私が愛した『モリシタさん』の話。

この話を書くと、私が何度か転生していることがバレる。
だけど、まぁ別に。
私がどうしてもそうしたくなってしまったので、もしもこの書き手にピンときた人がいたら…
「こいつ、まだ生きてたんだ」とでも思って欲しい。


初対面の人には、これから推し迷子の私が唯一絶えずに「間違いなく愛しているようだ」とそこそこ自信を持って言える1人の俳優の話を聞いてもらいたい。


モリシタさんとは。

森下さんは、先に言ったように俳優さんである。
フルネームは森下能幸。
これだけの情報で閃く人は、相当映画やドラマが好きな人…たぶん。
12月4日生まれ、現在61歳。
ザズウ所属、看板俳優は松重豊さんだ。
脇役界では大ベテラン。
ただ脇役なので、代表作と言われると少し困る。
私からすればあれもこれもとは思うんだけど。
1番有名どころは、『信長協奏曲』だろうか。
あと、『ミステリと言う勿れ』の1~3話くらいまで出てた。

仮面ライダーが好きな人なら、ゴーストの西園寺主税と言えば分かると思う。
それ以外の人は…
顔を見れば、なんとなく何かで見覚えがあると思うので映画ナタリーのURLを貼っておく。



ピンと来たのかな。
とりあえず、話続けよう。

そんな森下さん。
私と30歳近く年の差がある。
元から私はおじさん俳優が好きではあったのだが、こんなに好きになった人はいなかった。
どのくらい本気かというと、ファンレターを出すくらいには好きだ。


どうしてそんなに好きになったか。

森下さんは、はっきり言って命の恩人だ。
彼に出会わなければ、私はトラジャの松田くんを見て笑う日も来なかったし。
Mrs. GREEN APPLEの楽曲で感動して泣く日も来なかった。
思いつきでランジャタイに会いに行って、結果アカネに惚れ込むことも無かった。


なぜか。
私は2023年、生きることに限界を感じていた。
鬱の大波がピークに達していて、生きがいもどうせ無いのならもういいやと思っていた。
長くうつ状態ではあったけど、本当にここまでどうでも良くなってしまったのは久しぶりだった。

森下さんを見たのは、そんな時である。
その時まで犯人とか変質者とか。
良い役でも冴えないお父さんとかで何となく何度か見たことあるという知識しかない俳優のおじさんが、バラエティー番組でロケに出ていた。

ロケは誰かを演じているわけじゃない。
人間としてその人の素に近い姿を見ることが出来る。
森下さんは、めちゃくちゃ腰が低くて相手に対してめちゃくちゃ丁寧に接する人だった。


惹かれてしまった。
突然、生きがいが降ってきた。


「この人が気になる」と思った。
理由は、なんとなく。
強いて言うなら、ギャップになるのか。
この人にどうしても会いたいと思った。
会わなければならないという使命感にも近かった。


12月に会いに行った。
私の人生で初めての舞台観劇。
『OUT OF ORDER』

夏に終わろうとした私は冬までちゃんと生きた。
色んな方に助けて貰って、森下さんと同じ空間に辿り着けた。
テレビに出ている俳優さんの演技を生で見たのも初めてだった。
俳優さんは凄い、エネルギーの塊だった。
舞台は凄い、プロの情熱をこれでもかというほど浴びた。


そして、今も生きてまた夏をちゃんと迎えている。
去年ほど、死にたいとは思ってない。
生きていたら、少し色んなことが前に進んだ。
色んなことに私は出会って好きなものが増えた。

昨日の『音楽の日』のミセスの歌唱を見てどうしようもないくらい感動して泣いて、ダンスバトルで鳥肌が立ちすぎて体がピリピリするほど興奮した。
生きていたから、感情が沸き立った。
死ななくて良かった。


重すぎてこんな話は現実世界では、誰にも出来ない。
もちろん、森下さんになんか言えるわけが無い。
だけど、そういう意味で森下さんは本当に私の命の恩人なのだ。



森下さんを見ているととても落ち着く。
声も落ち着く。
パワースポットにいくつか行っても感じられなかったリラックス効果を感じている。

最近の写真を見たら、少し痩せたようにも見えてちょっと心配だ。
でも、今後公開予定の映画の情報が上がっていたから仕事が出来るくらいには元気にされているのだと思う。
元気でいてくれないと困る。
これからも出演作をたくさん見る予定なので。

他に好きだと思う人に出会っても、ふとした時に癒しを求めて森下さん立ち返っている私がいる。
これが私の1番の揺るがない、最強の推しの話だ。
コートを着て会いに行った頃からずっと季節は進んでしまったけど、出せていない手紙をそろそろ出しに行きたい。(了)

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