冒頭無料【ドイツ事情】なぜ夕食は Kaltes Essen(冷たい食事)なのか.その意外な理由とは?#69
※ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています.
Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.白井宏美です.
毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.
今日は,ドイツでは「なぜ夕食は Kaltes Essen(冷たい食事)なのか.その意外な理由とは?」というテーマでお話します.
ドイツの伝統的な夕食は Abendbrot と呼ばれるのですが,それは Kaltes Essen(直訳すると「冷たい食事」)なのです.
どういうものかといいますと,火を使わなくて済むものだけを並べた文字通り冷たい食事です.
具体的には,黒パン,チーズ,ハム,サラミ,ピクルスなど戸棚や冷蔵庫から出してそのまま食べられるものです.
私はドイツで二つの家庭にそれぞれ約半年ずつホームステイした経験がありますが,どちらの家庭でも夕食はこのような Kaltes Essen でした.
最初は,慣れなくて日本のように温かい夕食が食べたくて仕方ありませんでした.寒い冬には特にそう思いましたね.
見た目も地味で質素なので,すこし寂しい感じがしたものです.
日本から来た学生がホームステイの初日の夕食があまりに質素なのに驚いて,自分は歓迎されていないと悲しくなってしまったという話も聞いたことがあります.
Kaltes Essen が伝統的な夕食だと知らなければ,勘違いするのも無理はありません.
しかし,この Kaltes Essen が徐々にクセになっていくのです.
様々な種類の黒パン,チーズ,ハム,ソーセージなどの組み合わせの美味しさに目覚めて,私は1ヵ月ほど経ったころには,この夕食が毎日とても楽しみになっていました.
日本に帰ってきてからも時々恋しくなるほどです.
この Kaltes Essen ,どうしてドイツでは伝統的な夕食になったのでしょうか.意外な理由がありました.
以下,有料部分では Stern と Kühne のドイツ語記事を参考に解説していきます.
なぜドイツでは Kaltes Essen が伝統的な夕食になったのか
夕食に冷たいものを食べる習慣は、1920年代にまでさかのぼります。
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