見出し画像

天使を見た話

私は、中学2年生の時に天使を見た。
とは言っても、本当にそれが天使なのかはいまだに分からない。
だって、真っ白いまんまる頭に、真っ白い体に、真っ白い棒みたいな手足に、真っ白い虫みたいな羽がついていたから。

あの時は真夏の部活中。
(吹奏楽部だったので)音楽室の窓枠を上から下へとゆっくりと白い何かが落ちていくのが見えた。
雲?蜘蛛??いや蝶々???
もしかしてあれ、天使かも????

休憩時間
「ねぇ、さっきのみた?」
「何を?見てないけど」

ああ、私しか見てないんだ。
私にしか見えてないのかも。
でも、あの時間、窓の外を眺めてた人はいるはず。
見た?見てないか。
見てません?ああ、そうですよね。
見えなかった?あの白いの。ああ、外見てないか。
やっぱり誰も見てないのか。
本当に見たのかって?見たよこの目で。
うん。はっきりと。
うーん。ほぼ発光体みたいな色だった。
真っ白。
蛍光灯みたいな。
15cmくらい?遠いからわかんない。
いやだって、手足も見えたし、頭おっきいのついてたし、虫じゃないよ。
あの時雲は左から右に流れてたし、右上から左下に落ちたの。
だから見たって。
寝ぼけてないよ、私起きてた。今日は眠くないもん。



あれから大分多くの月日が経った今、全然忘れられない。
定期的に思い出す。
でも月日って怖いのが、勝手に忘れていくこと、美化されること。
だからこうしてまだ覚えているうちに書き出すしかない。
私は日記が続かない派の人間なので、こうやって何年も経ってから書き出す。
とりあえずネットに上げておけば、私もいつでも見れる。
今こうやって書いてみるけど、この記憶がどれだけ正しいかなんてわかりゃしない。
勝手に時間の中で記憶が書き換えられているかもしれない。
勝手に日々の中に消えていった大事があるかもしれない。
今日だって生理でお腹が痛くて、無心になりたかったから、始めてみたかったnoteをただ書いているだけで、意味のない文の羅列になっているのかもしれない。
こうして書いているだけで、天使の話なんて少し面倒くさくなっている自分もいる。
まあ、今しか書かない気がするから最後まで書こう。

元々私は、幽霊とか、宇宙人とかそういう類のものは信じている。
だからあの時天使っぽいものを見てもそんなに動揺はしなかった。
不思議なことも起こるもんだな〜としか思わなかった。
それにその後も普通の日々が続いていた。
でもよく考えるとあの頃は少し不思議な体験が多かった気がする。

よく上から羽が降ってくる。
空から、天井から。
内外問わずよく降ってきていた。
外を歩いている時、大きい羽が落ちてきた。
黒い羽。多分カラスの羽だと思った。
教室の中で。友達と話していたら、私の顔の目の前に落ちてきた。白くて小さい羽。
プールの授業の前。同じような白い羽。
他にもあったはずだが、もう思い出せない。

よく視線を感じる。
いつも同じ、左後ろから。
遠くはない。すぐそばかな。
私についてる守護霊さんかな。
つい2年前に死んじゃったおばあちゃんかな。
遺影でしか見たことのないあのかっこいいおじいちゃんかな。

よく誰かに触られる。
肩をトントン。
背中をトン。
頭もツン。
ん?今誰か寄りかかった?

よく視界に光が映る。
白い小さな光。何色かわからない光。
視界全体に映るわけじゃなくて、点で映る。
ある時は、目を覚ましたら。視界中に光がたくさん映ることもあったっけ。

そんな中見た天使。
今思えば、もしかしたらこの出来事は全部君のせい?
君は一体誰で、何を私にしたかったの?伝えたかったの?
正夢を見たのもあの辺の出来事だったけ。
これも君がやったの?
別に聞きたい訳でもないし、ただ疑問なだけ。
君は何のために私の前に姿まで現してくれたの?
私は、今は何も起こらない、平凡な日々を過ごしているけど。
君はもう私の前には現れないの?



よく天使って、小さい子供が見るものなんて言われたりする。
生まれたばかりの赤ん坊を指す言葉だったりもする。
天使の姿は、人の様だとか、違うとか。
私たちの理性も、天使と悪魔だって表現されたり。
天使も、当人の思う姿で現れるらしい。

とにかく、私が何かを見たことに変わりはない。
あの日、あの時、あの場所で、
外を眺めたら、見えたんだから。
あれが天使だろうと、そうじゃないとしても、あの姿に変わりはない。
どんな意味で、何のために、どうして私なのかは知りもしないこと。
大切なのは、この出来事を大切に胸の中にしまっておくことだと私は思っている。
ありがとう。いい思い出をくれて。天使さん。





この記事を最後まで読んでくださった方。
私のまとまらない話を読んでくださってありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?