【AoE2:DE】ボヘミア篤信の効果と畑ボーナスを比較してみた
第二弾DLC、DotDで追加されたボヘミアは、"神聖と篤信の効果が町の人にも適用される"というボーナスを持っています。
神聖はコスト金120で体力+15、篤信は金140で移動速度+15%という効果で、町の人の移動速度アップは実質経済技術になります。
プロのプレイを見ているとすぐに神殿を建てて入れているのを見ることができますが、どれくらいの効果があるのでしょうか。
ベルベルのボーナス、手押し、荷車はどれも強力なので、ボヘミア篤信もやはり強そうです。
そこで今回はいろいろ比較してみようと思います。久々の攻略記事となります。
■検証
まずはデータを取って数値を出さない事には始まりません。
今回はいろいろな文明との比較もやっていきたいと思います。
・スペックと特徴
それぞれのスペックはこんな感じです。
手押しや荷車は食料木材で研究できますが、研究したいタイミングでは相当重く、また町の中心を使ってしまって町の人を生産できないという欠点があります。
篤信は神殿を建てなければいけない、金を消費するというデメリットがありますが、上昇幅が大きい、神殿は他のことにも使える、町の人の生産を止めなくていい、金が余りがちなタイミングは案外ある、というメリットがあります。
・効果を検証する - 方法
では実際にどれくらいの効果があるのでしょうか。
今回は食料、木材を10人ずつで10分集め、町の人一人が1分あたりに集める資源量をそれぞれ調べます。
状況は画像のように、一つの粉ひき所に8枚と2枚設置し、伐採所は2マス離してあります。最大効率にしないのは、城主で実際に起こりうる状況を作りたいためです。暗黒内政と違って、城主以降は最大効率で内政を行うことはほぼなく、そこに移動速度上昇が効いてくると考えました。
また、最初の入力と研究はトリガーで行います。技術研究をトリガーで行うのは、荷車有無の比較は時代設定で出来ないためです。城主技術全部乗せ、帝王技術全部乗せは、それぞれ帝王、帝王以降で行います。
対象は次の12通りです。
・手押し車+のこぎり(一般文明の城主序盤)
・手押し車+馬鍬+のこぎり(一般文明の城主中盤)
・荷車+馬鍬+のこぎり(一般文明の城主終盤)
・手押し車+馬鍬+のこぎり+篤信(ボヘミアの城主)
・手押し車+のこぎり+篤信 (ボヘミアの城主、馬鍬と篤信の比較用)
・荷車+馬鍬+のこぎり+篤信(ボヘミアの城主終盤)
・技術全部入りで、一般文明、アステカ、スラヴ、クメール、ケルト、ベルベル、ボヘミア(帝王以降)
これで荷車と篤信の比較、馬鍬と篤信の比較、ボヘミアとその他の文明の最終的な経済出力の比較ができるはずです。
備考として、一般文明枠にはブリトンを使用、ゲーム速度は2倍速に固定、帝王斧の有無まで性能比較に含める、金や石は木材を材料にしてなんとなく推し量るという感じで行きます。
■結果と考察
計測結果はつぎのような形になりました。詳しく見ていきましょう。
・篤信の性能と馬鍬との比較
今回見たいのは、まずは畑での篤信の性能です。
それぞれのシチュエーションで篤信を入れた時、どれくらいの効果があるのでしょう。関係ある項目を抜き出して並べ替えてみます。
馬鍬なしの篤信は+61、馬鍬ありの篤信は+80となっています。
10人で10分間集めたので、篤信によって町の人1人当たり+0.61F/m、+0.80F/mという計算です。
一般文明が馬鍬を入れた時の増加量は+16で、これは町の人1人当たり+0.16F/mになります。
ボヘミアが素の状態で篤信を入れた時の増加量が+0.61F/mですので、収集速度だけで見るなら馬鍬より篤信を優先すべきで、篤信は他の技術と相乗効果があることがわかります。
次に荷車が入った状態での比較をと思ったのですが、赤で塗ったところは綺麗に2299という数字が出てしまい、変化が見られませんでした。
これは資源を納めに帰る周期とタイマーをストップさせるタイミングが、ちょうど噛み合ってしまったためだと考えられます。他の行まで見てみると、ブリトン(=ケルト)、ボヘミア、ベルベルという、いかにも移動速度が関係しそうな文明で正しく測定できていません。
ここで分かるのは、大きな移動速度上昇の効果は高率の畑だと計測できないということくらいです。
・木材のみで比較する
食料の測定はあとでもう一度やるとして、木材だけでも篤信を比較しましょう。
馬鍬の有無という明らかにおかしな部分で木材に差があるのは、町の人2人がぶつかってロスが発生したり、木材保有量があと少しの木を複数人で伐り始めたのどの原因が考えられます。
AIの挙動で減ることはあっても増えることはないでしょう。ここは数値の多い方を採用することにし、関係のある部分だけ抜き出して並べ替えてみます。
この差は町の人が1回多く納めるかどうかという微妙な物ですが、篤信があることで、手押し車の時は0.6/m、荷車の時は0.8/mの上昇がみられます。
また荷車の効果はそれぞれ、一般文明は+1.5/m、ボヘミアは+1.7/mでした。
・篤信の効果のまとめ
篤信は他の経済技術効果を上げ、馬鍬より効果が大きく、荷車よりは効果が小さいことが分かりました。
篤信は神殿込みでコスト315で+0.6/m、荷車はコスト500で+1.5/mです。
コストに対して上がり幅が少なく弱く見えますが、神殿は早く建てても良いということや、コストの内訳や荷車よりも町の人を生産したいということまで考えると、篤信を早く研究するのはやはり正しいように思えます。
手押し篤信の場合、経済規模40人で約1人分の増加です。
そう書かれると微妙ですが、手押し+60人の時に箱一つに相当すると考えると、まぁそんなもんかなという印象です。
また、荷車との相乗効果にもなかなか期待できるのではないでしょうか。最終的に120人経済を構築して荷車と篤信が入っている時、箱3つ分の経済出力を得られます。
さらにボヘミアは採掘所の技術無料というボーナスも持っているので、篤信を早く研究することで中盤の伸びは数値以上のものが期待できます。
経済ボーナス単体としてみると若干物足りない感じがしなくもない、といったところですが、城主以降は広く陣地を使かったり、修理に駐留にとなにかと移動速度が効いてくる場面が増えますので、しっかりと有用なボーナスとして認識して良さそうです。
■(おまけ)畑に関するボーナス
では、移動速度の効果が出そうな方法で畑の効率を計測してみましょう。
・計測方法
画像のように、中心に20枚、3つの粉ひき所に10枚づつ、計50枚の畑を設置します。
トリガーで町の人を10人ずつ1枚の畑に仕事させるように向かわせ、2倍速で計測を開始します。
今回も10分間で見ていきたいと思ったのですが、前回の計測で誤差が出てしまったので、念のために12分目の値と、近い畑が枯れたタイム、そして遠い畑が枯れたタイムも取っておきます。
そして、畑が枯れたタイムの計測に輪作の有無が邪魔をするので、今回は輪作を研究不可テクノロジーに設定しました。
また、ポーランドは独特すぎて参考にならないため、今回は一旦省きます。
・結果
結果は次の通りです。
距離1、距離2は町の中心や粉ひき所と畑の距離が、近いか遠いかということで、距離1はいわゆる最高率の畑になります。この列は枯れた時の時間を出しています。
・考察
では気になったところをそれぞれ見ていきましょう。
まずは10分時点と12分時点での資源量です。やはり何回納めに帰ったかということで差がでているように見えます。
この列はおおむね予想通りの数字が出ましたが、ボヘミアとアステカを比べた時に、10分時点ではボヘミア、12分時点ではアステカが勝っているのが興味深いところです。
やはり10分で区切るというのは、誤った結果を出してしまう計測方法なのでしょう。
注目したいのは距離1の時間です。意外なことに、スラヴ以外は横並びという結果が出ました。
これに驚く人が私以外にも結構いるのではないでしょうか。
アステカやクメールと言えばスラヴに次いで畑にボーナスがある文明と認識していましたが、最高率の場合、馬鍬を入れた畑(食料375)を取り切るまでの時間はどれも並んでいるのです。
次に距離1と距離2の差です。
この差が小さいほど効率悪化の影響を受けづらいということで、これは中盤以降の経済力に影響してきます。
ボーナスを持たないブリトンで約1分もの差があり、当たり前ですがクメールはほぼノータイムとなっています。
ボヘミアとベルベルで比べると10秒ちょっとの差があるので、しっかりと移動速度ボーナスの効果が出ているのがわかります。
ところがボヘミア、アステカは両方とも同じタイムが出ました。
このデータを見る限りでは、移動速度15%と運搬量+3は同程度ということになります。
ほかにも距離1と距離2の差で興味深いのがスラヴです。
移動速度にボーナスを持たないはずのスラヴも差が30秒とボヘミアやアステカ並みに小さく、この数値だけを見るなら効率悪化の影響を受けづらい文明と言うことになります。
ただ、収集時間に対しての割合で見れば、15分30秒に対しての30秒と、14分10秒に対しての30秒ということなので、正確に言えば同等のものではないのでしょう。しかし頭がこんがらがってきたのでここまでにします。
・畑に関するまとめ
この表から分かることをまとめると、次のようになります。
補足的にそれぞれの特徴を上げるなら、ボヘミアとアステカを比べた時、ボヘミアは平均的な資源収集が望め、アステカは序盤から効果があるうえに研究不要という利点があります。これはベルベルも同じです。
クメールは収集速度こそ変わらない物の、効率が悪化しないために自由度が非常に高いという利点があります。
スラヴが異様に強く見えますが、畑にしかボーナスが効かないため、これくらいなら妥当なところでしょう。
アステカ、スラヴ、クメールは実装当初からそれぞれ弱体調整が入ってきましたが、こう並べてみると、良く考えられて調整されているのが分かります。
・最終経済出力(おまけのおまけ)
よく考えられていると言えば、1つ目の検証で気になったことをここに書いておきます。
それは各文明の帝王以降(F~L)の木材収集量比較です。
木材に強いボーナスを持つケルトが研究なしで1位、次に先進文明の扱いを受けるブリトン、ボヘミア、スラヴが並んで、アステカとベルベルがほぼ同等、クメールが最下位という結果が出ました。
微妙なばらつきがあるのは先述の通り、町の人のAIが毎回同じ動きをしないためで、正確な数字を出すなら畑のように規模を大きくしたうえで、何回も回して平均を取る必要があるでしょうが、大体こんな感じです。
ブリトンとボヘミアの差を見ると、これもまた町の人が一回資源を納めるかどうか程度の差しか出ていませんが、ブリトンスラヴに対してのボヘミア、クメールに対してのベルベルでそれぞれ差があるところみると、しっかりと効果はあるようです。
この数値は終盤の戦いやすさというか、兵の出しやすさの感覚となんとなく合致するのではないでしょうか。
なにかと影の薄い帝王経済技術ですが、しっかりと文明バランスに影響しています。当たり前のことですが、研究することである程度はケルトとの差を埋められるうえに、研究できない文明と差をつけることができます。
後半のボーナスはもちろん帝王技術の有無も、速攻文明と比べた時の終盤文明の明確な強みとなっています。
忘れずにしっかり研究していくことで、更にその文明の持ち味を生かすことができるでしょう。
■おわりに
今回はボヘミアの篤信から始まって、効率悪化の影響や最終経済力、検証方法の欠陥まで様々なところに話が及んでしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
書いていくうちに検証方法に問題が見かったために、前後に修正を加えながらの記事になってしまいました。
個人的には距離の要素を加えることで、効率悪化の影響をどれくらい軽減するボーナスかという見方ができたのが、特に嬉しかったです。
もうちょっと余力があれば、手推し車のみと荷車篤信をそれぞれ距離1から距離3で比較してより詳細な効果を見たかったところですが、これ以上やってるとこの記事が完成しないでお蔵入りになりそうだったので、ここでやめておきます。
ここから発展させた形でやるのであれば、全文明の最終出力を見るのも面白そうですが、しばらくはエディタを開きたくありません。
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