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寝言収集家

私は昔からかなり寝言が激しい。
一時期は自分でも気になりすぎて寝言録音アプリを使用していた。スマホで自動で録音してくれるので朝、目が覚めたらまずは起き上がる前に寝言を確認する。ぼーっとした脳みそで自分の寝言を聞く。

夢って不思議ですね


当時働いていた職場で自分の寝言エピソードを話したら想像以上に盛り上がった。仕事の真面目な話から恋バナ、下ネタまで腹を割りすぎて真っ二つどころかみじん切り状態。なんでも話せるとても愉快な職場の同僚達。
『今度面白い寝言がとれたら聞かせてくださいよ〜』
私は根が激しく真面目なのでその言葉に応える為、毎日寝言録音に勤しんだ。

ある日、朝にいつもの録音を聴いて震えた。ぼんやりしてる脳みそに覚えのないおばあちゃんの声。誰…?!
動揺しながら何度も聞く。再生すると私と知らないおばあちゃんが会話している…まさか寝言録音でこんな恐怖体験をするとは思ってなかった。
数回聞いて理解した。
会話の相手は私である。
声色を変えて老人役をやっているのだ。
一人二役お芝居寝言。後にも先にもその一回の経験。

恐怖からの安堵、そして興奮。凄いものがとれてしまった…!
その日職場で仲良しメンバーに録音を鼻息荒く自慢した。こんなレアな寝言は長い人生でもう巡り会えないかもしれない。

ちなみに、収集をしてて多かったのは『食べ物』に関する寝言だった。
…ふーふー、あちっ、ふーふー…もごもご…おいしいーっ!
うどんを食べてる夢の寝言。
タコスの具を考案してる寝言。
おいしそうー!!やっぱプロですねぇ!!
と詳細はわからないがシェフの腕前を褒め称える寝言。夢の中でも食い意地がはっているようだ。

寝言収集家。
私の裏プロフィール。また気が向いたら活動を再開したいと思う。

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