【文学フリマ東京】クィア映画読本つくったよ
2023年5月21日東京流通センターで行われる文学フリマ東京に出展します。noteに書きためた映画レビューと書き下ろしをあわせたエッセイ本を頒布します。「これはクィアだ!」と私が独断と偏見で判断した、2010年~2023年までの17作品のレビューを詰め込みました。完全に個人の趣味ですしネタバレ全開の一冊です。イベント後に在庫はBoothで匿名配送予定。
文学フリマ東京 二階ホール F 【お-24】
ジャンル 評論・研究|ジェンダー・LGBTQ
サークル名 La Nave
「クィア映画読本 Volume.1」
エッセイ/B6/40ページ/二段組み/イベント予価600円
試し読み
「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」
2017年 イギリス 114分
監督 セバスティアン・レリオ
主演 レイチェル・ワイズ レイチェル・マクアダムス
レイチェル・ワイズは「ハムナプトラ」から、レイチェル・マクアダムスは「パニック・フライト」からのお付き合いである。ガチで付き合うならどっちのレイチェル、という議論を友人としたこともあるくらいふたりが好きだ。私は断然マクアダムス派だったのだが、「ロニーとエスティ」をみて改めてワイズの魅力にガツンとやられた。日本公開は2020年で、本国公開からなんと3年もかかっている。円盤スルーになるのかとやきもきしていたので、買い付けしてくれたファントムフィルムには感謝である。
私の初見は飛行機の機内上映だった。原題Disobedience —服従しない、反抗、というタイトルに首をひねりながら再生し、なかなかの重さに二度鑑賞した記憶がある。ニューヨークでカメラマンとして働くロニートと(ワイズ)イギリスの地元で結婚した教師のエスティ(マクアダムス)の物語。ふたりは昔恋人だったけれど、ロニートが街を去って残されたエスティは男友達のデビットと結婚。ロニートの父、偉大なラビ(聖職者)が亡くなり、葬儀で帰省したことで再会、やけぼっくいに火がつく(それはそう)ドヴィッドが所属する超正統派は働かず、政府から支援金をもらって祈り、ユダヤ教を学ぶために一生を捧げる。妻は黒い服をみにまとい、地毛をカツラで隠す等戒律が厳しい。
同性愛をテーマにした映画にしては、バッドでもハッピーでもなく、グレーな終わり方。希望があるといえばある、ドヴィッドの諦観と優しさにふたりは救われるのかもしれない。ベッドシーンは非常にリアル。セバスティアン・レリオ監督は「ナチュラルウーマン」でアカデミー外国語映画賞を受賞している。裏切らない制作陣と、プロジェクトを指揮したワイズにも拍手を送りたい。女の自由意志と気高さを、レズビアンの在り方、抑圧と選択の描写が素晴らしい。ドヴィッド役のアレッサンドロ・ニボラが「フェイスオフ」の靴紐の弟だったのが嬉しい驚きであった。
試し読み「マイ・ブロークン・マリコ」
試し読み「エゴイスト」
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私に絵心があれば、I Love Bad Movies!レベルの映画ZINEをつくりたいところ。2022年の文学フリマに一般参加したさい絶食三平さんのクリントイーストウッド本、マイケルベイ本を読んで刺激され、自分もやってみよう!となりました。映画ファンのみんなもぜひ気軽に本を出してほしい。
表紙素材 Unsplushより
https://unsplash.com/s/photos/movie
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