麺屋たけ井

私が、麺屋たけ井をすごいと思うこと。まずは、その味。

麺屋たけ井のつけ麺は、京都一美味しいつけ麺と言われているが、濃厚魚介+極太麺のつけ麺という東京を中心にした王道スタイルである。
では、その東京の名店と比べるとどうなのか、つけ麺が好きで本場東京の名店を食べ歩き続ける私なりに評価してみる。
東京から大阪に移動する機会にこんな実験をしてみた。東京駅でトップクラスの六厘舎を食べて、すぐに新幹線で大阪に行き、梅田のたけ井を食す。約3時間間隔で食べ比べ。
甲乙つけ難く、全く引けを取らない。麺屋たけ井は、東京に出店しても、すぐにトップクラスに君臨するであろう。
関西視点で語るならば、麺屋たけ井はつけ麺の「黒船」なのである。東京ラーメン界で破壊的イノベーションを起こした、あの濃厚魚介+極太麺のつけ麺を本格上陸させてくれたわけである。
東京に行かなくても、本格的なつけ麺に出会えるようになったのは、麺屋たけ井のおかげである。

さて、私が凄いと思うのは、その味だけではない。
ブランディング。
阪急梅田駅構内の梅田店に始まり、阪急系テナントに3店舗など、電鉄系のテナントばかり出店している。関西人の脳のICチップには「阪急=高級」とメモリーされているので、関西人は「麺屋たけ井=高級」と判断してしまう。
事実、これまで、ケチな関西人はラーメンで1,000円を超える単価は受け入れられなかったのに、つけ麺並み盛り1,000円がエントリー価格の麺屋たけ井に大行列が生まれるのである。
恐ろしいブランディングだ、私も何の疑問も持たず、特製つけ麺並み盛り1,330円を注文していた。
一人の顧客としてはラーメンの単価が上がるのは喜べることではないが、関西ラーメン界にとっては、麺屋たけ井が価格の底上げに大きく貢献して、たくさんのラーメン屋を救っていると言っても過言ではない。

次に麺屋たけ井の凄さは、成長速度。
おそらく10年経っていないと思うのだが、凄いスピードで支店を増やしている。
それも、チープなチェーン化せずに、前述したようにブランド力を高めながら。
これは、東京の有名店、六厘舎やつじ田などに似ている。
関西のラーメン屋でこのようなタイプは、麺屋たけ井以外に、今のところ見たことがない。
東京の有名店と同様に、今後は麺屋たけ井も、三井のアウトレットパークや空港などの好立地に出店依頼が来るのではないかと予想される(もう来ているかも?)。

麺屋たけ井は、味だけではなく、その成長からも目が離せないのである。

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