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『おひとりさまの老後』

図書館の特設コーナーに置いてあった本をなにげなく手に取って読んでみることにした。おもしろくなかったら、すぐに返却すればいいか、と気軽なものだ。

そういえば、この本は出版された当時かなり話題になったようで。きっと図書館でも人気があったのだろう。
2007年というから、わたしはまだ30代前半。いまおもえばぜんぜん「老後」なんて考えもしていない時代だったからか、あまり記憶にはない。

ただ、この本の筆者である上野千鶴子さんは、2019年の東京大学の入学式での祝辞がニュースにもなったのは記憶に新しい。

社会における女性の立場、生き方についてはここでさらっと自分の意見を述べられるほどはまとまっていないが、思うところはある。(今日は省略)


おひとりさま、っていうのはいまのわたしには当てはまらないのだけれど、いつ「おひとりさま」になるかなんて、正直まったく分からないなと思っている。夫はいるけど、いつなんどき、なにがあるか分からない。(とわたしは思っている)

この本を借りてきたとき、夫はちょっと変な反応をしていた。
意外だとでも思ったのだろうか。
べつに「おひとりさま」になりたいと思っているんじゃないってこと、たぶん分かっていると思うけど。

そもそも、「老後」のハナシ。
わたしよりも年長の夫が先立つ可能性が高いのだ。もちろん、わたしが先にいくパターンもあるのだけれど。

ま、ま、どっちが先かなんてのは本当にわからない。

だから、いつおひとりさまになっても大丈夫なように、ココロの準備はしておかないとね。という軽い気持ちで読んでいた。

読み進めていくうち、ますます、
あぁー、そうか、と思うこともたくさんあった。
わたしには子どもがいないから、というか、もしいたとしても、子どもが老後の世話をしてくれるとは限らない。
介護が必要になったときに、どうするか。
もちろん、介護が必要にならないのが一番だけど、もしそうだとしても最後の最後は、だれかのお世話にならなくちゃいけない(はず)。死んだあとの片付けは自分ではできないから。だれがするんだろうね。

なーんてことを考えていた。
たいして残すもの(価値のあるもの)なんてないけど、まちがってもガラクタをそこら中に放置していてはイカンな、と改めて思った。
そうだ、もっと片付けをしていかないとね。身軽にならないとね、と思った。


そんなわけで、昨日のInstagramにこの本のことを上げてみた。

ら、とある方からコメントをいただいて
この著者が「おひとりさま」ではなかった、のだそう。

え? そうなの?
と思って調べてみた。ぶっちゃけ、どっちでもよくない? と思ったけど。だって、この方いまも存命でしょう? 亡くなる前に配偶者がいて、介護してもらって亡くなっていたのだとしたら「この本に書かれていることと違うんじゃ…」と違和感をいただいたかもしれないが。

Googleで調べたところによると、この話題はつい最近、週刊誌でもとり上げられていたらしい(あんまり興味ない)。

説明を読んでわたしの理解では次の通り。
上野千鶴子さんは、年長の○○さんという方を介護していた。2021年にその方が亡くなる前日に入籍をして「配偶者」という立場になったのだということらしい。
その経緯としては、「あなたと○○さんの関係は?」「友人です」と答えても話が通らなかったから、だという。なら、なっとく。
そりゃ、そうだよね。お役所のことだもん。
これまでも、戸籍上の夫婦であるかないかだけで扱いが違うんだという話はきいたことがある。

役所での手続きを円滑にするためには、書類上で夫婦になっておくこと。めちゃくちゃ頭いいなと思った。わたしもかつて、書類上では夫婦でないけど夫婦みたいにしていた時期があったので、想像はつく。

男と女のありふれた組み合わせ風にして夫婦です、って言っておくのが一番楽。同性同士で結婚できないカップルの人たちはほんとうに大変だなと思う。

話しがそれてしまった。


上野千鶴子さんが、じつは「おひとりさま」ではなかった、という暴露。わたしにとっては、別にビックリするようなことではないんでないの? と思うし、もしわたしが同じ立場だったら、余計なお世話だと感じるだろうなぁ。
わたしは上野千鶴子さんのことをあまりよく知らないが、この本を読む限りでは、「結婚」制度に自分はおさまらないだけで、わたしと同様、男性と付き合うことも別れることも経験している方なんだとおもう。
で、制度としての「結婚」をしないおひとりさまはいかに老後を生きていくか、の工夫のかずかずをこの本の中で述べられている。

わたしも、いつなんどき「おひとりさま」になるか分からないから、そうなった場合のことを考えておくのも良いかなと思った。
健康な老後、だけではなくて、介護が必要になった老後、だったらどういう選択肢があるのか、とかね。

まだ最後までは読めていないのだけれど、後半におもしろいことが書いてあった。いまの制度では、夫や妻はひとりしか選べないし、同性ではだめだけど、おひとりさま同士で養子縁組して親子にはなるのは簡単なのだと。ただし、全員おなじ姓になる必要があるのだけれど。

などなど。
ぼんやり生きていたら気がつかないことだらけだなぁ。

まずは、ぎりぎりまで自分の力で生きていけるように身体づくりかな。

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