メンタルを自分で保てる女


私はよく人間のスイッチが切れる。


何もできなくなって、何も考えたくなくなって、立っているか座っているか以外のことができなくなる。

スイッチが切れる要因は大体決まっていて
「家族と長く一緒にいすぎること」

特に「母親」と、一緒にいすぎること。


典型的な過保護で過干渉な母親は
必要以上の責任感と自分ルールで
私を含めた三姉妹とその息子の世話を過剰に焼く。

自分がいないとダメだと信じてやまないし
実際妹たちはそう思ってるかもしれないけど、おとな一名個人の生活をしている私にとっては、必要以上の手を焼かれてしまうことにずっとストレスを感じていた。


もちろんありがたいと思う気持ちもあるし
素直に従うことが親孝行の一環なのかもしれないけど

歪んだ私は、
自分で自分の生活の世話を焼けないことや
自分のことを自分で決められないことに
どんどん縛られて動けなくなっていく心と身体が苦しかった。



もう一つ母が信じてやまない方位学に乗っかって
唯一母が許してくれた、実家から目と鼻ならぬ目とまつ毛ほどの距離にあるマンションで一人暮らしを再開させたのが1年前。


当時は、そんな距離感でも物理的に離れて
一人の時間や空間ができることに心底ホッとしたのを覚えてる。

だが実際は、そんな距離だからこそ
これまでと生活はほとんど変わらなくて

呼ばれて一緒にご飯を食べたり
私よりは少し離れた近場に住んでいる妹の家に
当たり前のように行き来して
私も当たり前のように呼ばれては居座って


出かける予定を犠牲にしてまで、ではないものの
出かける予定がない日に家族と一緒に過ごすことは当然 という我が家の風潮と母からの圧力により

仕事が休みの日でも、自分の家でゆっくり一人で過ごすなんてことは

この1年で1度だけ、あった気がする程度。


妹の旦那様たちは土日休みじゃないので
甥っ子たちも私が行けば喜んでくれるのはわかっている。

私だって楽しいし嬉しい。それは大前提。


家族と一緒に過ごせることはありがたいし
それは至極当たり前のことではないし
可愛くて仕方のない甥っ子だって、いつまで一緒に遊んでくれるかわからない。

可能なうちに、味わっておくべきだと言い聞かせながらも

予定の確認もされずに
「姉ちゃんがいるからいいよ」と母が妹に口走ってしまうことや
当然のようにどちらかの妹の家に行く予定が立っていたり

一緒に行きたいかどうか の打診ではなくて
いつ行くかの打診しかしてもらえなかったり

明日はゆっくり寝てればいい、と前日に言われたのに
翌日早朝から電話が来たり


行ったら行ったで、一緒に過ごすことが当然なので
先に帰ってくることもなければ
帰りたい素振りでも見せれば
私だけが自由人のような言われ方をして


やりたいことやればいい
自由に過ごせばいい

って、母に言われることが腑に落ちない。


家に帰ってやりたいことなんて
掃除や料理や洗濯や、本来「やるべき」日常の事であって

家に帰ったって、自由だと感じたことはほとんどない。


私は
ただ自分の家に帰ること
自分の日常を守ること に

ずっと罪悪感を抱きながら生活をしていて

気持ちがずっと休まらない。



母に呼ばれて指示されて向かった妹の家で

甥っ子が寝て
ばあば(母)も寝て
妹が家事をしているのを横目に

なぜ私はここにいるんだろう、と感じることも多い。


わざと布団を干してから向かって
夕方布団を入れたいという理由をつけて帰ったり

理由がないと自分の家にも帰れないのか私は。


一緒にいればご飯を食べるのも当たり前
甥っ子がお風呂が出てくるのを待ち構えるのが当たり前

「お風呂入るから○時に戻ってきてくれればいいよ」なんて
当然のように言う母に


「戻ってこなきゃいけないの?」って思っても

それを口に出すことで
妹の家に来ることや、甥っ子と過ごすことが嫌だと 本人たちに捉えられてしまうのが不安で言えない。




母はいつだって
当たり前のように妹の家に行くし
当たり前のようにそこに私も呼ぶ

甥っ子の母は妹であって
私がいなきゃいけないわけでもないし、母がいなきゃ生活が回らないわけでもない。


甥っ子と一緒に過ごすことが嫌なわけでもなければ
妹のことを助けてあげたいという気持ちもあるけど

それを本人からの要望ではなく
母の指示で動くことが嫌だった。


私は私の生活も守りたいし
私の気持ちや時間も大事にしたい。

それを、「母にとっての当たり前」で
優先できないことが苦痛で
そう思ってしまう自分がとてもわがままに感じて

家族と一緒に過ごす時間が、どんどんつらくなる。



帰り際に母が「すいませんでした」というのもすごく嫌だし

拘束して申し訳ないという気持ちがあるなら
まずは私の予定や気持ちを聞いてほしい。

もしくは私や妹たち本人が望むまで、放っておいてほしい。


母に指示されずに、甥っ子と過ごしたいし
自分の都合も考えて、行き帰りの時間を決めたい。



それを話しても、
「アンタは自由なんだから自由にすればいい」と言いながら
何事もなかったように 当たり前 に戻ってしまうのが耐えられない。


自由ってなに?

高いお金を払って自分の部屋を借りて
ろくにその部屋で過ごす時間もなくて

近くにいるから当たり前のように一緒に過ごす家族の負担を減らすために、言われるがままに 母の責任感に合わせた時間で、一緒にいること?


帰る場所があれば、そこにいる時間が短くても自由なの?

長女だから
大黒柱だから
家族のために動くことが最優先なのは当然で

自分の家の事は後回しなのが当然で

母もずっとそう過ごしてきたことは知っているし
毎日今でも愚痴ばかりを聞いているからわかるけど

同じことを娘に強制するのが 愛情?

私がそれに従い続けることが親孝行?



そんなことが頻繁に繰り広げられるので
そんな状況に陥ったり
私が我慢できなくなって口にしたことで母親と揉めたり

確かに「帰る場所」として存在している自分の部屋に到着した途端に、すべてのスイッチが切れてしまうことも

平日休日問わず、よくある。


その詳細を、私は恋人に話したことはなくて

先日初めて、その全貌やきもちの部分を 聞いてもらった。



***************


我慢して耐えている姿を見るのは辛いし、ちゃんと気持ちを家族に伝えた方がいいって言ってた。
家族の絆はそんな事では壊れないって。


大好きだからこそ、なんでもかんでもやってあげたいという気持ちについては、「お母さんの方の気持ちがわかる」らしい。


無言の圧力による生活の拘束については、ストレスに感じることも理解してくれた上で、私が単純に楽しく甥っ子と過ごしているだけだと思ってたから、気付いてあげられなくてごめん と言っていた。


実際のところ、私のストレスの原因が家にあるだなんて
家族ですら誰も気付かないんだから気付くはずはないと思うし仕方ないんだけど。



今までこのことを相談してきた誰もに言われた、「離れた方がいい」とか「距離が近すぎる」ということは一切言わなかったし
どちらかというと、今の状況で何とかしてわだかまりを消そうという考え方。


それでもどうしてもだめだったら、少し家から離れたところで一緒に暮らそうって言ってた。


話し合って解決するならそれが一番いいけど
きっと想像以上にタミオ君の家が、理想的な家庭で

仲良しで、ちゃんと適度な距離感もあって、ずっと一緒にいるのに親にちゃんと感謝してる。本当にしてる。ビックリするぐらい。



私は仲良しかもしれないけど

必要最低限の距離感がなくて
それ故に感謝すべきことまでも感謝できなくなっている

それが嫌で
母親を嫌いになってしまいたくなくて
距離と言えるほどの距離も確保できずにそれでも出たくて家を出たので


理想的な家庭で
今の今まで幸せに暮らしてきたタミオ君だからこそ
私の話を素直に否定もせず受け止めてくれるけど

だからきっと「どうにかなる」って思ってると思う。


話し合いで解決しないこととか
家族の絆にヒビが入る可能性もあることとかは
あまり想像の中に含まれていない気がしてる。


今まで何度となく
反対されようが押し切ってでも家を出るべきだとか、夜逃げ同然で引っ越すぐらいのことはした方がいい というような強行突破意見を浴びてきただけに

タミオ君が言ってくれる

気持ちを伝えてわかってもらう、家族の縁は簡単に切れないから大丈夫、という前向きな言葉は安心感があって
話しているだけで涙が出た。



良い意味でも悪い意味でも まるで中学生のようなタミオ君が、どれぐらい現実的に考えてくれた上での発言なのかはわからないけど
【でもどうしてもだめだったら】 っていう提案をしてくれたあたり、少しホッとした。

でも一緒に暮らすのはもうちょっと冷静に考えよ、って言っときました。

お金も時間もかかるし、絶対方角で揉めるし、お互いの仕事もあるし。
ギリ冷静。




とりあえず私は自分のメンタルを自分で立て直す女でいたいので
昨日はそういう努力をした。


無駄に居座る時間を削ってちょっとだけ早め(と言っても夕方だけど)に自分の家に帰って
母と一緒にご飯を食べないとか、ちゃんと手をかけてお弁当を作るとか、お風呂にお湯溜めてゆっくり入って早く寝る。


私は自分の精神が崩壊しても、そういう生活が出来ればちゃんとメンタルは持ちこたえるということを知った。

そういう「自分のための生活」ができないことにストレスを感じることも、そうしたいと思ってしまうことに罪の意識を感じてしまうことも、たった1日でもそんな日を取り返せば、ちゃんと復活できることも知った。

HSPあるあるかもしれない。

私がHSPであることを認識してほしい、という方向で家族に話せばいいのかな。




私は自分の心が折れた時に、できるだけまだ今は、タミオ君にすがりたくない とどこかで思っていて(きっとタミオ君はそうして欲しいと思っているはずだけど)依存したくない っていう感じ。

依存は怖いから。
きっといつか、相手のことも傷つけてしまうから。


頼るとか、甘える、とは違う。


心が自立してないと、正常な判断が出来なくなる気がして。

弱い部分や傷つく部分がとてもよく似ているタミオ君と、共倒れしてしまう気がして。


決して頼りがいがあるとは言い切れないぐらい
弱い部分のほうがもしかしたら多いかもしれないタミオ君ですが

私は自分が穏やかでいられる相手を、選んだつもり。


なんでも話せて、なんでも聞けて、ちゃんと答えてくれるタミオ君と、これからもたくさん話し合って分かり合っていきたいと思っているし

これからもそばにいてほしいと思う気持ちは変わらないけど


ずっと一緒にいるために

強がらずに、弱さを口にしたり寄りかかったりはしても
根本的には自分がちゃんと自分の力で立っていられる女でいようと、思うんでした。


決意表明、終わり。

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