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「なんちゃって選択的夫婦別姓」をやってみて起きた不都合

入籍をして2年が経つ。仕事やプライベートでも、旧姓を名乗り続けることにこだわっていた。

先日、祖父の葬儀で、参加者として自分の名前が新姓になっていた時、自分の名前が死んだように感じた。
名字を重ねる、じゃなくて、消された気持ちになった。
大好きだった祖父の葬儀という大事な会で、私は私でいられなかった。

なんでこの記事を書いたのか

「名字が変わるのが嫌だ」と知人男性に話した時、「でも、仕事では旧姓なんでしょ?そんなに生活では変わることないんじゃない?」と言われた。

たしかに、会社は通称OKだけど、私の人生は会社だけじゃない。

入籍して2年。最初は確かに、旧姓を使い続けることで変わらないように思った日常に、じわり、じわりと、新姓の私が日常に侵入してくる。

名前を記入する時、何かに登録する時、名乗る時、
「結婚してて、普段旧姓使ってるんですけど、旧姓でいいですか?」
このやりとりを、私はこの先の人生で何百回いけないんだろう…めんどくせぇ…気が遠くなる…

日常的に二つの名前を使うことは、思っていたより面倒だった。度々頭が混乱する。どんなことが起きたか、下記に簡単にまとめてみた。

病院

まず、保険証は戸籍の名前、つまり新姓で作り直さなければいけない。
病院から、「保険証と診察券の氏名は一致させて欲しい」と言われた。受付の方に混乱を招くことは申し訳ないので、病院の診察券は、新姓にした。

その後、会社を休職することになるが、すると、名字を呼ばれることが、病院と薬局だけになり、私は新姓の呼ばれ方の方がしっくりくるようになってしまった。
私の中から、旧姓が消えた音がした。

ふるさと納税

ふるさと納税は新姓でして、ホテル券を購入したが、ホテルの予約名は、新姓と旧姓どちらがいいのだろうか。
分からなかったので、結局、新姓で行った。

銀行口座

銀行口座は、旧姓を使ってもいいか、銀行によって違う。バラバラになると管理が大変だし、本人確認する際に時間がかかるのも嫌なので、新姓で統一した。

証券口座

証券口座は、連携している銀行口座の氏名と一致する必要があった。
それを知らずに、証券口座を旧姓のまま株を売却したら、証券口座→銀行口座へお金の振込ができず、20万が宙に浮いた。
証券口座の名字変更をし、組み戻しという手続きをし、20万が手元に戻るのに、約1ヶ月かかった。その間は気が気じゃなかった。
こうして投資家としての私も、新姓になった。

図書館

銀行口座や納税の関係で、「公的機関は戸籍名を使った方がいいらしい」と、これまでの経験でなんとなく思ってしまった私は、図書カードを新姓で登録した。
しかし、旧姓でもよかったらしい。後悔。またこれを旧姓に変えるのも面倒くさいので、もうこのまま。

TOEIC

通称や旧姓はNGで、新姓で登録し直さないと受験できない。

夫との会話

この大変さを、最愛の夫には感覚も含めて理解して欲しい。
「一回籍を抜いて、私の姓になる形で入籍してみて、理解と共感をして欲しい。その上で、また籍抜いて、どっちの名字にするか考えて、また入籍しよう」と言った。
しかし夫は、「一回離婚するのが嫌だし、戸籍にバツがつくのも嫌」だそう。

まぁそもそも、こんな共感よりも、やっぱり制度をどうにかしたすぎる。

まとめ

最近は経団連も、「選択的夫婦別姓は実現すべき」と明言している。
私個人でできることはないか?と、行政訴訟(国を訴える)を調べたけど、敗訴率90%、2022年の集団訴訟も敗訴だった。
裁判自体を増やすことが、訴えにならないだろうか?とも思ったが、裁判自体に費用がかかるし、負け戦にお金をかけるのはコスパが悪すぎる。
某事務所の問題のように、海外に訴えかければ、外からの圧で変わるだろうか?自浄作用のない日本がつらい。


今の法律でどう困る・混乱することが起きるのか、イチ個人として書いておきたかった。
これから結婚する人もいたら、よかったら参考にしてください。