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小説の管理をGithubでやっている話

筆が進まないので今日は小説のバージョン管理の話でも書こうかと思う。

バージョン管理とは、聞いたことがない方もいるかもしれないが、ソフトウェア開発で良く使われているものである。大規模なソフトウェア開発では、何人ものエンジニアが一つのファイルを同時に変更することがある。そして「誰が」「いつ」「どの」ファイルを変更したかを確認するために使われているのがバージョン管理システムである。有名なところだとGitというシステムがある。詳しくはググってほしい。

Gitを使った最も有名なプラットフォームがGithubである。システム系エンジニアの方にはおなじみを通り越して、ないと仕事にならないものの一つでもある。

筆者はこれを小説の管理に使っている。

「小説なんて一人で書くものだし、バージョン管理なんて必要なの?」

ところが案外便利なのである。
まず、改稿履歴が見れる。いつどの部分を改稿したかは一目瞭然である。文字だけだとわかりにくいと思うので、画像を踏まえて説明しようと思う。

画像1

上の画像は拙作の「安楽死法」の一部である。赤で表示されているのが古い部分、緑が新しく変更を加えた場所になる。こんな風に、「何行目をどんな風に変えたか」がひと目で分かる。

画像2

これはコミット履歴。コミットとは、まぁざっくり言えば変更を加えた内容を反映させることである。この履歴を見ると、「いつ何をしたか」が記録に残る。コミット履歴をクリックすれば、上に貼った変更箇所の詳細が見れるページへ飛べる。

Gitの最も大きなメリットとして、閲覧者が変更を加える事ができる。例えばあなたが筆者の小説に誤字を見つけたとしよう。その場合、対象の行を選択して「ここ間違ってますよ」とコメントを残すことができる。(もししてもらえたら大変うれしい)

もしくは、作品の展開が気に入らない場合「もっとこうしたらいいのに!」というアイディアをお持ちなら、プルリクエストという形で筆者に改稿を要求することができる。もっとも、それを反映するかどうかは製作者次第であるが……。


Gitというシステムは、小説書きからはある意味対極にあるものかもしれない。文字書きはシステム屋であることは少ないし、仮にシステム屋だったとしてもGitを使いこなしているかどうかはわからないし、システム屋は基本的に小説を書かない。そんなもん書いてるくらいならコードを書くほうが重要だからである。

筆者はたまたま、仕事でGitを使っていて、趣味で小説を書いている。だからこれを合体させたら面白いのではないかと思ってこの試みをしている。

もっとも、未だにPRやコメントが来たことは一度もない(いつでも歓迎です!!!!)

最後に筆者のGithubアカウントを貼っておこう。ここには公開済みの小説から、公開前で下記途中の作品もある。いくつか非公開のものもあるが……。

筆者の人生の目標として、いつかOSS小説を作りたいと思っている。

OSSとは「オープン・ソース・システム」のことで、システムのソースコードを世界に公開し、より良い改善案を持ったエンジニアに改善してもらったり、そのソフトウェアを誰でも使える状態にしておくことである。

これを小説でやりたい。様々なアイディアを持った人が集まって、一つの作品を完成させる。これってとても現代的で楽しいのではないかな?という妄想をしている。もっとも、前述したとおり小説書きでGit使いは少ないので、まずは物書き界隈にGitを広めるところからかな、と思いこの記事を書いている。

Gitの操作方法などは先人のエンジニアたちが詳しく書いてネットに投稿してくれているので、本記事では使い方には言及しない。あくまでGithubの紹介にとどめておくことにする。

Githubにアップしたファイルは、世界のどこかにあるGithubサーバに保存されるので、万が一お使いのPCが吹き飛んでもあなたの作品は無事なのである。

EvernoteとかGoogleドライブでいいじゃんという声も聞こえてきそうだが、アレは基本的に限定公開だし、オープンにしたら誰でも自由にいじれてしまうので危険だ。その点Gitは、プルリクエストという形でしか製作者に改修依頼を出すことができないので作品を意図しない形で変更されることを防ぐことができる。

ということで、筆者の作品は基本的にオープンソースです。誰でもダウンロードできるし、改稿できる。間違いがあったら指摘してほしいし、改稿して投稿してもらってもいい。

いきなり他人の作品に変更を加えるのはハードルが高いと思うので、まずは自分の小説をGithubに登録してみてはいかがだろうか?ちょっと新しい発見があるかもしれない。

それでは、みなさま良い執筆ライフを。

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