#7:音と効果音で広がる子どものあそび
子どもたちが遊んでいる中で五感が発揮されていると感じた場面のお話になります。
園の一番近くにある公園でのお話。
子どもたちもその公園が大好きで、よく走ったり、砂をいじったり、なにか集めたりと色々と遊んでいます。
その公園は遊具もなく、フラットな地面しかない場所です。
ある時、ある子が石を拾ってきて、
公園内の柵のパイプ部分を叩いていました。
カンカンカンと叩き出し、様子を見ていると
音を楽しんでいるような表情をしていたので。
その音に合わせて、「がんがんがんがん」と言葉で表現してみました。
近くで観察して、特に声をかけることもなく
その音だけに対して、「がんがんがんがん」と音に言葉を乗せてみました。
すると、その子も僕の方を向いてニコッとして、
叩いているのを表現してもらっているのが嬉しかったのか
音を一緒に楽しんでいる姿が嬉しかったのか
また叩き始めました。
言葉で表現したこともあったためか
近くにあったコンテナの壁のところを叩いてみたり
木の看板を叩いてみたり
音の違いというのを叩き試しはじめました。
コンテナはもっと低いドンドンドンとした音がします。
看板の木はもっと乾いたカンカンカンと音がします。
そして、
僕がその音だけをまた言葉で表現して遊んでいきました。
五感の視点からお話すると
この素材はどんな素材なのか目で見る視覚のところから、
手で触って触覚のところから、
音を表現して聴覚のところから、
その子は色々試しながら、音を聞きながら、僕の言葉を聞きながら
色々試した遊んでいました。
とても印象的だったのが、
順番に、鉄パイプ、コンテナ、木の板と叩いたあとで
最後に公園の周りに生えている木の幹を叩き始め、
叩いた時に音が出ず、刺さるようなザクザクとした音。
その子は”えっ?”という表情をしていて、
”今までは音は出てたのにこれはなんで音が出ないんだろう?”という表情をしていました。
「あれ?音出ないね?」と声を掛けてみると、
本人も””あれー?”言っていて、また他のところを叩き始めました。
一連のあそびの、ふとした日常の遊びではありますが、すごく五感が発揮されてるなと感じる場面でした。
なかなか子どもの遊びの世界というのは飛び込むのは難しく
実際一連のあそびのなかで、”子どもたちは何を学んでいるのか”を可視化したり、言葉で表現することは難しいことではありますが、
もし一回目の鉄パイプの時にすごく音が大きくて
「静かにしようね」や「ちょっと危ないからやめようね」と言っていたら
その子の試しのあそびと実験が止まってしまいますし、
最後の木の幹を叩いた時に 「あっ音がでないんだ!」という【気付き】がなくなってしまっていたのではないかと改めて感じました。
子どもたちにはあそびの意欲やあそびの中での気付きがあります。
このあそびの意欲や気付きのなかで、
いろんな事を学び、子どもたちの感性や想像力を伸ばしていくことに繋がります。
子どもたちが五感を発揮されている場面には多々出会いますが、
よく観察し、表情をよく見て、大人も一緒に楽しめたらと思います。
子どもたちもその気付きのなかで、感じて、経験を積み、たくさんの学びを得てもらえたら嬉しいです。
少しでも参考に慣れば幸いです。
エピソード by あやと
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