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新しい世界を求め飛び込んだのは、小さな町が作る「あびジン」の販売戦略!? ー 北海道勇払郡安平町のまち自慢

安平町企業強化型地域おこし協力隊
ジャパン・フーズ・サービス株式会社
種浦 寛太さん(写真左)

北海道深川市出身。短大卒業後、札幌の大学に編入。
在学中より焼き鳥屋さんでのアルバイトを始め、そのまま同社へ就職。コロナ禍に伴う人事異動打診を機に、人生を再考し退職。転職活動中に安平町でのプロジェクトを知り、2022年6月に移住。現在は、ジャパン・フーズ・サービス株式会社に所属しながら、『あびジン』(ジンギスカン)の販売戦略策定、新商品の開発、キッチンカー出店などに従事している。趣味はスポーツ観戦。




ずっと焼き鳥を焼き続ける人生を送るのか

友人の紹介で入らせてもらった焼き鳥屋さん。お客さんたちが「今日の焼き方美味しいね」とカウンター越しに言ってくれるのが嬉しかった。大学卒業を控えてもその想いは変わらず、そのまま就職。眠らないまち『すすきの』で焼き鳥を提供し続けてきた。
4~5年経って、コロナがやってきた。働いていた店舗は多くの飲食店と同じく打撃を受け、縮小を余儀なくされた。それに伴い、上司に伝えてもらった人事異動の打診。そこで立ち止まった。「ずっと焼き鳥を焼き続ける人生を送るのか?」と。仲間に恵まれたし楽しかったから、決断が難しかった。


違う世界を見てみたい

悩みに悩んだ退職の決め手は、「違う世界を見てみたい」という感情だった。転職活動は、営業職を中心に説明を聞いたり面接に臨んだりという日々。なかなか思うような結果が出ないまま3~4ヶ月経った時、知り合いから安平町でのプロジェクトの紹介を受けた。安平町で生産しているジンギスカン『あびジン』に携わるプロジェクト。北海道で生まれ育ったが、安平町という名は正直ピンと来なかった。紹介してもらったご縁、軽い気持ちで安平町へ見学に行った。地元深川市を思い出させるような静かな夜、商品開発面白そうだなという感情、そして何よりも、社長及び関係者の親切さ。そこまで深い考えはなかったが、直感で転職を決めた。


ちょっと特殊なジンギスカンをどう魅せるか

業務の柱の一つである『あびジン』の販売戦略策定。『あびジン』の特徴は、羊肉の筋や脂をすべて取り除いて赤身だけの状態にすること、安平町産のホエーを塗ってじっくり熟成させることだ。それ故に、「道民が食べ慣れているジンギスカン」とは一味違う。真空パックでの販売だと、お客様に「”普通”のジンギスカン」を期待させてしまうから、思い切ってパッケージを変えた。新しいパッケージは「瓶詰め」。”普通”とちょっと違うからこそ、違う魅せ方を。単価は高くなったが、贈答用などで売り出せたらと思って開発した。今は、試験的に、町内の道の駅などに卸している。


安平町民に親しんでもらえる商品を開発したい

着任から1年。瓶詰めの『あびジン』は徐々にその販路を拡大している。しかし、高単価商品に振ったことで、地元の方々はなかなか手を出しづらい状況。そのため、いつかはリーズナブルな『あびジン』を開発し、安平町民にBBQで楽しんでもらえるようにしたい。

また、『あびジン』プロジェクト以外に積極的に取り組んでいるのが、安平町に根ざした新商品の開発、そしてそのトライアル現場としてのキッチンカーの出店。
菜の花で有名な安平町に着想を得て、この1年で「菜の花ちゃんぽん」「菜の花タコス」を開発してきた。町内のイベントや近隣エリアの道の駅などで出店し、お客さんから「美味しい」の声をもらえることが何よりも嬉しい。どれを鉄板商品化するかはまだ決めていないが、今後も、親しまれる商品を作っていって安平町を「食」で盛り上げられたらいいなと思う。

左:種浦さん


「3年間ありがとうございました!」と安平町を去るのは違うと思うから...

地域おこし協力隊としての任期は3年。あと2年でその期間は終わるが、そこで「3年間ありがとうございました!」と去るのは自分としては違うかなと。今いろいろと盛り上がっている安平町。同じ協力隊にクラフトビールを開発されている方や、うどんづくりをやろうとしている方もいるので、その方々とも連携を強めて、何かできたら良いなと思う。そういった取り組みによって、ここを紹介してくれた方や今お世話になっている方々に恩返しができたら。


取材を終えて

「そんなに何も考えてないから記事とか大丈夫かな〜笑。でもこれを機に知ってくれる方が一人でも増えたらホント嬉しいな!!」と笑みを浮かべる種浦さん。
今回の取材を経て、おおらかで朗らかな人柄が縁を呼び込んでいること、そしてその縁を大事にするからこそ、種浦さんの人生が紡がれてきたことを感じました。
そんな種浦さんが大事な人たちと一緒に手がける『あびジン』は必見です。僕は、早速道の駅に買いに行ってきます!!

インタビュアー / ライター:北海道安平町 / 教育事業 / 早川大輝


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