保険外サービス てごナースきたひろ 救急対応について3
前回からの続き
救急隊員の欲しい情報をすらすらと答えられたり、保険証を直ぐ提示出来たりするのは私とAさんや娘さん、担当ケアマネジャーとの日々のコミュニケーションの賜物だろうと思いました。
しばらく救急車の側で待っているとAさんの搬送先がかかりつけ病院へと決まりました。 そのことを娘さんに電話連絡すると娘さんは「私も今からそちらに向かいます。」と言われました。 私は「慌てて来ることは無いですよ。来るまで私がついていますから。事故の無いように落ち着いて来て下さい。」と伝えました。
救急隊員にも娘さんはこっちに向かってると伝え、私も家の戸締まりをしたら病院へ向かうことを伝えました。 救急車の発進を見送ってから、私はAさんの家の戸締まりを済ませ、自分の車で搬送先の病院へ向かいました。 病院へ到着し診察室の近くで待機していると嘔吐しながら診察を受けるAさんの声が扉の向こうから聞こえてきました。 幸い日勤帯だったので主治医の診察となりました。 検査の結果、入院することになったので娘さんにLINEで報告しました。 それから1時間後に娘さんは病院に到着し医師の病状説明を受けました。 その後、娘さんは安堵の表情で私の元に戻って来られました。 娘さんは口を開けば「てごナースさんがいてくれて良かった、ほんと助かりました。」と言って下さりました。 入院の手続きなど必要書類は相談員から私が預かっていたので家に帰って説明することにしました。
Aさんの家に帰って娘さんとお互いの状況を話しました。 娘さんもいつもと違うお母さんの電話の話し方に驚いたようでした。Aさんから連絡を受けてまず、担当ケアマネジャーに電話連絡してみたが繋がらず。 一か八かで私に連絡してみたと。私に繋がって素早く駆けつけてくれて、適度に状況報告も入れてくれて落ち着いて病院へ来る事が出来たと言われました。私はAさんがどのように横たわっていたのか自分が居間の床に横になり説明しました。 ひとしきり話した後に娘さんから 「私はてごナースさんのことをこの家の周りには口コミしてないんです。すごい良い仕事をしてもらってるんだけど、他にお客さんが増えて、今回のような時に対応がしてもらえなかったら私たち家族が困るから。なるべく専属でいて欲しいんです。」と笑いながら言われました。それを聞いた私は大爆笑してしまいました。良い仕事をすれば口コミで拡がるはずなのに、口コミしてもらえないなんて。確かに私も自分が見つけた穴場スポットなどはむやみやたらに人には勧めたくないので理解は出来ます。最高の褒め言葉だと嬉しく思いました。
サポート体制の構築
今回の事例のポイントはキーパーソンの娘さんが一人暮らしのAさんを心配して出来る限りのサポート体制を構築していたことが挙げられます。 私と娘さんが知り合って、得体の知れない保険外サービスをまず試しに使ってみたこと。それが娘さんの賢さだと思います。 毎朝の内服確認サービスをする社会資源が無い中で、背に腹はかえられず、ケアマネジャーから紹介を受けて私と繋がることになりました。ひと月定額いくらの内服確認サービスで繋がった関係ではありますが、いつからか私を信用していただき、家の鍵を預かる関係になりました。そうやって保険外サービスという認知度の低い私の仕事に理解を示して、お母さんのサポート体制を作っていた。 もし、あの時「いいサービスだけど怪しいよね。」などと警戒心が上回って私との繋がりを手放した場合はこのような結果にはならなかったのは確実です。 私のサービスは月額料金以上に万が一のサポートをしてもらえる人を確保している価値がある。まさかの時の保険料も含まれる仕事なのだと実感しました。 本来なら私が活躍することが無いことが平和の証なのですが、今回のような不測の事態の対応もてごナースきたひろを始めた目的の一つでした。 私と繋がることでお値段以上の安心感を得られてもらえたなら私は嬉しい。 娘さんからは「今回は大活躍してもらったので特別料金を請求して下さい。」という言葉もいただきました。 そして「てごナースさんが収入が無くて他にお客さんを見つけなくても、私達が使うから。」ともおっしゃりました。 私も客単価が上がるほうが嬉しいです。 こうやってお互いを支え合える仕組みを理解出来る娘さんは賢いと思うのです。 ならば私も全力サポートを続けます。
終わり
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