フリーランスがジリ貧にならないためにやるべき3つのこと
本noteを書こうと思った背景
私は2021年9月に4年間勤めたコンサルティング会社のENERGIZE-GROUPを退職し、独立をしました。独立する1ヶ月前に各方面に退職と独立のご連絡をしたところ、お仕事を独立した初日の10月1日からいただくことができました。(当時お仕事をいただいた3社からは今もお仕事を継続していただいています。)
その後もいくつかのお問い合わせやご連絡をいただき、現在は他にも複数社の仕事を請け負っている中で、様々なフリーランスの方や副業で仕事をされている方々との接点がありました。
その中で見えてきたのは”世の中のフリーランスは思ったより大変そう”ということです。僕自信は4年間のコンサルティングを通じて、クライアントワークにおける大事なポイントを叩き込んでいただいたので、他のフリーランスの方々よりもクライアントワークに関しては恵まれていたなと実感します。
今回noteを書こうと思ったのは、フリーランスや副業でお仕事をする方々がクライアントにとって良い仕事ができ、同時に豊かさも得られるようなポイントを紹介したいと思ったからです。
どんな人に読んでほしいか
フリーランスで仕事をしている方
副業でお仕事をしている方
クライアントワーク系のお仕事をしている方
本noteから何が得られるか?
得られることは他にも様々あるかと思いますが、絞ると下記のようになります。
フリーランス(副業)で案件が継続し続ける方法
フリーランス(副業)で単価を上げて契約をいただく方法
クライアントとの関係性を改善し続ける方法
タイトルにもある通り”ジリ貧にならない方法”ですが、逆の表現の仕方をすると”フリーランスが効果的に案件を獲得、継続して豊かになる方法”と言い換えられる気もします。
フリーランスが豊かになれば、それはクライアントワークがうまくいっている証拠でもありますし、なにより豊かになってできた余力で新たな領域を勉強して価値を高めたり、今までとは違う顧客接点を持てたりするはずです。
経歴紹介
2015年に理系の大学院を卒業
2017年まで大手のメーカーに技術営業として勤務
2017年から前述のENERGIZE-GROUPに入社し、主にベンチャー企業の事業コンサル、組織コンサルに従事
2021年に独立
※ 詳細は今度noteを書こうと思います
現在は自身の法人を持ちながら、SaaS企業の執行役員、営業コンサル、人事コンサルを複数社掛け持ちしています。
ジリ貧になってしまうフリーランスがやりがちなこと
これは私が独立した際にもまさにそうだったのですが、フリーランスとして独立した多くの方がそれまでの自分の人脈で案件の獲得をすることになるかと思います。
僕自身、独立するご連絡をした際には、これまで仲良くさせていただいた方々から案件をいただくことができました。
やりがちなこと① 依頼をその場で受けてしまう
私が独立した際にも、じゃあミーティングしようということになり、これまでやってきた仕事、独立後にやろうと思っていることをなんとなく話すという場が多数ありました。その際に話しの流れで「こういうことできる?」「こういうのやって欲しいんだけど?」というような依頼をもらうことも多々あるかと思います。
こういったパターンだと、相手も感覚的に話していることが多く、課題の整理や優先順位の整理がされていない場合も多いので、後々クライアントの期待とズレてくるということが起きがちです。
やりがちなこと② その場の先方の言い値で案件を受けてしまう
上記と同時タイミングでのことが多いかと思うのですが、「こういうことできる?」と言われるとフリーランスになったばかりだと案件も多くしたいし、何より収入源が早く欲しくて仕方がないので、その場で「できます!」と言いがちです。
契約単価も「時給◯円でどう?日給◯円でどう?」と言われた単価を受け入れてしまいます。
そうすると先方は発注者として安く抑えたい気持ちもありますから、どうしても単価が上がりにくくなります。
やりがちなこと③ 言われたことを、そのまま進めてしまう
そして、上記の2つに追加して実際に案件がスタートすると、先方に言われた業務をとりあえず進め始めてしまうということになります。
①で書いている通り、相手の中での課題の整理も優先順位の整理もされていないままスタートしているので、進めてみると「なんか違うな…」とか「なんか成果出て無さそうだな…」というような印象になりやすくなってしまいます。
以上の①〜③が私が色々なフリーランスや副業人材の方々とお話する中で見えてきたことです。
実際に私も初期は①〜③に陥ってしまっていたことはあったと思いますが、前職時代の仕事の進め方を思い出して、クライアントとの合意形成や仕事の進め方を変えていきました。
進め方を変えること自体はフリーランスもそうですが、クライアント側にもメリットだらけですので、詳しくは次の章で説明させていただきます。
稼げるフリーランスになるために徹底するべき3つのこと
ベスト提案を行うこと
前述の”やりがちなこと①、②”はセットで同じタイミングで行われることが多々あります。ただこれ自体はフリーランスとして仕事を受ける側としても仕事を振り出すクライアント側としてもデメリットが多々あります。
フリーランス側のデメリット
課題の整理や優先順位がされていないままなので、フォーカスするべきポイントが明確でない
クライアントが仕事をお願いしたい先にある本質的な課題や描きたい理想状態が不明確なままスタートする
発注者側からすると費用を安く抑えたいため、単価が安くなってしまう
クライアント側のデメリット
とりあえず仕事をその場で依頼しているので、本当に自分(自社)にとって価値があるかどうかの検証が中途半端
本質的な課題や背景を共有していないので、動きはじめてから修正するコストが発生することが多々ある
相手に期待する成果と進め方を伝えていないので、相手の動きが思ってたのと違う…となりやすい
というような少し考えただけでも双方にとってデメリットしかありません。私もこういった場面に多々出くわしたのですが、大事なことは一度持ち帰ってベスト提案をするということと、その場はヒアリングをすることで課題の解像度を上げるという2点です。
仕事を今すぐ決めたい気持ちをぐっと堪えて
「次回ベストな提案をさせていただきます!」
「ベストな提案をさせていただくために、2~3質問させてください!」
と言い切れるかどうかが勝負かなと思います。その上で、
仕事を依頼しようとしてくれた背景
どんな問題を解決して欲しいと先方は期待しているのか?
どうしてその問題が重要だと言えるのか?
その問題を解決して、どのような未来像が得られると考えているのか?
どうしてその問題解決、課題解決の依頼を私にしてくれたのか?
提案を作成する上で考慮して欲しいことは何か?
などなどをきちんとヒアリングすることで、相手の課題や理想の解像度が上がってきます。そうすると自分自身としても価値貢献できる部分が明確になるので、提案を作成しやすくなります。
一度持ち帰ってから、提案を作成して自分だからできること、自分だから価値貢献できることをクライアントに提案することができれば、クライアントにとっても依頼した意味があり、価値が高いです。
また、単価という面でも相手から先に言われてしまうと交渉はそこからスタートするので、低い状態に単価が張り付くことになります。(上げにくい)
一方で提案というものは先にこちらが提供する価値を明示した上での価格提示になるため、価値に対しての金額と相手は認識ができること。また、先にこちらから金額提示するため交渉の面でも有利になります。
上記のように同じ金額合意の仕方でも、同じ案件であっても、スタートが全く違うのでこれだけでも成功確率は一気にあがります。
また、高い金額(例 4,000円)からクライアントの要望で下げた場合でも「3ヶ月後の振り返りで成果見合いで価値があると判断いただけたら4,000円にしてください」と先の交渉の材料をつくっておくことも可能です。
繰り返しになりますが、大事なことは”その場で仕事を受けない””一度持ち帰りベスト提案をする”です。
期待を発注者と明確に合意すること
そして、仕事がスタートするとクライアントから「◯◯さんに共有しておいたから、◯◯さんから話しを聞いて仕事進めてください」的な感じで進んでしまいます。
これも一つの後々の悲劇を生む要素となります。
発注してくれた方は多くの場合、発注権限があるので社長だったり役員、事業責任者であることがほとんどです。そういった場合、忙しいので上記のように「◯◯さんに伝えといたから・・・」で進むことが多々あります。
大事なことは”あなたに仕事をくれるのは誰か?発注者は誰か?”ということを外さないということです。
ついつい仕事を受けている側として弱い立場になってしまうので、言いなりになってしまうのですが、注意が必要です。
発注者の期待が分からないのに、どうやって次の仕事をもらうことができるでしょうか?
コンサルだったら確実にキックオフミーティングを実施して、クライアントの期待、担当者との役割分担、進め方の合意などを行います。フリーランスになってもこれらは必ず実施することで、案件のスムーズな進行と継続的な仕事の獲得に繋がります。
上記のように言われたとしても
「発注者である□□さんの期待をきちんと把握した上で進めたいので、担当者の◯◯さん交えて30分で良いのでキックオフミーティングさせてください!」とい言い切ってミーティングをセットすることが大事です。
実際のキックオフミーティングでは
改めて今回解決する課題と実行案
発注者が期待する成果は何か?
ここまでいけたら大成功
ここまでいけたら期待通り
最低限ここまではいって欲しい
プロセスや進め方に関する期待は何か?
クライアントの担当者との役割分担
コミュニケーション方法や頻度の期待のすり合わせ
フィードバックプロセスの合意
期待を合意する上では下記の図のように成果とプロセスを分けて合意する必要があります。多くの人はこの先方の期待(特に発注者の期待)を明確化することなく、進めてしまいます。なので、先方が満足しているか分からなくなってくると、必要以上にサポート工数を増やしたり、もともとのフォーカスポイントとは違うところでサポートしたり、など自分の工数を必要以上に使って疲弊することになります。
期待がわかればやることも明確になるので、ジリ貧になることもありません。
期待に対するフィードバックを定期的にもらう構造をつくること
そして期待を明確化したところで、定期的にフィードバックの構造を自分からつくることが大事です。クライアントが色々な会社やフリーランスに発注する立場だと勝手にフィードバックプロセスを先方から振り出してくれることもありますが、そんなクライアントはほとんどいません。
特に弱い立場に置かれているフリーランスは先方からフィードバックを先出しされてしまったら、もう終わりだと思ったほうが良いです。
大事なことは発注者が期待していたことに対してどの程度満足しているのか?を定期的に性格に把握すること、期待は変わることが多々あるので、先方の期待を修正すること、これらを丁寧にやる必要があります。
最初は1ヶ月くらいで、先方との信頼関係も厚くなり、関係性も構築できてきたら2ヶ月ごと、3ヶ月ごとなどでフィードバックをもらうミーティングを自ら提案するべきです。
実際のフィードバックミーティングでは
ここまでお仕事をご一緒させていただいていることの感謝を伝える
当初、クライアントが期待していたことの振り返り(キックオフの議事録をもとに)
この期間で実行したこと、成果物の共有
この期間で得られた成果の共有
当初の期待に対して期待通り、期待以上だったことは何か?
当初の期待に対して期待未満だったことは何か?
仕事の進め方やプロセスに関する良かった点はどこか?
仕事の進め方やプロセスで改善して欲しいところはどこか?
次の◯ヶ月で期待する成果は何か?
全体的なフィードバックがもしあれば
次のフィードバックミーティングの日程調整
クライアントの立場になって考えてみると当然なんですが
どちらに発注し続けたいか?ってことだと思うんです。②のアクションをとっていれば期待はすり合わせ続けられるし、進め方や成果に対しても改善のサイクルが回り続けます。
意外とコンサルを名乗っている人でもこういったプロセスを自ら実施できる人は少ないと思います。(自戒の年を込めて)
まとめ
ここまでフリーランスが仕事を受ける際にという文脈で書いてみましたが、会社員であっても上司に対してここまでできる人はそういないと思いますし、やっていることは仕事の受け方を本当に突き詰めてやるだけです。
これからフリーランスや副業をする人は増えていくでしょうから、少しでも参考になったら嬉しいです。
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