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イノベーションのこと

 現在はFEELCAPのブランドを運営している私ですが、ずっと帽子の企画をしていたわけではなく、大学を卒業してから入った会社は眼鏡とサングラスの企画をする会社でした。寒風吹き荒れる超就職氷河期のちょうど2000年入社です。

その頃は、それまでのファッションブランドの眼鏡ではなく専業ブランド(999,9とか金子眼鏡)の勢いが出始め、ショップもちょうど、およそ眼鏡店では無いようなブティックみたいな感じ(OBJやグローブスペックス)が都心や地方に多くでき始めていました。

その頃に眼鏡を買われた方ならお分かりでしょうが、1つの眼鏡を作るのに、3万円とか5万円とかが普通でした。(いや、もっとしたかなぁ、、、)

なぜ、私が眼鏡の世界に入ったかというと、単純に面白そうだということと自分のブランドを持ちたかった、そしてどんな利益構造になっているの知りたかったからです。
(町の小さな眼鏡屋さんはどうやって食べているのだろう?という疑問からです。。。)
(また、999,9の三瓶氏のデザインと世界観に憧れていた、というのもありますが。)

しかし、その眼鏡の会社は倒産してしまって、自分のブランドもあと1歩のところで頓挫してしまったのです。。。

なぜ、倒産してしまったかというと、いろいろな要因はあるのですが、2000年頃からいわゆる低価格のスリープライスのショップが乱立したからです。
現在ではZOFFやJINSなどが当たり前に認知されていますが、その頃は黒船襲来よろしく、眼鏡業界では「やいのやいの」と大騒ぎになったことを覚えています。

で、私はこの黒船襲来パラダイムシフトは今になって思えば、当然の結果かなと思っています。
ではなぜパラダイムシフトが起こったのか?

現在、業界のリーディングカンパニーであるJINSの社長は確か信用金庫出身で、彼は、業界のその利益率に着目し、脱サラして創業したとメディアで語っていたと思います。
従来の業界はカルテルほどではないにせよ、高い利益率を確保したいという保身があったのかもしれません。

アメリカの歴史学者であるトーマス・クーンは、「パラダイムシフトへの転換を成し遂げる人間の多くが、年齢が非常に若いか、あるいはその分野に入って日が浅いかのどちらかである」と主張しています。

「科学革命の構造」

そして彼が成功したのは、年齢が非常に若いのではなく、その分野に入って日が浅いから、そして業界の商習慣やしがらみなどが無かったから、だと思います。

結果的に、良い製品が低価格で買える現在の眼鏡は世の中がハッピーになっているので、個人的には良いかなと思いますね。
(私は999,9一筋25年ですが、、、)

2022年もみなさんがハッピーになるキャップをどんどん出していきますよ

では。


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