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買い物アレルギーな女~後編~

久々の長編、是非前半戦からご覧ください。

是非!というほどのこと書いてませんけども
今年もよろしくお願いいたします(再)



苦手な買い物に加えて、優柔不断な恋人タミオ君の言動に疲労し、お金を使うことや使わせることの罪悪感に潰れ、家計簿共有アプリを面倒くさそうに拒否する恋人の表情にとどめを刺されて涙する40歳独身女性のお話です。


大きな優しい手で私を包んで撫でて、落ち着かせたタミオ氏は何も言わずに私に寄り添って座った。

私も時間をかけて、泣きながら思っていることを伝えた。



私は昔からお金を使うことになぜか必要以上の罪悪感があって、大きな買い物をすると疲れてしまう。
しかもそのほとんどをタミオ君が出してくれていて、でも二人とも働いて一緒に住んでるんだからタミオ君だけに負担をかけるのは違うと思っているし、お金のことで揉めたくないから お互いの負担が相手にわかるようにはしておきたい。自分で必要なものを買うんでも、高いものなら先に相談するし、これはお金のことだけじゃなくて、タミオ君にもタミオ君の家族にも、安心してもらえることはできる限りやりたいと思っている。

面倒くさいなら(家計簿アプリは)登録しなくてもいい。私がかかったお金を返すと言うのをタミオ君が望んでいないことだってわかってはいるけれど、私は何でもかんでもタミオ君に払ってもらって当たり前だとは思いたくないし、共働きだからこそできることをしなくなったら、私は自分に子供ができない原因があることの罪悪感から逃れられない。
でもタミオ君が欲しいというものを全て許可していたら私もやっていけない。だからどうすればいいかわからなくて苦しい。

御子


御子ちゃんがなぜかお金を使うことに抵抗があるのは知っている。俺は自分が払うつもりでいるから、御子ちゃんは基本的に払わなくていい。もし必要なものでも重なって買うのに困るようなら言うし、光熱費だって払ってもらっている。それ以上に、ごはんや掃除や洗濯や、やってもらっていることの方が多いんだから、それをお金で返してる部分もある。
それに買い物は俺にとってストレス解消でもあることはわかってね、それが御子ちゃんのためにもなる ってことになれば最高でしかないんだから。
とりあえずOshidori(家計簿アプリ)の使い方教えてもらおうかな、ちゃんと入力するから、もう泣かないで。

タミオ


結局あんなに怯えていた銀行やカードの連携もしてくれた。

落ち着いて、残りの片付けもして
お風呂に入って、布団に入った。

だいぶ遅れて寝室にタミオ君が来た頃には私は半分寝かかっていたけど、一緒に布団に入ってからタミオ君が改めて

『御子ちゃんごめんね、また悲しませるようなことをしてしまった。ギューさせて。』と言った。

私は頷くので精いっぱいで
やっと引っ込んだ涙を再び垂れ流しながら、潰れそうなぐらいギューされながら、そのまま寝た。


よく寝た。



翌朝、目はパンパンに腫れたけどスッキリしていた。

そのパンパンに腫れた目で

正月3日。
タミオ君の実家にお伺いした。



タミオ君の実家近くにあるニトリにリベンジして
前日買えなかったラグマットとコタツ布団も買えた。


おばあちゃんが亡くなって喪中だったから、親戚が集まるわけでもなく、妹も帰ってきていないし兄貴も出かけていたので両親のみ。
一緒にお寿司を食べて、今年もよろしくお願いしますのご挨拶をさせてもらった。



去年もお正月は3日間休みがかぶっていたけれど
流石にお正月は敷居が高い、と
まだ付き合って間もなかった我々は初対面にそのタイミングを選ぶことを躊躇して、結局諦めた。


お正月にお邪魔できるぐらいの仲になれたんだな、と実感して 嬉しかった。

お父様もお母様も、帰り玄関の外まで見送りに来てくれた。
佃煮の詰め合わせを持たせてくれた。

まだまだ家族ではないけれど、少しだけ近づけたような気がした。



3日は、夜ご飯を私の友人とご一緒する予定があったので
帰ってから集合時間までのあいだに、コタツとラグマットを組み立てた。

居心地の良いリビングに近づいて、二人で満足した。
心配していた厚めのラグマットには一切躓かないけれど
少しだけ大きくなったテーブルの角に、二人とも何度も膝をぶつけている。


予測していた心配なんて案外起きなくて
起こることはいつだって想定してなかった事だったりするよね

何に関しても。



夜ご飯を共にした私の友人は、交際当初から逢瀬を許してくれている同級生の男子。月1ペースでのランチはタミオ君との交際後も続いていて、お互いがお互いに会いたがっていたので やっと叶った会合である。

二人ともとても楽しそうだった。
人見知りのタミオ君も、意外によくしゃべった。

お互いが知らない私のことを伝え合ったり確認したりしていて、二人して別の視点で私を褒めちぎるので大変恐縮だった。


私はタミオ君に気兼ねなく話せる友達を増やしたい という意図もあったので、ちょっと立ち位置的に微妙ではあるものの同世代の知り合いができてうれしい気持ちもあった。

唯一会うタミオ君の友達とは、あまり恋愛や結婚の話はしないようなので、私の友人が根掘り葉掘り聞いたり話したりしてくれたおかげで
私もタミオ君の気持ちを知る機会にもなった。


(メモ)私の好きなところ
優しい
尽くしてくれる
自分が自然体でいられる





『次はうちで鍋しよっか』Byタミオ

『合格ってことだね!』By友人


判定を下されるのはタミオ君のはずなのに逆転している。

確かに【お家で鍋】は友人の方から最初打診されて私が断った。
まだタミオ君のご両親も呼べてないし
なんせタミオ君にとっては初対面なので、いきなり家に呼ぶのは気が引ける。
タミオ君は『御子ちゃんの友達なら悪い奴なわけがない』と言ってくれたけど、『もし本当にタミオ君が直接会ってもいい奴だと思えたら、次はこっちから呼んであげよう。』って約束していた。



そのことを覚えててくれていた。



自分が仲良くしている友人に会ってもらえることも
友人と恋人が仲良くなることも
なんだかとても嬉しい。

もちろん双方がそれを望んでいるケースでしか実行はしないけど、私も機会があればタミオ君の友達に会いたいと思っている。

タミオ君がどんな人とどんな風に仲良くしてるのか知りたいし、私の知らないタミオ君の一面を教えてほしい。


まだまだお互い知らないこともたくさんあると思うけれど、ここまで1年半かけて積み重ねてきた信頼関係や愛情は、ちゃんと積み重なってるんだなと実感できた4日間だった。


楽しいことばかりでもなかったけど
だからこそお互いの気持ちも伝え合う機会もあって、絆が深まったような気もしてる。

今年も二人で楽しく仲良く暮らせますように。

Let's 紆余曲折!


そしてここまで我々をいつも見守ってくれた皆様にとっても、2023年が良い一年になりますように\(^o^)/

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