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兄とゲーム

Youtube


Youtubeをよく見ている。
よく見るようになったのはここ1年ぐらい。それより前は、サブカルチャーぐらいだと思っていて、テレビやアマプラ、Netflixといったテレビから映し出されるものがハイカルチャーで強い、正義だと思っていた。
でも、Youtubeも面白い。
言ってしまえば、彼らは何か訓練をしたわけでもなく、私たちと同じような一般人であって、そうしたものがあまり魅力に感じなかった要素だと勝手に思っていたのだったが、それがむしろ身近さを感じさせてくれるものであった。

モンスターファーム


いろいろ見ているから例をあげればきりがないのだが、最近見たもので1つあげるとしたら、加藤純一さんのゲーム実況配信。

モンスターファーム2というゲーム。世界大会が近日あるらしく、それに向けて加藤さんがモンスターを育てるという実況動画。
なぜ見始めたのか。
それは自分がモンスターファーム2をやっていたから。これがきっかけ、つまり、始まり。
では、なぜモンスターファーム2をやっていたのか。
それは兄がモンスターファーム2をやっていたから。これがきっかけのきっかけ、つまり、始まりの始まり。

兄とモンスターファーム2

モンスターファームとはどういうゲームなのか。
プレイステーションで遊べるゲームであり、モンスターを育てて、ゲーム内の大会で戦わせて、頂上を目指す。育てたモンスターを記録することで対人対戦もできるゲームである。
これだけだとよくあるゲームだと言えるが、このゲームが画期的だったと言えるのが、そのモンスターをどのように誕生させるのかということ。
プレイステーションのゲームは、CDの形をしたゲームソフトであり、それをプレイステーションという機械で再生させることによって遊ぶことができる。そのシステムを利用して、モンスターファームを遊んでいる最中に、モンスターファーム以外のCD、ゲームでも音楽CDでも読み込ませることでモンスターが誕生して、それを育てていくのだ。
ゲーム内に合成という機能もあるのだが、家の中にあるありとあらゆるCDタイプのゲームソフトや音楽CDを再生し続けて、様々なモンスターを探した当時、あれは一体何年前のことだったろう。

兄は強かった。何でも強かった。もちろんゲームも強かった。
兄の友達がきっかけになってか、当時某ゲームショップ主催でモンスターファーム2の大会が開かれて参加することになった。
自分なりに精一杯育てたモンスターを参加させることにしたのだが、今思えばとても拙く、弱いステータスだった。確か、ネンドロとライガーを組み合わせたモンスターを出場させた。
兄の友達、兄と共に出たゲーム大会。某ゲームショップの野外会場で、見知らぬ人と戦う。
一瞬で負けた。
そして、記念品をもらった。
空気を入れて膨らませるスエゾーの小さな人形。
半年ほど前に一人暮らしを始めるついこの間まで、実家に転がっていたこの人形。20年ぐらいの空気をその中に閉じ込めていたかもしれない。
兄はあの大会で一回ぐらいは勝っていたような気がする。でも、定かじゃない。
ただ、モンスターファーム2と聞けば、兄と共にゲームやCDを漁ってプレイステーションに読み込ませたこと、某ゲームショップの大会に出たこと、その某ゲームショップの存在そのもの、あの野外会場の風景、そうした確かな記憶が今もある。
この記憶について、今となっては兄と話したこともないけれど、きっと、兄も覚えているはずだという自信はある。

モンスターファーム2を好きかと聞かれれば、好きと言い切れる自信はない。なぜならば、あまり強くもなれなかったし、やりこんだと言える自負がないからだ。
でも、自分にとって思い出深いゲームであることは間違いないものだ。

加藤さん、思い出させてくれてありがとうございました。

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