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【ドイツ事情】キッチンはいつもピカピカ!#79

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※ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています.

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.
白井宏美です.

毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.

今日は,ドイツの「キッチンはいつもピカピカ!」というテーマでお話します.

私がドイツで驚いたことの1つに,訪れたどの家庭も家中がモデルハウスみたいなことです.

仲良くなるとよく自宅へ招待してもらえるんですよね.
私が訪れたのは合わせて10家庭ほどですが,どちらのお宅も初めて伺うと,まず家の中を案内してくださいました.
全ての部屋とバスルーム,トイレの中まで見せてくださることも珍しくありません.

どこにも無駄な物がなく,掃除用具など生活感のある物も目に入ることはありません.家中がすっきり整然としているのです.
かといって殺風景というわけではなく,おしゃれなインテリアや観葉植物もセンス良く配置され,ショールームかと思うほどです.

特にキッチンがピカピカなのには驚かされました.
とても毎日使っているようには見えないのです.

お客さんが来た時だけじゃないの?と思う人もいるかもしれませんね.
でも違うのです.ホームステイした時にわかりました.

特に1回目のホームステイ先でキッチンのシンク(流し台)を見た時は新品でまだ使っていないものだと思いました.
流し台の上に何も置かれていませんし,シンクもあまりにピカピカすぎて,一度でも料理したキッチンには見えなかったのですね.

しかし,毎日お昼は料理をしていました.
驚いた私はホストマザーの行動を興味深く見ていました.すると,流し台を使ったあとはすぐにスポンジで洗い,そのあと布で水一滴残さないように拭き上げていたのです.
どうして毎回そこまでするのかと思いましたが,ドイツの水は硬水で石灰成分が白い斑点になって残ってしまうからでした.

ドイツの水質に関しては30回目の放送でもお話しました.


流し台の上に何も物を置かないのも,掃除をしやすくするためだと知りました.
調味料などはすべて収納してありました.
そうすると流し台もサッと拭きやすいのですね.

それから,ホームステイ先で食事をしたり,お料理を手伝ったりして思ったのは,そもそもキッチンがあまり汚れないし後片付けも簡単だということです.

日本では天ぷら,唐揚げなどで油が飛びますし,魚を焼くとグリルや換気扇が汚れます.食器もお茶碗,汁椀,煮物椀,大皿,小皿,小鉢,つゆ入れ等,多種多様なものを使いますよね.
料理の品数が多くバラエティー豊かなのはとても幸せなことですが,その分,後片付けや掃除は大変なのだと気づきました.

ドイツでは多くても日に1回しか料理しません.朝はトーストなどで軽く済ませ,夜は Kaltes Essen で,料理をするのは昼だけというのが伝統的なスタイルです.

Kaltes Essen については69回目の放送で解説しました.

しかもオーブン料理が多く,キッチンが汚れるような料理は避けられます料理上手なことよりキッチンがピカピカなことのほうが重要なのです.

また,ドイツのキッチンは機能的かつ収納スペースが広いということも,流し台に何も置かなくて済む理由でしょう.

このように,日本とドイツでは様々な違いがありますから,どちらが良いとはいえませんが,ドイツ式のできるだけ物を置かず,使ったらすぐ,サッとひと拭きするというのは心がけています.

そうすると汚れがたまらないので,特別な掃除用具や洗剤も必要なく,かえって楽で時短にもなっているんですよ.
皆さんにも何か参考になれば嬉しいです.

それでは,また!
Bis dann!
Tschüs!

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