【走り尽きた両チーム】Jリーグ第10節 横浜F・マリノス×ヴィッセル神戸
走り尽くした選手たちに大きな拍手をおくりたい👏
そんな心撃たれる、そんな気持ちにさせてくれる90分を両チームの選手たちが見せてくれた。
マリノスは前節から8人の選手をスタメンに入れ替えたようだ。
前節レイソル戦で退場者2人と怪我人の影響、また過密日程も加味しての人選だろう。
神戸もマリノスと似たような状況で、どちらのチームも台所事情が難しい中の一戦となった。
今季のマリノスと神戸の戦いぶりもよかったらどうぞ!⬇︎ ⬇︎ ⬇
前に出たヴィッセル神戸
アウェイの神戸がゲーム開始から勢い持って前にでた。
マリノスの後方からのビルドアップに対して、DFラインを押し上げて前のめりのプレッシングで襲いかかる。
前節マリノスはビルドアップ絡みのミスから失点したことも踏まえて、神戸はこんな振る舞いをゲーム開始からしたはずだ。
4-4-2の陣形でプレッシング。中盤4枚も積極的に前へ。中盤センターの扇原と山口もマリノスのペナルティアークまで出る前のめりっぷり。
前のめりになれば当然背後は開くが、マリノスの選手はその勢い持った神戸のプレッシングに押されてそこまでボールを運べない。
神戸の圧力に視野を狭められて、奥が見えない状態になっていたと表現した方がいいかもしれない。
神戸は思惑通りマリノスのビルドアップを高い位置で引っ掛けて、シュートに持ち込むシーンも。
マリノスは神戸の先制パンチプレスをくらい、ゲームの序盤こそビルドアップが落ち着かなかったが、少しづつ慣れも生まれ、しっかり相手の構造を把握しながらボールを前進していった。
中盤レーン移動とライン間
ヴィッセル神戸の前のめりの4-4-2プレスアタックに対して、マリノスの中盤センターがサイドへのレーン移動でボールを前進させた。
中盤のスタメンは新加入の藤田と、ルーキーの山根。山根がサイドまで流れてボールを受けて前向きになると、中央に待つ藤田のパスワークで前進するシーンは前半の印象的なプレーだった。
また前線の西村とロペスは縦関係になる。ロペスの後ろに位置どる西村が4-4-2の泣きどころである、DFラインと中盤の間(ライン間)でボールを受けるシーンもではじめた。
中盤のレーン移動と、西村のライン間受けで前進するシーンを作ったマリノス。少しづつ神戸のラインが下がり始めて、マリノスが押し込む状況に。
そして前半38分左のCKから西村が頭で合わせて先制。西村の移籍初ゴールで先制したマリノスが前半リードで折り返した。
フィニッシャーは誰だ?
リードしたマリノスだが、後半主導権を握っていったのは神戸だった。後半54分スペイン人の2人がピッチに入ると神戸の攻撃力は一層増していった。
前線の配給がサンペルとイニエスタによって明らかに倍増。DFラインがボールを持つとサンペルがボールを引き受けて、イニエスタも列を降りてボールを引き出し前進。
この時中盤の配置をダイヤモンドにした神戸。中盤4人なった神戸にマリノスの中盤は3人なので噛み合わせが合わずに少しづつプレスのずれが生じ出す。
またこの時大迫がサイドに流れてボールを引き受ける動きがマリノスにとっては実ににくかったはず。
前線からサイドに流れてボールを引き出して、ボールをおさめ、スルーパス、クロスとゴールへの匂いを漂わせる大迫。
日本代表ではストライカーとして君臨する大迫だが、神戸ではチャンスメイカーとしての色が濃く感じる。
それでは誰が点数取るの?そうだ、ココが神戸の1番の今の悩みの種の気がする。
サンペル、イニエスタによりビルドアップは安定し、大迫のサイドに流れるシーンでシュートシーンまで持っていく。
しかしそれを最後に仕留めるフィニッシャーがいない気がする。この試合もそんな感じで、神戸は最後まで点数を奪えなかった。
フィニッシャーが現れれば勝点は倍増しそう。大迫の役割を誰かに代役させて、大迫をフィニッシャーにするのか。やり方は色々あるはず。早いところこの悩みの種を神戸は消したいはずだ。
走り尽きた両チーム
得点を奪うべく神戸がより前に出る。扇原を左SBへシフトし、攻撃的な選手を投入。後方はほぼ2バック。残りの8人はとにかく攻める攻める。
しかしこれだけ前のめりなので当然カウンターリスクがある。
神戸が攻める。マリノスがカウンターを仕掛ける。そんな構図が残り10分激化していった。
後半ロスタイム。このオープンな殴り合いの中一発をお見舞いしたのはマリノスだった。
自陣でボールを回収するとカウンター。最後は西村がペナルティエリアで落ち着いて相手を振り切り右足一閃。この日2点目を決めて勝負あり。
ゴールが決まった瞬間、試合の死闘を物語るように両チームの選手が倒れ込むのは非常に印象的だった。
お互い攻める姿勢を貫いた90分。非常にエキサイティングなゲームをありがとう!
マリノスの気になる点
神戸の気になる点は先ほど述べた、フィニッシャーは誰だ問題。
そしてマリノスにもちょこっと触れておこうと思う。
マリノスの気になる点は、トランジションプレスとCBの運ぶドリブルだ。
この日は神戸を押し込んでも、トランジションプレスが決まらずに攻撃が単発に終わったように感じる。
分厚い攻撃はマリノスの特徴だが、トランジションプレスが決まらなければ当然カウンターを受けるリスクも高まる。それとボール保持率も下がる。
案の定この日は終盤神戸に多くの時間ボールを握られて、後ろに重い状況が続いてしまった。トランジションプレスが決まればそんな状況も減り、より楽にゲームを進められたかもしれない。
CBの運ぶドリブル
もう一つがCBの運ぶドリブルだ。前節同様に、この日のマリノスはGKやCBがビルドアップ局面でボールを引っ掛けてショートカウンターを受ける場面は少なくなかった。
そこで一つの解決策として挙げられるのが、「CBの運ぶドリブル」。
CBがフリーとなった場面では、もう少し運んで中盤を引きつけて前線の選手にボールをリリース。
マリノスのCBがこの試合、運ぶドリブルを発動しなかった訳でもない。しかしボールの離すタイミングが悪く、CBがボールを運んだが、敵陣で前向きでボールを奪われてカウンターを受けるシーンもあった。
CBの運ぶドリブルの精度が上がれば、もう少しマリノスのビルドアップ局面は解決していくかもしれない。
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