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ボブ・マーリー:ONE LOVE 

FEELCYCLEのアーティストウィークでボブ・マーリーを漕ぎ、音楽はばっちり仕込んだ上で見てきました、「ボブ・マーリー:ONE LOVE」

「これを見ればボブマーリーの人生とヒット曲が全部わかります」という作りではない(=説明しなくてもわかるでしょ、ですいすい進んでいく)ので、予備知識は必須。私はダイヤモンド・オンラインの記事を読んでから鑑賞しました。(今は宇多丸先生の書き起こしもでてますね!こっちのが読みやすいかも)

ジャマイカ情勢が非常に不安定だった時代に、人々に広まったラスタ思想。聖書の「出エジプト(Exodus)」を自分達に置き換え、出ジャマイカ(というかこの苦境から逃れ)故郷アフリカに帰ろう、みたいな思想+少し変わったライフスタイル。

ボブマーリー、そして彼の家族やバンドメンバーは、この思想を深く信じています。政府からは危険思想のような扱いで、ボブ達も弾圧されています。

この思想を実践する人たちは、ドレッドヘア(体は神聖で、刃物を当てない。切らず、櫛も通さずに伸ばすとああなるらしい)
つまり、ラスタ信者かどうかは見た目でバレるんですね。
また、信者の多くがマリファナを吸っていたそうで(苦しみから逃げ出そうが転じて今を楽しく生きよう、みたいなw)、映画内でもカジュアルにスパスパしています。

「緑、黄、赤」のレゲエカラー。これ、実はアフリカの色。
(アフリカの国旗はだいたいこの3色)

ということで、ジャマイカの映画を見ているのに、アフリカというキーワード、そしてラスタ思想の重要人物である、エチオピア皇帝(ジャー・ラスタファリことハイレ・セラシエ1世)の名前が繰り返し出てきます。

ボブは、アフリカへの思いがとても強いんだけど、実は、白人とのハーフという。作中、特に父親を回想する場面でのボブの表情は苦悩に満ちています。

軽妙なリズム、だけど歌詞は物騒で、深くて、重い。
レゲエ音楽が背負った時代の背景が、とてもよくわかりました。

実の息子さんがお若いことからも分かるように、ジャマイカでは、当時のことを昨日のことのように覚えている人も多いはず。私は、全くの無知でしたが、一般の人々(幼い子供すら)も巻き込んで、長い間続いた政治的混乱だったようです。だからこそ、あのコンサートに意味がある。

ボブマーリーといえば、0655の「朝が来た」(Soul Captiveの日本語カバー)というくらいのライト層。笑

ジャマイカのことも全然知らなかったので、また一つ世界を知った気分です。


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