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#25:大人が遊びへ介入するときの線引はどこ?

遊びへ介入するときの線引きと言っても、家庭ではピンとこないかもしれないですが、保育の現場では、 こういった部分を考えることがあります。

実習生さんを受け持つと、
”子どもにどう関わっていいかわからないです”
”どのタイミングで声をかけていいかわからない”
”自分からなかなか声をかけに行けない”
”声をかけすぎてしまって良かったですかねぇ”

そういった相談を受けることがあります。

結論から言いますと、

子どもが大人を求めているかどうかです!

真面目な人ほど陥りやすいことも⁈

子どもたちが遊んでいるところに、


何か子どもにかかわらなきゃと思って、
子どもに「何してるの?」

「なんかすごいねー」と言って
どんどん声をかけていく、積極的に関わっていくというようなことがあるんです。

それが全部悪いということではないんですけども、
まずその前に子どもたちがどのように遊んでいるかというのを
まずそこを考えようとしていたかというのが大事だと思うんです。

なぜこんな言い方するかというと
例えば子どもがすごい集中して遊んでいるという場面があったとします
何かを作っていたり絵を書いていたりをしていたとします 。

その場面をたまたま大人が見かけて
”何してるの?”とか”すごいねー”と言って
こちらの感想を伝えるというような言葉がけですよね。

それも1ついいと思うんですよね。
それを喜ぶ子供たちもいると思うんですけど、

気をつけたいところが声をかけたことによって
子どもの集中を奪う、集中を切らしてしまうというところが 出てくるんですよね。

何かを作っている時に困っているようだったらいいんですけど、
何かこういう感じで作っていこうかなぁと子どもなりに思っていた時に
ポンと声をかけてそこを集中を切らしてしまう。

せっかくその次のインスピレーションやなにかが生まれそうな所のアイディアが
集中力が切れたことによって違うところに目が向いてしまったりとか
そこのアイディアがまた忘れてしまったりとか
ということにもつながりかねないなぁということがあると思います。

昔の話にはなりますが、
5年目位だった頃、特別支援の子のお子さんの担当していたのですが、
組んでいた先生がほんとにベテランさんの先生で

受け持っていた子たちが、保育園の中でお祭りごっこみたいなことをやっていて
お店でゲームかなにか並んでるような場面で

私から見たら、その子がちょっと困っているんではないかなと見えて行こうとしたんですよね。
そして〇〇くんと声をかけに行ったら、一緒に組んでいた先生が
”ちょっと黙っとってー!”と言ってえらい勢いと剣幕で
すごい背筋がぴんと伸びるそんな状況があって

”勝手なことせんといて!”と言われたんですよね。
その時は何が起きた?というふうに衝撃だったんですけど、

その時、”良かれと思って声をかけたんだけど何がいけなかったんだろう”
と思っていたんですけど、

後から思うと、その時その子は困っていたかもしれないけど、自分でなんとかしようと考えていたんですよね。

”どうにかしようかなぁ”とその子なりのタイミング、その子なりの考えで
失敗するかもどうかわからないけどそのゲームに対して何かしらアクション起こそうというそんな大事な時間帯だったんですよね。

だけど私はそんなこともわからずに”わからないんだなー”とこちらの勝手な大人のタイミングで自分の考えでそういう判断を勝手にして、

その子が周りをキョロキョロ見ている。困っているそぶりもなく、そのタイミングで声をかけてしまったと。

本当に浅はかだったなぁと思うんですけど、そういうことって生活の中でよくあると思うんですよね。

子どもを見守るというようなことはよく言われるんですけど、
まさにそれが大事なことなんだなぁというふうに思いました。

そこでも気をつけたいということが、目を離さないということですよね。
子どもたちが何十人といる中で、保育士さんとか幼稚園の先生とか小学校関係の方とかもそうなんですけど、
全員に目を配らしとけというのは物理的に無理だろうといれるかもしれないんですけど、

どんな遊び方を、どのメンバーで、どういう感じで、遊んでいるんだろうなと
心の動きとか友達同士の表情とかやりとりとか姿を見て、把握しておくということがまず最低ラインで大事なのかなと思います。

もう全然見てもないとかなにをしてたか、今日誰も思い出せないとか
そんなんではやっぱり保育のプロとしてはいけないのかなあと言うところがありまして、

見守るときに目を離さないのかというと、直接的には関わりが必要がないというお子さんでも、見てて欲しいという時があるんですよね。

うちの小学校の5年生になる女の子のたとえを話しますと、
”公園に行って鉄棒をやりたい!”と小学校5年生位になると直接一緒に遊んでと言うこともあんまりなくなってくるんですよね。

でも”鉄棒やりたい!パパ公園行こう”と言って公園に行くんですけども
その時に必ず”ねぇねぇパパ今からやるよー”っていうのを必ず言うんですよね。
みてみてって小さい子たちも幼児期のお子さんたちも言うんですけども

”パパからやるよー”と言って、 出し方はいろいろだと思うんですけど
私が見ていて鉄棒で技をしました、その後に必ず僕のほうの目を見るんですよね。

そして、その時に私がそこの目線、目が合うかどうかというところがものすごく大事だと思うんですよね。

そこが全てを物語っていて、子どもからしたらそのタイミングでちゃんと見ていてくれたんだ。
技をやっている時なんて僕の目線なんてわかんないですよね。

だけど、やる前に僕と目が合いました。
技を見せた後にすぐぱっと見たら僕と目が合っている。
と言う事は、その間の時間もずっと私のことをずっと見ていてくれていたんだな
という安心感ですよね。

そこが大事1番大事であって、
何も考えないで、大人の目線も何も考えないで、黙々と集中して遊んでいる時は
ただただ大丈夫です。あそこで遊んでいるなと言うだけでいいです。

でも、見て欲しいとか見守られている安心感というところが必要な子にとってはそういう関わりはものすごく大事だと思うんですよね。

だから、そこに関しては大人は特に意識をしておいた方が良いのかなということで今日の話とさせていただきます。

子どもにどのタイミングで関わっていいのかという線引きは、
子どもが大人を求めにいるかどうか
そこだけです。シンプルにいえば、
大人を求めているかどうか
そこを忘れないようにしてもらえるといいかなと思います。

少しでも参考にしていただければ嬉しいです。

エピソード by やなさん

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