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【ボードゲーム】Through the Ages Steam版 ゲーム紹介

 今回は私がちょくちょく遊んでいるボードゲーム、Through the Ages(スルージエイジズ、以降TtA)の紹介記事を書こうと思います。

 TtAは、「これまでで3番目に優れたボードゲーム(BoardGameGeek、海外の大手ボードゲームレビューサイト)」と言われたほどのチェコ製ボードゲームです。

 アナログ版は重すぎることで有名なようですが、デジタル版がSteamで販売されているので、一人でも気軽に遊べます。AIの賢さやUIも良く、日本語訳も完璧です。

 本体価格は2000円。DLCも出ていますが、ほとんどすべてのカードが入れ替わる別ゲームとなるので、遊んでみて気になったら買うような感じで大丈夫です。スマホアプリにもなっているようです。

こんな人にはおすすめ

・戦略シミュレーションや4X系ストラテジーが好き
・シヴィライゼーションシリーズは好きだけど、1ゲームが重くてなかなかやる気に慣れない
・ある程度脳死でストレスなくストラテジー系ゲームを遊びたい
・一人でもやりごたえのあるゲームを遊びたい
・シドマイヤーでビルゲイツをボコボコにしたい

どんなゲーム?

 TtAは、シヴィライゼーションシリーズのフォロワー作品で、Civシリーズを簡略化しながらも、その複雑さや要素を体験できるボードゲームです。
 古代から近代にかけて、他プレイヤーに戦争を仕掛けて資源や研究ポイントを奪ったり、世界遺産を建てたり、植民地を獲得したりしながら自文明を発展させ、現代になった時にもっとも偉大な文明だったプレイヤーが勝利します。

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 Civシリーズの要素を体験できるとはどういうことかと言うと、マップ運によって戦略を決めていかなければならないだとか、指導者のスキルを上手く使いたいけどタイミングを逸したとか、領土を取りに行ったら手薄になって他文明に攻められただとか、そういった”Civあるある”が詰まっています

 TtAの良いところは、全くストレスが無いところです。良い立地引けるまで粘るだとか、ミスって絶望的な状態になったのでやり直そうといった時に、Civシリーズやそのほかの4X系ストラテジーゲームで感じるストレスがありません。

 1ターンもだいたい3,4手くらいで終わるのがよく、一部のイベントを除いてやり直し自由なので、ターン毎の最適解も見つけやすいのが嬉しいポイントです。
 それでいて、勝利した時には大きな達成感が得られますし、最後まで競ってぎりぎり勝つという展開も良く生まれます。

 ただボードゲームらしく、戦略ゲームにしては運要素が少々大きい点は、好みが分かれるかもしれません。
 欲しいカードが引けない、場に出てこないでやりたい戦略が頓挫する場合は結構多く、かといって柔軟に動こうとすると取り返しがつかない状況になってるゲームもよくあります。

 賭けに出なければならない、決断をしなければならないタイミングがなかなか見えてきづらいので、そういった部分ではシビアです。

まだゲームを買ってない人への簡単なルール説明

 チュートリアルは親切なのですが、それでは買ってない人はどんな感じか分からないので簡単に書いてみます。
 一応全要素に触れてみたので、ざらっと読んでみて面白そうであれば買ってみてください。
 なお、今回使う画像は上級AI2体との戦いです。

・勝利条件
 ターンを進めるとともに時代が自動的に進んでいき、現代になった時、もっとも文化ポイントを所持していたプレイヤーの勝利となります。

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・文化ポイントの入手方法
 文化ポイントは主に、自分の場に出ている建物から獲得する、世界遺産から獲得する、歴史イベントから獲得する、敵に戦争を仕掛けて奪う、といった方法で手に入れることができます。

・指導者と世界遺産
 各時代に一人、アリストテレスやジャンヌダルクといった歴史上の偉人を指導者に据えることができます。指導者は経済、科学、軍事、文化にまつわる特殊能力を持っていて、その能力を軸に戦略を考えていくことになります。

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 とはいえ毎度確実に好きな指導者を選べるわけではありません。
 狙っている指導者がなかなか場に出てこなかったり、敵に取られてしまったら、別の戦略を考えなければいけません。

 ピラミッドや万里の長城といった世界遺産も強力な能力を持っていますが、多くの資源と行動ポイントを消費するので、自分の戦略にあった世界遺産を獲得するのが肝心です。

・建物と資源
 資源は食糧、鉱石、研究ポイント、文化ポイントの4つです。
 食糧を得るには農場、鉱石を得るには鉱床、研究ポイントを上げるには研究所を発展させなければいけません。

 建物には農場系、鉱床系、研究所系の他に、幸福度を供給する教会、研究ポイントと文化ポイントを両方産出する図書館、文化ポイントを多く産出する劇場、幸福と軍事力を供給する闘技場があります。

 戦略シミュレーションゲームによくありがちな、結局すべてを研究することになる、というようなことはありません。
 むしろ、軸とする建物を定め、上手く立ち回っていくことが重要です。画像は幸福度の供給は世界遺産や植民地で賄い、工業と科学に振る戦略を取っています。

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・軍隊
 侵攻や戦争は軍事力の差によって勝敗が決まります。軍事力は軍隊、特殊技術、一部の指導者や世界遺産、植民地によって増加します。
 軍隊には歩兵、騎兵、砲兵、飛行機があって、設定した戦術カードに沿って軍種と数を揃えるとボーナスで軍事力が増えます。

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 敵の軍隊を消耗させる手段はありませんが、植民地の獲得には軍事力を消費するので、攻め込むタイミングが重要です。また、相手より軍事力が大幅に低くなければ攻め込まれないので、軍事力で経済を回さない戦略なら、最下位にならない、敵より軍事力の差を大きくつけられないことが重要になってきます。

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 やりようによっては古代の歩兵で近代のユニットに勝つこともできます。

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・人口と食糧と幸福度
 人口を増やすには食糧と幸福度が必要です。人口に関する仕様は複雑なので省きますが、人口を増やせば増やすほど、そして時代が上がれば上がるほど、多くの食糧供給と幸福度が必要になります。マイナスになると資源が一切供給されなくなるので注意が必要です。

・内政アクションポイントと軍事アクションポイント
 自分のターンの行動は、全てアクションポイントを消費します。基本1ポイントですが、世界遺産や場に出たばかりのカードを取る場合には大量のアクションポイントが必要になります。

 アクションポイントは、政治体制を研究ポイントを支払って変更するか、特殊技術を研究することで増やすことができます。画像は専制君主制を採用した状態です。白の玉が内政アクション、赤の玉が軍事アクションです。王宮が建っています。

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・植民地
 中世の時代、産業革命の時代では植民地を得ることができます。場に植民地カードが出た時、プレイヤー同士で競りが行われます。軍事力で入札し、もっとも高い軍事力を投入したプレイヤーが植民地を獲得します。

 植民地は経済を充実させる力を持っているので、可能な限り取った方がいいのですが、軍事力を消費するので同時に攻め込まれるリスクも増えます。

・歴史イベント
 それぞれのターン開始時に、プレイヤーは歴史イベントカードを山札に差し込み、山札の上から一枚プレイすることができます。歴史イベントの山札はプレイヤー達によって作られますが、他プレイヤーが入れたイベントを知ることはできません。

 歴史イベントは全プレイヤーに効果があり、資源がもらえたり人口を失ったりします。軍事力や文化ポイントによって効果が変わったりすることもあります。世界遺産を破壊するなどの効果もあるので、自分に不利な歴史イベントは入れないようにしましょう。植民地も歴史イベントの一つです。

 最終的にはこの歴史イベントで文明が評価され、大きく文化ポイントが変動することとなります。マリオパーティーのすごろくモードの最後の逆転劇を、プレイヤーがそれぞれ用意するような形となっています。

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戦略について

 今回のプレイで、私(緑色)は指導者にハンムラビ、ロベスピエール、アインシュタイン、世界遺産にタージマハル、エッフェル塔、ハンバーガーチェーンを選びました。

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 中盤に文化ポイントを産出する世界遺産を取って文化ポイントを稼ぎながら、ロベスピエールの革命スキルで立憲君主制に変更して内政力を拡大して研究所を充実させ、アインシュタインと研究によるイベントボーナスで文化ポイントを稼ぐという戦略です。本当は民主主義までロベスピエールで進むつもりでしたが、侵略を優先していたら時代が進んでしまって頓挫しました。
 軍事力が2位だったので、軍事力3位だったレッドを1位のイエローに襲わせて防衛力を消費させ、そのあとに攻め込む形で文化ポイントや研究ポイントを強奪し、最後の歴史イベントに備えて技術を開発しまくりました。

 こんな感じで、場に出ているカードや相手を見ながら、戦略を立てていくのがこのゲームの面白いところです。

チャレンジについて

 このゲームは指導者変更不可などの特殊ルールの中でプレイするチャレンジモードが充実しているのも高評価です。
 テンポ感やカードの強弱が全く変わってくるので、それぞれのチャレンジで強いカード、強い戦略を見つけなければいけません。

 AIが手ごわく、隙を見せるとガンガン削ってくるので歯ごたえ十分です。

おわりに

 いつもはAOE2の記事を書いていますが、今回はボードゲームの紹介となりました。いかがでしたでしょうか。

 実は先ほど戦略のところで紹介した指導者カード、遺産カードはすべて、他の日本語攻略記事(海外の方が充実してそうですが調べてません)だとあまり強くないとされているものです。他にも、文化系指導者のミケランジェロや、植民地を獲得するコロンブスも微妙な評価を受けています。

 しかしそれぞれに強力なコンボがあって、タイミング次第では勝利することも難しくありません。攻略記事の評価は、軍事力でゴリゴリ敵から奪う戦略での話になります。

 なぜこんなことが起こるかと言うと、攻略記事を書いた人が、アナログ版でプレイしていたからだと思います。アナログ版は1ゲームを終えるまでに半日かかるので、何戦も遊んで試すことは難しいでしょう。そのため間違いなく強い、軍事を主軸に置いた戦略におけるカード評価になっているのです。

 他の戦略ならどのカードにも可能性がありますし、デジタル版ならそれを自由に試すことができます。
 例えば、サンピエトロ大聖堂+ミケランジェロで宗教から大量に文化ポイントを得るロケランコンボ(私命名)とか、コロンブスとロベスピエールで産業革命時代に一気に場を整える大躍進コンボ(私命名)です。

 私もまだ、使い方を理解していない指導者や施設が沢山あるので、まだまだ遊べそうです。

 もし興味が湧いたらぜひ買ってみてください。

 機会があれば、また詳細なルールやコツ、定石などの記事を書いてみたいと思います。

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