天鳳位の放銃品質と牌譜解析による成績集計レポートの提供
こんにちは。
前回提案した "ポイント期待値貢献度" について、さらに深く考察してみます。
前回は、”理論編” として指標の計算方法を説明しています。
未読の方は、最後にリンク載せるので是非ご覧ください。
1.前回示せたこと
・"ポイント期待値貢献度" を使うことで、各プレーでどれだけポイント期待値を稼いだかわかる。
→ 「和了打点」と「局消化」を含めた価値を定義できる。
・段位が上のプレイヤーほど、「放銃」の "ポイント期待値貢献度" が良化する傾向がある
→ 「放銃ポイント期待値貢献度」 を上げれば、段位が上がるのではという指標ができた。
今回は、これらの数値データを利用して、個人の牌譜解析成績レポートを出力できるようになったので、ご紹介する。
このレポートを見ることで、和了率・放銃率等からはわからない、各プレイヤーの弱点や、具体的に反省の必要がある牌譜、もしくは継続していくべき牌譜などを見ることができ、上達につながる。
まずは、レポートで用いるグラフのご紹介も含めて、以下の研究を進めた。
2.天鳳位の放銃は、何が優れているか?
前回、高段者になるにつれて、1半荘あたりの "放銃ポイント期待値貢献度" が良化することを示した。
具体的に、高段者の放銃は何が優れているのかを考察していく。
そうすることで、段位を上げるためのヒントになると考える。
そこで、初代天鳳位 ASAPINさんの数値と比べることで、糸口を見つけていきたい。
下記、3つを調査してみることとする。
・放銃率
・放銃打点
・放銃ごとに失ったポイント期待値
2−1.放銃率の低下
まずは、放銃率が低い場合は、点数を減らす機会が少なく、ポイントを失いにくい。
そのため、天鳳位、および高段者は放銃率が低いかを確認する。
天鳳公式ページのデータによると、以下である。
みなさまご存知の通り、段位が高くなるにつれて、放銃率は低くなる傾向が見える。
2−2.平均放銃打点の低下
放銃打点が低い場合は、順位が下がりにくく、ポイントを失いにくい。
そのため高段者は、平均放銃打点が低いかを確認する。
こちらも、段位が高くなるにつれて、放銃打点は低くなる傾向が見える。
ここまでは、おそらく多くの方が御存知であろう事実である。
2−3.放銃ごとに失ったポイント期待値
前回から提案している、"ポイント期待値貢献度" という指標は、差し込み等の放銃も評価できるのが良い点である。
差し込みを行った場合は、放銃することで順位率が上がり、得られるポイント期待値が上がることになる。
段位ごとの、1放銃あたりに獲得したポイント期待値の比率が、以下である。
見てのとおり、ASAPIN さんの放銃は、差し込み等のポイントを失わない放銃の比率が多いことがわかる。
以上より、放銃率だけに着目すると、天鳳位と変わらないプレイヤーであっても、放銃の質が異なるため、獲得できているポイントに差が出てきている部分もあるのではと考える。
このように、放銃・和了の質を可視化できるようになったため、プレイヤーの成績について、より詳細なデータと牌譜を提示できる。
以下、実例を用いて、レポートについて紹介する。
3.データの可視化による牌譜解析レポートの提供
2016年〜2020年までの四鳳南卓の牌譜をすべて解析して、これまでの結果を示した。
それに伴い、各鳳凰卓プレイヤーの成績をレポート化できるようになった。
・鳳凰卓での対戦数
・PEVA各ステータスの出力
・天鳳位との成績差分
・ポイントを失った和了牌譜
・ポイントを大きく失った放銃牌譜
たとえば、鳳凰卓プレイヤーの JKしろまる氏 を解析してみる。
(プレイヤー選びに他意はありません。
下記サイトの検索ランキング1位の方です。)
プレイヤー名: JKしろまる
段位: 7段
安定段位:7段
偏差値を計算すると、
和了偏差値:41
放銃偏差値:58
となった。
1半荘において、和了によって獲得したポイント期待値 が他プレイヤーより少ないため、和了ポイント期待値を伸ばすことで成績の伸びが期待できる。
被ツモポイント期待値が、1.5ポイントほど下振れ、
横移動ポイント期待値が、2ポイントほど上振れしている。
(被ツモ、横移動の値は、プレイヤーごとのブレが少なく、試合数を重ねると平均の値に収束するものだと思われる。)
以下グラフは、天鳳位とJKしろまるさんの和了ごとのポイント期待値分布である。
このグラフは和了時に獲得したポイント期待値だが、
横軸(獲得ポイント期待値)がマイナスになっている分布が天鳳位よりも多い。
また、獲得期待値が、40〜70 pt くらいの区間が天鳳位より少ないため、この部分を増やすと成績向上が望める。
まずは、ポイント期待値がマイナスになった和了の牌譜を以下に貼ります。
仕方ない牌譜が多いように見え、明確なミスではないため、対戦数を増やしていくとことで改善される見込みがある。
次に、獲得期待値を 約45pt 稼いだ、1000オールの和了の牌譜を載せる。
一般的には、満貫・跳満クラスを和了しないと、40〜70pt も獲得できない。
この和了で、
1位率:5% → 14%
2位率:25%→42%
3位率:46%→ 35%
4位率:23%→ 8%
と大きく順位期待値を上げたため、満貫、跳満クラスを和了しないと得られない45ptを手に入れることができた。
このような点数状況での鳴き判断などを続けていけば、より成績向上につながると推測できる。
以上のような、牌譜解析による成績レポートを出すことができます。
今までより、具体的な牌譜を提示しつつ、客観的な数値で自分の実力を判断できるかなと思います。
また、対戦数が少ないうちは、被ツモ期待値と、横移動期待値にブレが出ますが、収束していく値ではあるので、その値で運の偏りを判断できるかもしれません。
(こちらについても、いつかまとめます。)
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・公開されている牌譜を利用した成績集計であるため、自分ではないプレイヤーの成績についてもレポート化しても問題ないかなと考えていますが、考慮漏れていたらご指摘ください。
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