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保険外サービス内服確認1周年の振り返り 上

今月で内服確認サービスも1年が経過する。仕事とはいえ、365日毎朝、よく通ったものだと自分でも思います。今日はその振り返りをしたいと思ういます。

契約にいたるまでの経緯

2020年4月              保険外サービスを起業したが大した実績もなく1年が経過しようとしてしました。2021年1月末、知り合いのケアマネジャーさんから相談がありました。担当の一人暮らしの高齢者Aさんが薬を飲み忘れるんだけど、どうにかならないものかという内容でした。自分に請け負えるかどうかは別にして、ひと通りお話をうかがってみました。一緒に考えていく間に解決策が見つかります。

困りごとを細かくリサーチ

自分が請け負えるかどうか判断するためには双方誤解がないようにしっかり細かくニーズをリサーチすることはポイントだと思います。万一誤解があった場合はトラブルの元になります。てごナースは個人で請け負うので、トラブルがあった場合は自分で解決しなくてはなりません。代わりに頭を下げてくれる上司や医師はいません。責任は全て自分なのです。

私がてご出来る具体策         私の保険外サービスは1時間単位の契約で3,000円から10,000円の範囲がありました。薬を飲むのを確認するだけで1時間は必要無いですよね。そこで1時間を60分に分割することにしました。日曜日を休みにして週6日(訪問時間10分)×4週間で10,000円の契約という案を提案しました。いずれはAさんの自己管理にしていくことを見越しての契約でした。まずは本格導入前に試行期間として週5日を1日100円の特別価格でご家族に提案してみました。

目的は実績作り

当然、交通費などを考えると1訪問100円では赤字です。しかし私は少しでも実績を作りたかったので、宣伝目的も兼ねての特別サービス価格を設定しました。それに見ず知らずの私が訪問することをAさんが拒否されるかもしれないと考えました。認知症患者さんは家族やケアマネジャーが勧めても拒否する時があります。また知らない人を受け入れるのに時間がかかる人もいます。始めから月契約にせず、直ぐ拒否される、数日で拒否されることを前提にして1週間は1日100円としました。実施前日にケアマネジャーさんと共にAさん宅を訪問し玄関先でAさんに自己紹介をしました。そして、明日から5日間、毎朝私がお薬を飲んでるか確認に来ますと伝えました。

初回訪問

前日に訪問することを伝えているのにも関わらず、玄関は閉まっていてチャイムを鳴らしても出てはもらえなかったです。私は今まで習慣が無かったから仕方ないと思いました。チャイムを鳴らしてもなかなか出てもらえないので、ケアマネジャーさんに電話で報告しました。するとケアマネジャーさんがAさんの家に電話しました。その電話でようやくAさんは私の訪問に気がつき、玄関を開けに来てくれました。

内服薬の散乱             私は初めてAさんの部屋に入りました。私のことは覚えておられました。そして部屋の壁にかけてある内服カレンダーに貼ってあった薬を飲んだかどうか確認しました。確認すると内服カレンダーには日付がバラバラで飲んでない一包化した薬が貼りっばなしでした。既に過去の日付で朝昼夕も歯抜け状態で貼ってあったのです。内服忘れした袋を集めてみました。部屋や台所にも飲み忘れの内服が何日分も置いてありました。全てかき集めてまとめて1つのビニール袋に入れて預かりました。後日、ご家族に渡して薬局に返却を願うつもりでした。

訪問2日めにご家族と初体面      ケアマネジャーさんとはお話出来る機会はありますが、遠方に住む家族さんにはなかなか会う機会はありません。月1回の病院受診の日には実家に戻りAさんを連れて病院へ行っています。そのタイミングくらいしかご家族に直接会ってお話しをする機会は無かったです。当然ご家族とも初対面になります。ご家族の希望は内服の自己管理でした。私もいずれは私の手が離れて自己管理にするのが目標になると思いました。

直ぐに指摘は逆効果

当初、内服確認サービスは内服薬をAさんの家に置いていました。よくある1週間カレンダーで朝、昼、夕、眠前と区切ってあるのです。それに毎食前薬もありました。なので、1週間で49回の内服機会になります。Aさんは軽度認知症です。感の良い読者さんならお分かりでしょう。「そりゃ管理は難しい」ということを。私でも1日7回の内服を忘れることなく出来るかというと自信はありません。むしろ忘れる自信はある笑。回数が増えれば忘れる可能性は高まる。反対に減れば減りますよね。私はどうにか内服の回数を減らせないものかと考えました。しかし、何事も新しい人が介入して直ぐに今までのやり方を指摘すると相手は不快感を表します。別に否定をしている訳でもないのに、相手は否定された気になる。なので、私はしばらく様子をみて折を見てご家族に話そうと考えました。

訪問の効果

内服の効果は直ぐには出ませんが他に効果がありました。私が毎朝訪問するので、Aさんは毎朝起きるという習慣が少しずつ見についていきました。何回か訪問すると玄関の鍵は開けて待ってくれてました。Aさんはデイケアに行っていますが、デイケアの送迎車が迎えに来ても寝ている事もあったそうです。朝起きてデイケアに行く身支度を整えるという、生活リズムを獲得したのでした。

その間も内服忘れは続く

私の訪問は朝のみです。したがって昼前昼、夕前、夕、眠前、の確認は出来ません。やはり前日の昼、夕など内服忘れは続きました。契約通り5日継続しましたが、土日は休みです。月曜日の朝は恐る恐るの訪問でした。案の定、土日の内服薬の飲み忘れがありました。やはり、誰かがチェックしないと忘れることが分かりました。


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