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Drop THX AAA 789とTopping D90のレビュー

パソコンで音楽を聴くときは長らくFOSTEX HP-A3を使っていましたが、購入して10年程経つのでそろそろ機材をアップグレードしようかと思い、いろいろ調べていました。

始めは予算5万くらいでDAC付ヘッドホンアンプを探し始めました。
僕は良い音源を持っているわけではないし、そもそも僕がよく聞くジャンルにはDSDとかの高音質音源が無い・・・
だいたいYoutubeとかAmazon Music HDなどで音楽を聴くのでそこまで高い製品はいらないだろうと。
しかしなぜか今僕の手元には合計金額約10万円の単体DACと単体ヘッドホンアンプが・・・
物を買うときに色々調べるのは大事ですが、調べすぎるのもあまりよくありませんね。どうしても高い製品に目移りしてしまいます。
予算の倍という高すぎる買い物に満足感と罪悪感を感じる謎な精神状態ですが、今回買った物をレビューというか紹介したいと思います。


【Drop THX AAA 789】
Dropという海外の通販サイトで売っている単体ヘッドホンアンプ
THX AAAという技術があるらしく、THX AAAを搭載したヘッドホンアンプの評価が軒並み素晴らしいものばかり。
名前を見ればわかるがこのDrop THX AAA 789もそのTHX AAAを使っています。
低ノイズ、低歪み、省電力を売りにしています。海外の某有名オーディオ機器測定サイトではかなりの高評価でした。
いろいろアンプを探している中で見つけた製品でしたが、海外の通販を使った事が無い事、値段が予算を超えてしまう事を理由に躊躇していましたが、最終的に「今日は買うもの決めてポチろう!」と息巻いてる日に、ちょうど価格改定で100ドルも安くなっていたため購入することにしました。
ちなみにDropというサイトは有名ヘッドホンの少し仕様が違うものなどが激安で売っていたりします。
有名なところでいうとHD650の未塗装品がHD6XXとして販売されています。
ただ、常に在庫があるわけではありません。タイミングが合わないと買えないです。その分、他の所と比べると本当に安いです。
ヘッドホン好きは定期的にチェックした方がいいサイトだと思います。

さて、購入したDrop THX AAA 789の基本的なスペックです。


出力端子  :(前面)6.35 mm標準ヘッドホン端子
                  (前面)3.5 mm ステレオミニ
                  (前面)4ピンXLRキャノン
                  (背面)RCA x2(パススルー)
入力端子  :(背面)3ピンXLRキャノン(バランス)
                  (背面)RCA x2
サイズ      :210 x 230 x 57 mm
重量          : 1,520 g
付属品      :100-240 V対応ACアダプター

通常のヘッドホン端子、ミニプラグに加えて4pinXLRが使えます。ヘッドホンをリケーブルしてバランス接続を試したいという人にもいいですね。
サイズはそこそこ大きいです。卓上で使うのならば少し広めの机じゃないと邪魔になるかもしれません。
海外電気製品で一番重要な電源ですが、日本の100Vまで対応しているACアダプターが付いていて、プラグもUSプラグなので基本的にそのまま日本でも使えます。USプラグと日本のプラグは同じTypeAと呼ばれるタイプですが、若干サイズ違うので日本で売っている電源タップでは、たまに刺さらない物があります。

次に本体価格と送料等についてです。

本体  : 32,292円(299ドル、購入時1ドル→108円)
送料  : 1800円(アメリカ発送)


注文したのが4月21日、発送が4月28日、日本の税関に到着したのは5月8日、5月9日に自宅に税関手続きのお手紙が届き、その日中に手紙に書いてあった手順にしたがい税関にメールを送り、実際に製品が自宅に届いたのが5月11日でした。
コロナの影響で世界中の輸送が遅れているなかだったので到着日数はあまり参考にならないかもしれません。
どれくらい関税を取られるのか不安でしたが、どうやらこれくらいの値段のオーディオ製品には関税がかからないらしく、配達時に配達の方に手続き料だか消費税だか(うろ覚え)を800円ほど払うだけで、無事受け取りました。
海外から物を購入するのは初めてでどうなるかと思いましたが税関手続きは思っていたより簡単でした。

届いた製品を見ると、全体的な見た目は質感も良く、安っぽさははありません。ですが特に高級感があるわけでもありません。
ボリュームノブはしっかりしていて、回しても引っ掛かりは皆無でとてもスムーズです。
インプット切り替えボタンと電源ボタンは押した感触が少しチープですが、何十万とする機器ではないので許容範囲です。

さて、肝心なのは音です。
THX AAA 789が届いた時は後述するD90がまだ納品待ちの状態でしたので、D90が届くまでは今まで使っていたFOSTEX HP-A3をDAC代わりにして使ってみました。

うーん・・・?

正直あまりよくありません。
いや、ちゃんと音は綺麗なんですよ。
ただ少しスカスカというか、迫力が無いというか。イコライザーでトレブルだけを上げたような音。
確かに解像度が上がった気も・・・、音一つ一つの分離感は少し良いような・・・
でも・・・

HP-A3単体で聴いた方が音に厚みがあるような・・・


とりあえず箱から開けたばかりだし、エージングとやらが必要なのかもしれないと思いしばらくそのまま使う事にしました。

1週間使ったあとにもう一度HP-A3単体と比べてみました。

確信しました。

絶対HP-A3単体で使った方が音に厚みがあっていい音です。

もうね、落ち込みましたよ。
わざわざアメリカから買ったのに・・・俺の3万円・・・・
購入前にいろいろとサイトを見てもどこも高評価だったため外れは無いだろうと思っていたのに
壮大なステマに引っかかったような気分

しかし

しかしまだ希望を残しています。
これから新しいDACが来るのです。Topping D90という最新スペックのDACが。
D90は日本でのレビューがTHX AAA 789より多いので期待できます。

D90の事を書く前にもう先に答え書いちゃいますが、DACをD90に変えてTHX AAA 789を聴くと評価が180℃変わりました。
めちゃくちゃ良かったです。ごめんなさいTHX AAA 789
後から調べたところHP-A3のラインアウトの音はあまり評判が良くないみたいですね。
DACとしてよりもヘッドホンアンプとしての優秀だったようです。

では

THX AAA 789購入から約一か月後に届いたTopping D90について少し


Topping D90は中国オーディオメーカーToppingのフラグシップDACです。
DACの心臓であるDACチップに旭化成の最新フラグシップチップAK4499を搭載した単体DAC。

基本的なスペックは
【Topping D90】
DACチップ:AK4499
出力端子 :XLR/RCA
入力端子 :USB/Optical/Coaxial/AES/IIS/Bluetooth
USB   :44.1~768KHz/16~32bit、DSD64~512
IIS    :44.1~768KHz/16~32bit、DSD64~512
Bluetooth :AAC/SBC/APTX/APTX LL/APTX HD/LDAC
OPT/COAX/AES:44.1-192kHz/16-24bit
サイズ  :222 x 160 x 45 mm
重量   :1.4kg
電源   :AC110V/AC220V 50hz/60hz
価格:MQA版  88,000円
   MQA無し 77,000円
Amazonやコイズミ無線で売っています。中国のAli Expressでセール時は安く買えますが自己責任で。

入力端子がとにかく豊富です。2020年現在、使っていて困る事は無さそうです。
D90にはMQAというコーデックが使える物と使えない物の2種類あるので購入の際は気を付けてください。
僕はMQAを使う予定が無いのでMQA無し版を買いました。
電源は日本で使えるのACケーブルがついてきます。
本体の裏に110V と220Vの切り替えスイッチがあるのですが、届いた時は220Vになっているので日本で使う場合は110Vに切り替えて使ってください。


THX AAA 789と組み合わせる単体DACを探すうえで
①音の評判がいい
②XLR出力とRCA出力がある。
③ボタン一つでXLR出力とRCA出力の切り替えができるもの
3つの条件を満たすものを探していました。
①と②を満たすDACは多いのですが、③の条件を満たすものが中々見つかりませんでした。
予算内で見つける事ができた唯一のものがToppingのDACでした。
XLRをヘッドホンアンプ、RCAをアクティブスピーカーに繋ぎ使うのですが、スピーカーのボリュームノブが手の届きづらい位置にあるうえ
頻繁にスピーカーとヘッドホンの使い分けをするので簡単に出力切り替えができる機能は必須でした。
切り替えの機能が欲しい場合、複合機を買うのが一番手っ取り早いのでしょうが、THX AAA 789ありきで探していたのでこうなりました。
Topping の中でもD70とD90で悩みましたが、安いほうを買っても上位の製品が気になってしまうので、どうせなら高いほうを買って長く使おうという事でフラグシップのD90にしました。
D90は7.7万円です。AK4499搭載のDACとしては滅茶苦茶安いのですが、一般的に考えると音楽を聞く為に7万円は高い買い物です。
しかも中国メーカー。
1万円くらいの中国製品ならば、壊れたり音が悪くても「しょうがない」で済むのですが7万円は「しょうがなくない」です。

調べました。日本人のレビュー、某有名海外サイトのレビュー、そこに書かれてる世界中の人のD90に対するコメント、youtube、もういろいろ調べました。
調べた結果わかったことは、D90の評判はとても高く、機械的な測定結果も人間が聞いた感想もすこぶる良いのです。
不満点として、箱が汚れてたとか中国からの配達が遅いと言ったものはありましたが、製品に対する不満が皆無なのです。
逆に怪しい。こわ。
でも買いました。ポチった時はまだTHX AAA 789が届いていなかったのでレビューに絶大の信頼を寄せていたのです。

THX AAA 789が届いて約1か月後ようやく中国から届きました。
失意の中に唯一の希望の光です。
ただこの時はTHX AAA 789を聴いて、世間のレビューを信じていなかったので、どうせ思ってるよりは良くないだろうなと半ば諦めの気持ちが強かったです。

この1ヵ月間不満の中使っていたHP-A3→THX AAA 789という構成をD90→THX AAA 789に繋ぎ変えて

聴きました


あぁ

なんて馬鹿なことをしていたのだろう
THX AAA 789様申し訳ありませんでした。

美音とはまさにこの事。ものすごく滑らかな音です。
そして同時に音に厚みがあります。
HP-A3とD90を交互に繋ぎ変えて何回も聴きなおしましたがレベルが全く違う。
解像度が上がったうえに音の分離も良くなっています。ここまで解像度が高いと逆にキンキンするのかと思いきや
本当に滑らかに聴こえるのです。不思議な感覚です。バイオリンとかの弦楽器は鳥肌ものです。
低音も量感があり音に迫力もあります。決してモッタリとした低音ではなくキレがあり気持ちよく聴ける低音です。
キレがあるのに滑らか。本当に不思議です。
僕はJPOP、ロック、メタル、EDMをよく聴きますが激しい曲のスピード感や迫力を再現しながら、静かな曲はより静かになった印象です。
たまにジャズやクラシックも聴きますがクラシックは壮大差が増しますし、ジャズは低音がしっかり出ているので気持ちよく聴けます。
僕レベルの耳では不満な点を探すことができませんでした。
音楽以外にも、僕はFPSゲームをするのですが音の分離が良くなったせいか敵の足音の位置がわかりやすくなった気がします。
まぁこれは気持ち良くなった気がするくらいですので過信はしないでください。

使い勝手もリモコンで簡単に出力切り替えができヘッドホンとアクティブスピーカーの切り替えが簡単にできるので僕の使い方ではベストでした。

買ってよかった。

D90最高です。

アクティブスピーカーの音も良くなった気がします。そこは全く気にしてなかったので嬉しい誤算です。


THX AAA 789にHP-A3とD90両方つなげて思いましたが
たぶんTHX AAA 789は本当に純粋な「アンプ」なんだと思います。
入力された音を増幅する本来の意味のアンプ。それをノイズ無くとてもクリーンに増幅する事が出来るのがTHX AAA 789なんだろう。
良くない音を入力しても出てくるのは増幅されただけの良くない音です。
D90が出す上質な音を入力すると増幅された上質な音が出てきます。
THX AAA 789の購入を考えている人はDACにもそれなりにお金を掛ける事をおすすめします。


両方合わせて約10万円、高い買い物でしたが結果大満足でした。
毎日音楽を聴くのが楽しいです。
ただ、もっと良いヘッドホンをここに繋げるとどうなってしまうのか気になってしょうがないのが唯一の誤算です。

いや、誤算だらけだったか。

金貯めよう。


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