHⅡ-180(シャチ・布袋寅泰モデル)化(再追記:2022/2/10) #コスプレ

 今回のコスプレモチーフは布袋寅泰モデルのひとつとして知られるZodiac Works社のSHⅡ-180(通称シャチ)です。Zodiac Works社からは、SHⅡ-180以降もSHシリーズとして仕様の異なるシャチが登場していますし、同型のモデルは「H」の品番でFernandes社からも発売されていました。



布袋寅泰

 布袋寅泰はBOØWYのギタリストとしてデビューし、解散後はソロ活動の他、COMPLEX等での活躍でも知られるミュージシャンです。使用ギターとしては、なんといっても象徴的な白黒の幾何学模様(通称「G柄」)が描かれたTelecasterタイプのギターが有名ですが、それ以外にも様々なギターを使用しており、シャチもその中の1本です。上の動画では、布袋自身がシャチについて紹介しています。


シャチ(Fernandes H、Zodiac Works SH)

リットー・ミュージック ギター・マガジン1992年10月号P25

 シャチは現Zodiac Works社代表の松崎淳が、Fernandes社在籍中に開発したギターです。開発の経緯としては布袋からの「テレキャスではないギターが欲しい」というリクエストに答える形で、ロンドン滞在中の布袋にデザインスケッチを送り、プロトタイプの製作に入ったとのことです。1992年9月23日発売のGUITARHYTHMⅢのレコーディング(ロンドン・東京)ではシャチ(Burny* H-CUSTOM)が使われたとのことですので、デザインスケッチのやり取りは前年の1991年(GUITARHYTHMⅡロンドンレコーディング時?)ではないかと思われます。
※「Burny」はFernandes社の別ブランド


 上の動画では布袋がH-CUSTOMを弾く姿が確認できます。


Fernandes(Burny)Hシリーズ

Fernandes社1992年カタログP66

 Fernandes社カタログ上では、1992年に初めてシャチ(H-105)が掲載されます。H-115の方はは12弦仕様ですね。
 ネックはメイプルでバインディング付き、ローズウッド指板には底辺の方が短い台形のインレイ、ミディアムスケール(24 3/4インチ、628.65mm)です。ネックジョイントはボルトオンです。これらの仕様は2000年の掲載終了まで踏襲されます。
 ボディーはGibson社Les Paul Modelの如きメイプルトップマホガニーバックですが、アーチドトップではなくフラットです。色は黒とアンバーが選択できました。
 ピックガードは白のパーロイド柄で、形状はFender社のTelecaster ThinlineとDanelectro社のShorthornをミックスしたような印象です。
 ピックアップは、Fernandes社オリジナルのシングルコイル2基を、ピックガードからの吊り下げではなくボディーにダイレクトマウントしています。また、スラント(ピックアップの傾き)は、1弦側がネック寄りで6弦側がブリッジ寄りとなる所謂逆スラントマウントです(後述)。コントロールは1ヴォリューム1トーンにPUセレクターという仕様です。
 H-105のブリッジにはシンクロナイズドトレモロユニットが採用されており、上述のギター・マガジン1992年10月号P25で掲載された画像と同じものであるように見えます。


Fernandes社1994年カタログP38
Fernandes社1996年カタログP62
Fernandes社1999年カタログP67

 Hシリーズですが、1994年からはボディー・ヘッド形状・インレイ以外の多くが変更され、仕様的にH-105とは大きく乖離してしまいます。これ以降も仕様は何度か変更され、2001年以降2012年までのカタログ上には掲載が確認できません。


H-ELT BLK

 現在Fernandes社のサイトにはH-ELTの型番で2000年までとはまた異なる仕様(Gibson社のFirebirdを意識?)のHシリーズが掲載されています。但し「※在庫終了次第廃盤(原文ママ)」とのことです。


Zodiac Works SHシリーズ

リットー・ミュージック ギター・マガジン2008年3月号P60

 Fernandes社Hシリーズのデビューとほぼ同時期かやや遅れたくらいのタイミングで、Zodiac Works社からもシャチが発売されます。品番はSHⅡ-180で、基本的にはFernandes社のH-105と同仕様ですが、ヘッドシェイプはSHの方が大振りなものになっています。また、指板インレイはシンプルなドットになっています。


Zodiac Works社TC-HOTEI

 ブリッジがハードテイル仕様(ZGB-Ⅰ)である点とピックアップにEMG社のSAが採用されている点は、Fernandes社のシャチとは異なり、寧ろTelecasterタイプの布袋モデル(TC-HOTEI)と共通しています。


Zodiac Works SH-Ⅱ[TREMOLO]

 SHシリーズにはこの他にボディートップがシースルーカラー(アンバー、青、緑を確認)で所謂トラ杢が入り、マッチングヘッドという仕様もあります。また、前述の動画内で弾かれているモデル名はSH-HOTEI 35th(SH-Ⅱ)で、指板はエボニーです。SPERZEL社TRIM-LOKとFender社のLSR Roller Nutというペグ・ナットの組み合わせは、Fender社のJeff Beck Stratocasterと同仕様です。ブリッジにはWILKINSON社のVS-100Nを採用、ピックアップはEMG-HOTEI CUSTOM(EMGのロゴがGマークに変更)が搭載されています。

リットー・ミュージック ギター・マガジン2022年3月号P067

 ピックアップですが、リットー・ミュージックのギター・マガジン2022年3月号によるとFernandes社F.G.I.HOTEIモデルだそうです。
(追記:2022/2/10)


 こちらの動画では冒頭に紹介したSH-HOTEI 35th(SH-Ⅱ)をクリーンだけでなく歪ませて弾く姿が確認できます。


ネックスケール

GIGS 1993年

 シャチのネックスケールですが、前述の通りHシリーズはカタログ上一貫してミディアムスケールを採用しています。しかし、SHⅡ-180については掲載媒体により記述が異なることを発見しました。雑誌GIGS広告上では25.5インチ(いわゆるロングスケール)とあります。松崎もインタビュー記事*の中で「HシリーズとSHシリーズはスケールが異なる」と答えており、それとも符合します。
※リットー・ミュージック ギター・マガジン・レイドバック第7号P79


リットー・ミュージック ギター・マガジン1993年2月号P242

 一方ギター・マガジンの機材紹介記事上ではギブソン(ミディアム)スケールと記述されています。また、SH-HOTEI 35thでもミディアムスケールが採用されているようですので、真相究明には実機を確認する他無いようです。
 上の画像からはネックジョイント部にジョイントプレートを用いずジョイントブッシュを使用しており、この部分のみ用いられている金属パーツが黒であることがわかります。


逆スラントマウント

StratocasterコスプレLEADとTelecasterコスプレLEAD

 シングルコイルピックアップ搭載のシャチの特徴の一つである逆スラントマウントですが、Fender社のStratocasterやTelecasterではネック・ミドルピックアップがフレットと平行であるのに対し、ブリッジピックアップでは1弦側が6弦側よりもブリッジ寄りに位置しており、スラントマウントと呼びます。


PlayerLEADとDuo-SonicコスプレLEAD

 LEAD2ではネックピックアップもスラントマウントされていますし、Duo-Sonicではネックピックアップがスラントマウントで、ブリッジピックアップがフレットと平行です。


Fender Jimi Hendrix Stratocaster

 これに対し、Fender社のJimi Hendrix Stratocasterのブリッジピックアップではスラントマウントの逆で1弦側が6弦側よりもネック寄りに位置しており、逆スラントマウントと呼ばれます。これは、左利きであるJimi Hendlixが右利き用のStratocasterを使用した際に、見かけ上ブリッジピックアップのスラントが逆になることに基づきます。


サドル前端-ブリッジPU中心距離
左上:逆スラント1弦 右上:逆スラント6弦
左下:順スラント1弦 右下:順スラント6弦
サドル前端-ブリッジPU中心距離別の周波数特性
左上:逆スラント1弦 右上:逆スラント6弦
左下:順スラント1弦 右下:順スラント6弦
※ポールピース直径(幅)は全て0.187(3/16)インチで設定
http://www.till.com/articles/PickupResponseDemo/

 ピックアップの搭載位置を変えると、感知した弦振動における基音と倍音の割合に変化が起こります。端的に言えばネック側に近づくほど基音の割合が増加し、ブリッジ側に近づくほど倍音の割合が増加します。言い換えるならばネック側では太い・丸い音、ブリッジ側では細い・鋭い音となります。
 つまり、逆スラントマウントにおいては1弦側で太い・丸い音になり、6弦側で細い・鋭い音になると言えます。
 シャチの場合、布袋モデルTelecasterと比較すると、ブリッジピックアップでは前述の逆スラントマウントの特性通りになるはずですが、ネックピックアップでは6弦側で細く・鋭くなる一方、1弦側ではほとんど変化しないはずです。


LEADの逆スラントマウント

 こういった変化が聴感上認識できるか否かですが、オリジナルLEAD2のX-1というシングルコイルピックアップで比較する限り認識可能です。


EMG SA

EMG社SA

 今回のコスプレで採用するピックアップであるEMG社のSAは、マグネットにアルニコを使用したStratocaster用シングルコイルサイズのピックアップです。
 EMG社はアメリカの楽器用ピックアップメーカーで"Electro-Magnetic Generator"の頭文字が由来とのことです。1976年に、「Dirtywork Studios」としてギター用のピックアップの製造を開始し、1978年にブランド名を「Overlend」に変更したのち、1983年に「EMG」に再変更したようです。
 EMG社ピックアップの特徴は、なんといっても所謂アクティブタイプのピックアップであることで、SAもアクティブタイプです(現在商品ラインナップにはパッシブタイプもあり)。アクティブとパッシブの違いについてはFender社のサイトの解説がわかりやすく、アクティブの特徴をまとめたものを以下に抜粋します。

  • ギターおよびベース内部に増幅回路を持つ

  • シグナルに対してエレメントの追加と削減が可能であり、EQ、フィルター、フィードバックコントロール等が使用可能

  • パッシブ型に比べ、電気的干渉に強い

  • 本体内部に電源を持つ(通常は9ボルト電池で動作するプリアンプ)

  • 内臓の電源が消耗している状態では機能せず、パッシブでの使用も不可能となる


EMG社SA付属説明書P1

 上の画像の通り、梱包されているのはピックアップ本体に加え、ヴォリューム・トーンPOT各1、弦高調整用ネジ及びバネ各2、その他配線関係のパーツ(配線ターミナル・ケーブル)がいくつかと、電源供給に必要なバッテリースナップ(9Vの006P電池用)、ステレオアウトプットジャックです。これに加え、純正のトグルスイッチ(B289)も別途購入しました。これらはソルダーレスでの接続が可能となっています。


SA裏面 ケーブルなし
SA裏面 ケーブルあり

 取り敢えず手持ちのピックガードを利用して仮組を行っていきます。仮組といっても端子同士を組み合わせていくだけなので非常に簡単です。ケーブル側の端子に表示されている三角のマークが視認できる状態で組んでいきます。


ヴォリューム&トーンPOT及びジャック裏面

 ピックアップからの出力はトグルスイッチ⇒ヴォリューム⇒パッシブトーン⇒アウトプットジャック、という順で接続していきます。


 ピックガード表面です。CTS等のインチ規格POT搭載を前提としたピックガードの穴径と比較して、純正POTの軸径は細いことがわかります。


EMG純正POT直径7.8mm
CTS社POT直径9.4mm

 直径を測定するとCTS社POTの9.4mmに対しEMG社純正品は7.8mmと細いため、ピックガード作成時には純正品の径に合わせてもらう必要があります。


仮組完了

 取り敢えず仮組を完了させたところです。上の画像撮影後、搭載するボディーのキャビティとの適合性を調整し、トグルスイッチはアウトプットジャックに近い方のスイッチ穴にずらすことにしました。また、アウトプットジャックとの接続端子がキャビティーと干渉するため、はんだ付けでの接続に変更しました。


ピックガード裏面

 上の画像が最終形です。各配線の長さには余裕があり束ねていますが、006P電池用スナップについては搭載する位置との関係で長さが足りなかったため延長しています。


レゾナントピーク

 巷では「EMG社のピックアップはどのギターに乗せても同じ音がする」などと言われているようですがそんなことは無く、要はパッシブのピックアップが上手く拾えていない倍音を拾えているし、開発者のインタビュー記事等より、電気回路の設計においてもある種の特徴的な周波数特性を設定しているのではないかと推測しています。結果としてそういった固有の特性が、ギターの違いやマウントポジションの差異よりも際立ってしまうのではないかと思いました。

 ピックアップの周波数特性に関係するレゾナントピークについては、ESP社のSeymour Duncan社製品に関するページに詳しく書かれています。抜粋すると「ピックアップ固有の特出した周波数帯ポイントのことを、レゾナントピークと呼びます。レゾナントピークが高ければ高いほど、ピックアップの音質は歯切れのよい明るいものになります。(8KHz前後まで。10KHzの辺りから、ピックアップはとてもフラットな音になり始めます)。」とのことです。


Pickups, Windings and Magnets…and the Guitar Became Electric, Mario Milan, P93

 レゾナントピークについてはその周波数だけでなくQ値(Quality Factor)についても考慮する必要があります。Q値は、共振周波数(レゾナントピーク)における信号の「鋭さ」のことで、電子回路においては「(共振周波数での)信号の強さ/バンド幅」と定義されます。図では、比較を容易にするために、2つの架空のピックアップのピークが同じ周波数で発生するように示されています。

Mario Milan*(2007)によれば、Gibson社のP-90の暖かくもナスティな音は低い周波数でより強調された狭い帯域の結果で、ピークの帯域は狭くて非常に高く4300~4700Hzに発生し、Q値は5.6です。
また、Fender社のStratocaster用シングルコイルピックアップのオープンでクリアなサウンドは高い共振ピークと強調された大きな帯域によるもので、ピークは7000 Hzをはるかに超える周波数にあり、高さはそれほどではなく広い帯域が影響を受け、Q値は2.7です。
※Pickups, Windings and Magnets…and the Guitar Became Electric, Mario Milan, 2007, P92

 

https://guitarnuts2.proboards.com/thread/8989/emg-response-curves

 Fender社(Mexico製)のStratocaster純正ピックアップ(パッシブ・シングルコイル)では、Q値が高くレゾナントピーク部での「山」がはっきりとわかりますし、ピークを超えた部分では急速な減衰が起こっています。
 レゾナントピークの値はポジションによって異なりますが、無負荷の場合で5.42~6.36Hzとなっています。


EMG社シングルコイルサイズPU仕様比較表(EMG社SA付属説明書P1)

 それに対し、SAのレゾナントフリケンシー(=レゾナントピーク?)は上の画像の通り3.70 KHzとあります。EMG社のシングルコイルサイズピックアップ中の比較では、SAV > S > SA > SLV > SVの順となります。


https://guitarnuts2.proboards.com/thread/8989/emg-response-curves

 SA-Xの応答曲線は全体的に均一で、より上の周波数での減衰が緩やかです。レゾナントピークの実測値は3.74KHzで、仕様表の値(4.05KHz)よりも低いです。SAの応答曲線については不明ですが、ある程度類似したものではないかと推測できます。
 ただ、EMG社のロブ・ターナーはインタビュー記事* 中で次のように述べています。

「僕たちはプリアンプに2つのインプットを付け、コイルのシェイプを変えている。こうするとより複雑なレゾナンスが得られるんだ。シングルコイルPUでは、レゾナンスも1種類で、大抵はピーキーで決まったトーンになってしまう。しかしEMGのPUはレゾナンスがもっと複雑だ。まるでバイオリンのようにね。例えばバイオリンでレゾナンス・フリケンシーが一つしかないものがあったとしたら、そのバイオリンのサウンドはきっとひどいものになるはずだ。つまりレゾナンスが複雑になるほど、サウンドは向上するということだ。」

※リットー・ミュージック ギター・マガジン 1992年10月号P53-4

 この発言をどう解釈するかは難しいところですが、複数のレゾナントピークが結果として均一な応答曲線を生んでいると考えれば一応の辻褄は合います。


仕様

全体像
ネック裏・ジョイントプレート

 今回コスプレの素材に用いたのはオリジナルのLEAD3です。ネック裏も黒く塗装されている22フレット使用のシャチのネックに少しでも近づけるため、手持ちのJazzmaster用ローズウッド1ピースネックを選択しましたが、フレット数はともかく黒と茶色ですので似ているとまでは言いづらいです。
 また、シャチはネックプレートではなくブッシュを用いたジョイントとなっていますが、今回はプレートのままです。


オリジナルLEAD3キャビティー

 オリジナルLEAD3を選択した理由ですが、上の画像の通り大きめのキャビティーが空いていますのでピックアップを逆スラントマウントすることが可能であるからです。


ネックピックアップキャビティー1弦側ブリッジ寄りに006P電池を搭載可能

 ピックアップは、シャチと同様にEMG社のSAを前述の通り選択しました。ただ、SAはアクティブピックアップですので電池を必要とします。その収納場所としてもネックピックアップキャビティーを利用することにしました(上の画像参照)。


GOTOH社S11C

 ブリッジプレートは純正品ですが、サドルにはシャチの仕様を踏襲しブラス製(GOTOH社S11C)を選択しました。シャチに搭載されているZodiac Works社のZGB-Ⅰ搭載も考えたのですが、弦間ピッチが10.8mmということで断念しました。ノブはメタルドームノブ(クローム)でスイッチはEMG社純正のトグルスイッチです。


白パーロイドピックガード

 ピックガードは白パーロイドでパーロイド柄-白-黒の3プライです。ピックアップは前述の通りEMG社のSAを逆スラントマウントしています。シャチはダイレクトマウントですが、本コスプレでは通常のLEADシリーズ同様ピックガードからの吊り下げ式としました。


まとめ

 今回のコスプレですが、ネック・ボディーにおけるバインディングの有無やピックガードの形状等、似せられていない点のほうが目立ちます。似せられたのは、白パーロイドピックガードにEMG社SAの逆スラントマウントとブラス製ブリッジサドルやコントロールノブ等でしょうか。
 SAの逆スラントマウントによる変化の認識についてですが、X-1の場合よりは違いがわかりにくかったです。EMG社ピックアップ固有の特性のほうが、印象として上回るからだと考えますが、同じピックアップで順スラントマウントにした個体があれば違いは認識しやすいかもしれません。

 SAについては「コンプレッサーをかけたような感じ」との評もあるようですが、内蔵の電気回路のダイナミックレンジの問題なのか、確かにそういった印象は受けます。勿論ピッキングで強弱はつけられるのですが、妙に整うというか。今回は電源電圧が9Vですが、識者によれば18Vの場合はかなり音やダイナミックレンジが変わるとの評もありますので、電池の収納場所に問題がなければ試したい*ところではあります。
 あと、これもよく言われていますが、本当にノイズは少ないというか皆無で、やはりノイズが少ないと言われるLace社のGold Sensor等と比較しても格段に少ないです。

 実はEMG社ピックアップを搭載したギターを所有したのは初めてで、仮組状態で鳴らしてみた際の感想は「BOØWY!」でした。クリーンセッティングでコーラスエフェクターを掛けてBad Feelingを弾きたくなってしまう、そんな音だと感じます。勿論ピックアップ以外にも出音に影響する要素は多々あるわけですが、「BOØWYのあの音」についてはSAの関与具合は少なくないと感じました。前述の通りEMG社のピックアップ搭載のギターはこれが初めてですが、今はこういうのが1本あってもいいなと思っています。


※電源電圧の変更比較(追記:2021/12/25)

006P電池スナップをピックガード外へ(追記:2021/12/25)
変換用プラグと接続(追記:2021/12/25)
エフェクター用電源コードと接続(追記:2021/12/25)
Xotic社 Volgtage Doublerを接続し18V/15Vに昇圧(追記:2021/12/25)

 電源電圧の変更比較をやってみました。方法は上の画像群の通り006P電池スナップをピックガード外に出して、変換用プラグを用いて外部電源との接続を可能としました。そのうえで通常の9Vと、Xotic社 Volgtage Doublerを接続し18V/15V(スイッチで切り替えが可能)に昇圧した場合を比較してみました。
 結果ですが、やはり昇圧するとコンプ感が薄れ、パッシブ型ピックアップ搭載のギター寄りになります。ただ、18Vと15Vの違いは僅かだと感じましたし、9Vが劣るというわけでもありません。寧ろ独特のコンプ感は場合によって有利に働くこともあるように思います。
 昇圧の有無に関わらずSAの周波数特性は保持していますし、各弦のバランスも良好なままです。ノイズも変わらず皆無ですので、電池収納スペースにゆとりがあればお好みで決めてよいのではないかと。筆者は当面9Vで使用したいと思います。

【了】

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