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中世から変わらない豊かな自然で作られたお米にエールを!

今回訪れたのは、"千年変わらない”景観を維持する田染小崎(たしぶおさき)地区。国の重要文化的景観として指定されている棚田の景色は、中世から変わらない姿でそこに広がっています。
今回は、そんな田染小崎エリアの管理をされている荘園の里推進委員会委員長の河野(こうの)さんと、事務局長藏本(くらもと)さんにお話を伺いました。

取材に伺ったのは、豊後高田チームで直売所「夢むすび」を運営する串田です。

串田「今回実は、市の担当の方から『荘園米の販路がコロナで減ってしまった』というお話を耳にし、これはFOUNDING SELECTIONに掲載することで少しでも役に立ちたい!とすぐに伺う約束をさせて頂きました。田染荘には何度か足を運んだことはありましたが、今回の取材をきっかけにその歴史や魅力をもっと知りたいなという気持ちで取材に伺いました。」

〈田染といえばこの美しい景観!伺ったのは冬なのでもちろん収穫後の棚田でした・・・〉

"千年変わらない”景観

今日は荘園米のことについて色々教えてください。早速なんですが、田染の荘園米って正式にはどんなお米のことを言うんですか?

河野委員長「昔エリアごとに荘園が各地にあって他でも作ってたんだけど、今は田染小崎地区の荘園で採れたお米のことをいいます。品種はヒノヒカリ。7〜8名の農家さんがここでお米づくりをしていて、荘園の里推進委員会ではそれらの農家さんのお米を荘園米として取りまとめて扱っています。」

なるほど、荘園米って言うのはエリアに紐づいたブランド名なんですね。

田染荘は、743年に墾田永年私財の法が成立した時に開発された水田の一つで、その後、宇佐八幡宮(現:宇佐神宮)の根本荘園として「田染荘」が誕生したそうです。

〈その繋がりから現在も新米を宇佐神宮に奉納する献穀祭が行われているそう〉

その後、土地の調査で田染小崎のこのエリアは中世から水路や集落、地形がほとんど変わっていないことが分かり、この景観を維持しようと農家さんや住民の方が中心に自然を守ってきたそうです。

だから、中世、つまり千年前から変わらない景色と言えるんですね!

コロナ禍での影響


そんな、田染荘で育った荘園米ですが、今年はコロナで影響を受けて大変だったと聞きました。具体的にどんな影響を受けたんでしょうか?

藏本さん「今年、実は毎月お米を送っていた、介護施設がコロナの影響で経営を見直すことになり、突然お米をもう購入しないと言われたんです。昨年12月までで打ち切りになってしまったんですが、今年の新米を1年分取っておいてあったので、2022年1月〜9月までの9ヶ月分のお米が宙に浮いています。」

なるほど、秋に収穫して10月から新米になるんですね。9ヶ月分というとどのくらいの量なんですか?

「毎月150キロ送っていたので、ざっと1300キロくらいですかね。」

1300キロ!家庭で消費するには想像が付かない量です・・・精米する前の状態だとそれ以上に余っているというから、驚きです。また、これまでも長く取引のある市内のホテルでも、宿泊客が減少したため使う量が減っており、コロナ禍での影響で、流通量が減っているそうです。

そんなお米は、巨大な荘園米用の冷蔵保管庫で、どの季節も13度以下になるように冷蔵庫で玄米として保管し、注文が入ってからの精米を行っているそうです。丁寧に品質の管理も行き届いているのに、そんなにも多くのお米が保管庫に眠っているなんて、残念ですね。

ちなみに、他のお客様はどんな方が多いんですか?

「1番は荘園領主さんですかね。140名程度の領主さんにお米を定期配送しています。あと、個人向けの発送も昔はしていたんですけど、最近は多くないですね。家族で食べる分を一気に購入されていたお客様が、家族の人数が減ったから少量でいいという声が増えて流通量自体は少なくなっています。」

荘園領主とは、お米のオーナー制度で、1年分のお米と田染地域で行われる「収穫祭」などのイベントにも参加できる取り組みです。荘園米を通じて地域との交流ができるこの制度が多くの人に選ばれているのも、田染地域の魅力とお米の美味しさあってこそ。そんな多くの人がファンになるお米が突然の販路消滅で困っているのは、なんとかしたいなと心から思います。

〈コロナ禍前の収穫祭の様子。本当にファンが多いお米なんですね!〉

澄んだ湧水と豊かな土壌で作る「荘園米」


そんな荘園米の美味しさの秘訣も教えてください!
田染はお水が綺麗だから美味しいというイメージがあるんですが、どうですか?

河野委員長「昔、水質検査に出したら、有名な場所と間違われたくらい。ここら辺の水は綺麗なんです。
あと、お水が綺麗なところだから、ほたるが見れるんですよ。
ほたるがいるってことが、水の綺麗さを証明しています。」

そういえば、今いるこの場所も「ほたるの館」ですもんね!そういうことだったんですね。

〈ほたるがこんなに飛び交うんです!〉

「あとは土がいいんです。粘土質の土で育てているのでお米にも粘りっ気が出て甘くて美味しいお米ができるんです。一生のうちで食べるお米の量はたかだか。でもだからこそ美味しいいいものを食べて欲しいですね。」

山の湧水と豊かな土壌が荘園米の美味しさの理由なんですね。また、荘園を守る農家さんの毎年の努力があってこれだけのお米をが収穫できるんだなと、辺り一帯に広がる田んぼを見て改めて思いました。

確かな自然の豊かさをこれからも


そんな河野委員長はずっと田染にお住まいなんですか?

「いやいや、実はUターン。ずっと商船に乗って海の上にいたんだけど、引退して自然を求めて帰ってきました。仲間はみんな再就職してたから、なんで田舎に帰るんだと最初は言われたけど、みんな遊びに来た時に、いいところだな!と羨ましがられたんだよ。(笑い)」

実際の田染の自然を見たら、ご友人が羨ましがるのも分かりますね。(笑い)田植えの時期に行われていた御田植祭には1500人以上のお客さんが色々な場所から集まっていたそうで、地元の人は80人くらいの場所だから、この地域にしてはすごく賑わっていたそうです。この状況が落ち着いた後は、今回荘園米を購入した方が、田染に足を運び、賑わいが戻るといいなと思います。

〈御田植際の様子〉

最後にこの荘園米が多くの方に届くことで、どう田染エリアや豊後高田市が良くなっていくと思いますか?

藏本さん「やはり、耕作放棄などがなくこの棚田の景色を維持できているのは、荘園米がお客さんの元にきちんと届くからこそ。荘園米が多くの方に届くことで、景観を守ることに繋がります。」

河野委員長「自分たちが産直でお米を届けることができることで普段から頑張っている、荘園米に関わる農家の所得もあがってくれるといいな思います。」

今回の取材で、その豊かな自然やお米そのものの魅力だけでなく、田染の住民の皆さんの長年の努力とそれを応援する全国の購入者の方々との繋がりで、田染という豊後高田市にとっても財産である場所が現在も残っているんだなと強く実感することができました。

応援購入はこちらから!


今回ご紹介した、「荘園米」はFOUNDING SELECTIONから
5キロ単位で購入して頂けます。(二人世帯で大体1ヶ月分とのことです。)
2個以上(10キロ以上)の購入から送料分がお得になりますので、ぜひ皆さん荘園米の応援購入をよろしくお願い致します!


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