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地方でもプロダクトデザイナーが面白くなって来た。
東京で働いた事も無い私が書くのも何だが、TENTのアオキさんが書いたnoteを読んで共感したので書いてみる。
https://note.com/aoki_tent/n/n586a6fea0a82
地方でもプロダクトデザイナーが面白くなって来たと。プロダクトデザインが請負いだけであったその昔、新潟でプロダクトデザイナーをする私に所属するJIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)の人は「良く地方でプロダクトでやれますね」とか言われたものです。
自分なりに理由として思いつく事は、
1.何を作っているか外から分かるような企業が地方には少ない。
2.商品開発においてデザインの決定権のある企業が少ない。
3.デザイナーやクリエーターの横の繋がりが無い。
と言った感じだと思う。その通りだ。たぶん10年くらい前までは確実にそうだった。では現在はどうだろう。新潟でも例えばスノーピークの様な会社が出来たり、規模は小さくとも若い経営者に代わった会社は自社製品の開発に熱心だ。昔のように待っているより積極的に動く事でしか良くならない事が明確になってきたからであろう。
そうなってくると規模の大きな会社よりもやる気のある小さな会社の方が動きが早い。今年になって取り組んでいるものだけでも、
吉乃川酒造のボトル。本来酒蔵に行かなければ飲む事の出来ない少量生産の日本酒を専用ボトルに詰め替え式にすることで販売する酒のシステム。KAYOIと命名された古くは「通い徳利」と呼ばれる量り売り方法を進化させた売り方の為のボトル。ボトルを製造するササゲ工業と提案する形で商品化された。吉乃川さんはクラウドファンドで500万円を超える支援を集めました。
足踏み式消毒液スタンドHS-D1。コロナ禍に少しでも何かやろうとササゲ工業と取組んだ製品。商品のデザインを担当しました。販路開拓は現在進行形です。
和田挽物株式会社とつくった金属製のサインペン。挽物屋と呼ばれる旋盤加工を生業とする中間加工業を自社技術を使ってオリジナル製品を開発するプロジェクト。商品全体のデザインを担当しました。クラウドファンドを経て本格的な販路開拓はこれから。
プレス加工の工場とニットの工場、それぞれの技術を組み合わせて、雪国生まれの冬を楽しむ道具をコンセプトに生産される湯たんぽ。6年ぶりにカバーをモデルチェンジした。ホールガーメントと呼ばれる一体成型で編み上げる機械と縮絨によって作られるウールのカバーをデザインしました。
以前はプロダクトデザイナーは委託を受けた仕事をその範囲でしかデザインできないように感じていました。クライアント自体がその先のお客の顔色を見ながら開発を進める案件が多く、デザインというよりは言われたことを形にするという作業が中心でした。逆に現代においてそんな仕事は少なくなったように思います。
自分が作りたいものを提案し、共感してくれる工場と製品化して販売先すら一緒に探す、そんなやり方で仕事が成立する世の中になってきました。こうなってくると、現実的に形に出来る工場が近くにある強みが生かされると感じている。自分が良いと思ったものをつくれる時代になって来ました。
働き方は色々有ると思うけど、地方でプロダクトデザイナーって言うのも案外ありだと思う。まだまだ売る方のノウハウは足りないので協力してくれる人もゆるく募集しています。
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