他人と暮らすことは大変でとても楽しい話
豆腐ハンバーグは美味しかった。
レンコンを刻んで入れると食感も良き。お弁当用に小さいのも作って冷凍しちゃってあるの、私ってば最高。
そんなことはいいとして。
二人のおうちに引っ越しが終わったのに
ご飯やお風呂を実家で済ませてくる恋人タミオ君に多大なるぴえんを感じていた私でしたが
ご飯は食べるけど、お風呂はやっぱり実家で入ってくると告げられたあの日、結果的にタミオ君は「家でお風呂に入る」と連絡をよこして帰ってきた。
思わず 家ってここだよね? って聞いちゃった。
帰ってきたタミオ君は、なぜか『足だけ家で洗ってきた』と言い、脱いだ靴下を明日また履くと言って作業着をお風呂で洗った。
意味わからんと思うだろうし、私もその時は意味わからんと思っていたが、これもまた結果的に理由があってのことだったのは後日わかる話。
それでも直接家に帰ってきてくれて、実家と同じようなルーティンをこなすようになった事実に、私はホッとしたりした。
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土曜日は、私のお誕生日だった。
タミオ君は仕事で私は休み。夜はご飯を食べに出ようと言ってくれたので、私は昼間旧マンションのお掃除や、父のマイナンバー申請SOSを対応したりして 早めに帰ってきてくれたタミオ君と、近所のパスタ屋さんに行った。
そのお店は、まだ我々が交際を開始する前、初めてのデートで行った場所。いつかの記事にも書いたけど、17時に店について18時には解散した絶望的なデートだった。小学生ですらまだ遊んでいる明るい夕方、私は颯爽と車から降ろされて自由の身となった。
今思えばあの時の衝撃と、お互いの意思を確認するきっかけになったことにより追々交際に発展したといっても過言ではない。
初めてのお食事デートで撮った写真は、タミオ君がパンを切ってくれる手だけだった。同じ角度で写真を撮った。あの時とは違うお互いの環境や気持ち、パンを切る愛おしい手には今やお揃いの指輪が装着されている。
特別お祝い的なことをしたわけではなかったけど、なんだか幸せだなと思った。
パスタを美味しく食べて、当時と同じく小一時間で家に帰る。でも今はふたりのおうちに一緒に帰る という事実をそっと実感する。
翌日曜日は、タミオ君がお休みで私が休日出勤だったので
お昼ごはんを用意してお風呂に入って、母が父のお金で買ってくれてあったケーキを一緒に食べた。そしてその時に、『実はプレゼントもあるんだ』と言って、いつ用意したんだかわからない可愛いネックレスをくれた。
どうも そのネックレスを買いに行くために、前日実家でお風呂に入る時間がなくて、どうしても気持ち悪い足だけ洗って買い物に出たらしかった。
なぜ実家でお風呂に入ってくると言ったのに気が変わったのかと聞いた時『いやちょっといろいろあって…』とタミオ君は言っていた。
私は実はてっきりこのnoteがバレていて、私の心情を読んでいるんだと思い込んでいた。どこまで直接伝えようか考えながらも、様子を伺っていたので 結局伝えなくてよかったけれど
仕事場から直接帰ってきたタミオ君を、私は我ながらちょっと恥ずかしいぐらい嬉しそうに出迎えたので 気持ちは伝わった(と、思う)。
*****
日曜日、毎年お誕生日を祝い合っている唯一といってもいい友達と もし連絡が取れたら、夜はその子とご飯を食べに出るかもしれないと宣告された。
そもそも連絡がつくかどうかわからないから、決まったら連絡するね と言われていて
それまでの昼間、タミオ君は兄貴の都合がよければ手伝ってもらって一人では運べないテレビやテレビ台を運搬する予定だった。
もし飲みに行くならそのまま実家に泊まってきてもいいし、タイミングが合えば迎えに行くよ、なんて話もしてた。
兄貴が本当に手伝ってくれたら、食べきれなかったお誕生日ケーキを一緒に食べたらいいよ と伝えて私は出勤した。
休日出勤はいつも決まった時間に仕事が終わらなかったり、現地でトラブルが起きると解決するまで帰ってこれなかったりして
初回の出勤時に終電で帰ってくることになった思い出もあり、私も状況が分かり次第連絡を入れる約束をしていた。
お昼の時点で、予定より作業がスムーズに進んでいてトラブルもなくて、今日は早く帰れそう!という連絡を入れていたんだけど、なかなかタミオ君からお友達と連絡が取れたのかどうかの結果報告も含めて連絡が来なかった。
予定よりだいぶ早く、15時半頃仕事が終わったので
私から『お友達とは連絡取れた?』と聞いたところ、『17時から飲みに行ってくる』とお返事が来た。
その時タミオ君は兄貴と一緒にちょうどテレビを運び終えたところだったみたいで、仕事場から家までは30分程度だし、会えるかな どうかな と思いながら家路に着くわけだけど
仕事も早く終わったし、迎えに行けるからね って連絡もなかなか既読にはならず
家に着いたところ
仕事の用意も車もなくなってたので
『今日は帰ってこないってことだよね?』 と確認したところ
『御子ちゃんは遅くなると思ってたから今日は実家に泊まる方向で考えてた。帰ってほしい?一緒にご飯食べたい?御子ちゃんを悲しませたくないから、どうしたいか聞かせてほしい』と言う。
『遅くならないって連絡入れてたのに、なんで遅くなると思っちゃったのかわからんけど、私は予定が決まった時に教えてもらえたらそれでいいよ。ご飯とかお弁当とか、どうしても気になっちゃうから。今日はせっかくお友達も会えるなら気兼ねなく楽しんできて欲しい、が希望かな。』
と伝えた。
私が早く帰れると伝えたことはスッカリ頭から抜けていたそうだ。タミオ君は一つのことが目の前に迫ると他のことが考えられないタイプだ。
思うことはいろいろあったけど、約束の時間も迫っていたし、今あれこれ言っても仕方ないなと思って
『楽しんできて!連絡待ってるよ〜』と伝えて、私は私で空いた時間を有効に過ごすために買い物に出て、夜は簡単に食べられるご飯を用意していたところ なんとタミオ君が帰ってきた。
ノンアルコールにしたらしい。
タミオ君もお友達もあんまり喋る人ではない みたいだけど、本当にただ一緒にご飯だけ食べて帰ってきた模様。
せっかくなので一緒にお風呂に入って
お友達との話を聞いたり、改めて私の気持ちを伝えたりした。
連絡が欲しいの意味について。
黙って聞いてたタミオ君は、湯船の中で『うん』と返事した。
本当にわかってくれたかどうかは今後の動きでわかるし、ちゃんと話せばわかってくれるはず。今までだってそうだった。
翌日、タミオくんからは仕事のお昼休みに
『明日は御子ちゃん弁当お願いします!今日は19時までには帰れるからね。』
と連絡が来た。
ちゃんとわかってくれた。
しかし私の仕事が忙しくて、タミオ君が帰ってくるまでにご飯の用意は間に合わなかったけど、ご飯とお弁当を用意してる間にタミオ君はお風呂に入っちゃって、食べた後は私がお風呂に入っている間にタミオ君が片付けてくれて
向き合いながら寄り添いながらうまくやっていく、ってこういうことだな と思った。
タミオ君は他人と暮らしたことも、一人で暮らしたこともない人だから、イチイチ腹を立てていたらきっと持たない。
それを仕方ないと思える度量の大きさ(自分で言う)と、それでも自分が無理せず今後も仲良く暮らしていけるように思ったことはちゃんと言う ことから逃げなかった自分を褒めたい。
他人と暮らす大変さと、楽しさを、ちゃんと味わえていて 感無量。
幸せな40歳の幕開けでした。
お誕生日ありがとう。
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