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「脳裏に浮かぶ景色」と本来の自分

私には、秋を感じるようになるとふと思い出す
忘れられない景色が「3つ」あります。

それはどれも、共通して
「一人で静かに遠くを見つめる」
という景色。


一つ目は、高校生の時に
放課後、非常階段から見た「落雷」


福井県の11月は、天気がすごく不安定で
空の半分が晴れているのに、
もう半分は分厚いグレーの雲に覆われ
雨が降っているというようなこともよくあります。

あっという間に天気が変化するのが11月であり
落雷と虹のシーズン。

その高校生の私も、
半分夕焼けで、半分は雨が降り落雷が遠くに見える
そんな景色を同級生の男の子とみていました。

あまり話したことのない男子でしたが
自分より賢く、大人びているのを知り
全然タイプではなかったものの
「男性のかっこよさ」をふと感じた一瞬でした。

「人は中身をみないと、かっこよさなんてわからないな」

そう思った瞬間でした。



思わぬ出来事と感情は結びつきやすい


そして二つ目は
失恋したときに一人で訪れた、秋の公園


そこは昔、家族で出かけてたくさん遊んだ経験のある
広々とした原っぱです。
保育園のころからなじみ深い場所で
なんとなく、寂しさ漂うくらいの広大さ。


そこに自分で車を運転していきました。
1人で行くのは初めてで、
地図を見ながら言ったことを覚えています。


ひろばにつくと、大きな落葉樹の葉がたくさん落ちていて
来訪は私一人。


静まり返る公園に、かさかさした足音の繰り返しが
自分の心を穏やかにしてくれたのを覚えています。


黄色やオレンジ、赤の葉っぱと
枯草の匂い、
そして秋のグレーの空と寂しげな公園。


すこし異世界のような、神秘的な場所で
「一見悲し気な風景でも、場所によって、心が落ち着くって、あるんだ」
「なんの条件もなく、好き場場所ってあるんだな」
という思えた景色でした。



匂いも記憶とかかわりが深い


そして3つ目が
私の通った大学の、シンボル棟の8階から見る景色。

学生時代、心理学科に在籍しながら
教員免許を取得するため
学部の講義受講が終わってから
夜は21時まで「模擬授業」の練習を仲間としていました。

講義を終えてから、模擬授業がはじまるまで
少し時間があるときは
8階のラウンジで一息ついて遠くの街を眺めていました。


心理学科の在校生が取得できる教員免許は
「社会」と「特別支援学校」
まわりは男性ばかりで、同期の女性はいませんでした。
行動は、ひとりで行動するのが多かったけれど、
性別を超えた話ができる仲間を私はここで、みつけました。

女性としても扱ってくれたけど
脳みそ同士は、性別なんて関係なかった。
もともと、控えめでかわいらしい性格ではない私は、
本音で率直に話ができ
そして男性の中の、「行動を縛らない自由さ」を感じました。


名古屋市に住んでいた私は、
遠くの方に名古屋の市街がみえるのを
「自分の未来への希望」と重ねていて
これからどんな世界が広がるのか
ワクワクしていたのを覚えています。

夕焼けに染まる街並みに、
私はこの時間から、「本当の自分」にもどり
やりたいことに集中できる時間なのだ
と「自分のサイクル」を知りました。



アカデミックな場所は、精神が自由です


あの頃は、飛行機で広い世界を回ることを
夢見ていました。

よくわからないけれど、英語も全く話せないけれど
そして「何で」そうなるかはわからないけれど
私は飛行機に乗って、夕焼けの景色を見ながら
「自分」を武器に戦っていく、と感覚で思っていました。


それは小さなころ、家族で聞いたラジオ
「ジェットストリーム」や
図書館の児童書の本をすべて読み終えて
路頭に迷ったときに現れた
「シドニィ・シェルダン」の本の中のワンシーン
アメリカの街並みへの憧れかもしれないけれど


秋になるとふと、思い出す景色と共に
自分らしくパワーをもって生きる生き方に
立ち返りたいと思います。


昔から「人とは違う」ことで悩んだこともありました。
・どうして、みんなみたいに間違っていることを飲み込めないのか
・どうして、みんなみたいに同じ場所で生きられないのか
・どうして、みんなみたいに
「結婚して、子どもを育て、女性として母として生きられないのか」


おとなしくないといけないと、誰が決めたのか
子どもを育てないと、一人前ではないと、誰がそう思うのか
できることをできると、世界をよくするためにすることは何が悪いのか


思い出す秋の景色に
どこか「リセット」がかかったような気がしました。




あなたの、「脳裏に浮かぶ風景」はどこでしょうか。
そしてそれは、どうして今も心の中にあるのでしょうか。



いつもあなたのそばに、ユキラボ

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