見出し画像

海が大好きな癌末期の患者さんの海を見に行く1泊2日の旅行同行②


グランドプリンスホテル広島


②今回は情報の共有と旅行の下見と行った話しを記します。
情報の共有
Aさんは自宅で訪問診療を受けておられました。訪問診療には訪問診療医、訪問看護、薬剤師、ケアマネジャー、医療事務など様々な職種が関わり連携して患者さんをサポートしています。
そこで重要なのが情報の共有です。これは病院という一つの箱の中での連携とは異なってきます。 
まずスタッフ間の物理的な距離です。
病院内なら大抵のスタッフが近距離にいますし、何なら顔を合わせて話すことが出来ます。
しかし、自宅療養ではAさんの家を中心にし、別々の場所で働くスタッフが時間を調整しあいながら患者さんをサポートします。ですのでスタッフ同士が同じ場所で顔を合わせて話すことは稀です。
Aさんの状態を共有するのに、この物理的な距離は弊害になります。
少しの情報共有ミスが患者さんの不利益になります。
その物理的距離を埋める情報伝達方法がMCS(メディカルケアステーション)
です。
今回はこの他職種連携アプリを用いて、Aさんの情報共有をしました。
正確にはすでにこの患者さんに使っていたMCSに医師から招待されたといことす。
私はこのような医療用の情報共有アプリを知らなかったので、どんな物なのか半信半疑でした。途中参加の形で患者さんの情報を知ることができたので大変便利でした。
基本的にはテキストで表現するものですが、画像や動画も貼り付けられます。
このようにして、初めて関わる患者さんの治療の経過や現状を知ることが出来ました。文明の利器、使えるものは使わないとなと思います。
今回のケースに限らず、テキストで残るので口頭で言った言わないという水掛け論にならずに済むのはメリットの一つだと思います。

下見の話
大切な依頼者でもあり車椅子利用でもあるので部屋のレイアウトや動線、周辺環境の確認目的で下見に行きました。
 Aさんの家からホテルまでの車での所要時間も把握したいので、同じルートで行ってみました。
もちろんネット検索すれば所要時間は分かります。
しかし、景色や道路のカーブや勾配などは体感しないと分かりにくいから自分で確認しました。

ホテル到着
事前にホテルに電話して目的を伝えてみました。その時も対応して下さったホテルのスタッフは部屋の中の確認は出来ないだろうと返答でした。
やはり下見の日もフロントで確認しましたが、あいにく部屋は満室で見せてもらえることが出来なかったです。室内の広さやベッドの位置などを確認したかったけれど残念でした。
しかしフロントからお部屋前までの動線、エレベーター位置や広さの確認はスタッフが同行して下さいました。
G7広島サミットで使った円卓の展示場所や、ホテルから海側へ出るスロープの位置など一緒に歩いて確認させてもらいました。

車椅子で行ける

海が好きな Aさんなので
なるべく海に近くて潮風を頬に受けてもらいたいと考えたからです。
まずは安全安心、スムーズに車椅子移動が出来ることが確認できて安心しました。
ほんと天気も良くて本番も天気が良かったら喜んでもらえる景色だと思いました。

宮島へ行くフェリー桟橋

かくして旅行の宿泊先の下見は無事に終わりました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?