見出し画像

誕生日の朝に起こったこと

誕生日の週に、小さな旅をした。旅は好きでもなかなか行けないし、いつも何かしら仕事とつながっているのだが、今回は夫が新幹線と宿を取り、お供役を申し出てくれた完全なプライベートの旅だったので、いままで行きたかったあちらこちらへ足を運んだ。

その旅から戻った翌朝、気持ちよく目覚めて枕元の時計を見ると、日付のデジテル表示が2月22日(土)になっている。

今日は土曜日だったっけ?

時差ぼけのような不確かな感覚のまま時計を調べると、表示が2025年になっていた。アラームの設定をするときに操作を間違えたのだろうか。

2024年2月22日までのちょうど一年分を巻き戻し、今日が木曜日になったのを確認し、これでよし、と時計を置いた途端、妙な感覚におそわれた。
気づかぬ間に時計を進めてしまったのではない。気づかぬ間に時が進んでしまったのだ。今はほんとうは2025年なのだ。この一晩の間に、それとも旅に出ている間にだったのかもしれないが、わたしの人生の時間は超高速で早送りされ、わたしは無意識に一年という時間を失っていたのだと。

時計を巻き戻し、一年を取り戻したわたしは、起床時間より一時間くらい早く、しかも心地よく目覚めた人のような気分になっている。思いがけない時間のボーナス。さてこの一時間を、この一年をどう使おうか。時間とは意識なのか。

そんな感覚になったのは、きっと今日が五十代最後の誕生日だったからかもしれない。

意識しないとただ高速で過ぎて、こぼれ落ちていってしまう日々を、これからは毎日、せめて一年は書き留めていこうと思う。場所はThreadsで。長く書くときはもちろんnoteで。


この記事が参加している募集

今こんな気分

サポートしていただいたら、noteに書く記事の取材経費にしたいと思います。よろしくお願いいたします。