保険外サービス     てごナース 初めての看取り案件その4

それでも家で過ごしたい

日本人の約8割が自宅で最期の時を迎えたいという希望がある。
日本人の約8割が病院や施設などで最期の時を迎える。

誰も好き好んで病院や施設に行きたいわけではないのです。
私がてごナースきたひろを始めた最大の目的は
「少しでも長く自宅で安心して過ごせるために私があなたをてごします」
と私のチラシに大きく書いてあるコレです。
今回の看取りのケースはまさに当てはまりました。
本来なら自宅に居られない状況でも、ご主人の意思を奥さんが尊重して自宅で過ごすと一貫しておりました。
前述しましたが、訪問看護の導入も難しいケースでした。
そんな時に自費の保険外サービスの私をご利用いただき、少しでも長く自宅で安心して過ごすことに成功しました。
ご夫婦ともに喜んで私を利用していただけました。
最期の全身清拭は私の妻をサポートにつけて一緒に訪問しました。
夫婦でこんな経験が出来ることはなかなかありません。 
妻も「清拭を一緒に出来てよかった。私は病院勤務しかしたことがないから、家で身体を綺麗にすることは無かった。ご主人の笑顔も見られて良かった。」と言ってくれました。

お別れの挨拶へ

全身清拭の翌日の朝、ケアマネジャーさんから連絡があり、ご主人が亡くなったことを知りました。その後奥さんからも連絡がありました。当然、訪問予定のキャンセルの連絡でした。            私は今回こんな貴重な経験をさせてもらえたご縁に感謝したくて訪問しました。
2ヶ月と数日の関わりでしたが、私にとっては大きな宝物になりました。
ご自宅へいつものように訪問すると、いつものようにご主人はベッドに横になっておられましたが、そこには顔を上げて笑顔で手を振り私を迎え入れる姿はありませんでした。
奥さんが
「お父さん、てごナースさんが来てくれたよ、嬉しいね。」とご主人に声をかけて顔の上にかけてある白い布を取ってくださりました。               結局、最期は救急車で病院に搬送し死亡確認になったとのこと。亡くなる1時間前まで家で過ごせたことになります。    ご主人の意思に沿い、少しでも長く自宅で安心して過ごすことの一翼を担えたことが誇らしく思いました。最期は「母さんありがとうの」と言ってくれと奥さんが目に涙を浮かべて嬉しそうに言ったのが忘れられません。               私は「もう少し元気なうちに知り合ってお話を聞いてみたい人でしたよ。」と奥さんにお伝えしました。          すると奥さんが「読書好きで頭もよく歴史にも詳しい人だったのよ。」とおっしゃいました。               そして、おそらく私のような個人の起業者にも理解を示し応援して下さるような方だったと推察しました。         きっと今回のご縁も「あなたのやってることは間違ってないから、やってみなさい。ブレずに己の信念を貫きなさい。続けられるだけ続けてみれば、何かしら結果は出るから。ワシも病院は嫌だと信念を貫いたじゃろ?」と冗談混じりで話して下さりそうです。       

まとめ

私がてごナースきたひろを立ち上げてから、2年5ヶ月が経過しました。その間、案件も無く不安になり自分の信念がブレそうになったこともありました。     しかし、覚悟を決めてブレずに続けていれば、今回の看取りのケースのような「私が本当にやりたかったこと」に巡り合える、ご縁に恵まれることが分かりました。  嫌になって途中でヤメていたらご主人とのご縁も無かったのですから。      そんな事を考えながら私は自宅へと車を走らせました。          終わり

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