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やまだ的不動産屋の本音『不動産屋とうまく付き合っていい家を買おう』マニュアル

自分が住む家。人生で1度買うか、買わないかという不動産。都内湾岸タワーマンションにしろ、郊外注文住宅にしろ、超高額商品です。絶対に失敗したくないですよね。やまだも同じです。だからこそ付き合う不動産屋選びと、その不動産屋とどう付き合うか、はとても大事です。やまだは所属組織や個人情報を明かしてませんので限りなく第3者に近い立場で、どんな不動産屋と付き合うべきか、その不動産屋とどうやって付き合うべきか、不動産屋の立場から本音で語ってみたいと思います。特定の誰かを貶めるためでもなく、儲からせるためでもなく、自分の仕事上の利益のためでもなく、あくまでニュートラルなやまだ個人の考えです。しかもやまだは前職は住宅メインの不動産屋でしたが、今は事業用不動産メインの不動産屋なのでトレンドからズレているかもしれません。そのあたりもご了承の上、要は狂人の独り言のように、性の悦びを知りやがっておじさんを眺めるかのようにお楽しみください。


その1:良い不動産屋とはどんな会社、もしくはどんな人なのか定義する

そもそも住宅購入者にとって良い不動産屋ってどんな人でしょうか。ざっと挙げてみましょう。

・親身になってくれる。
親身になる。簡単に言いますが難しい事です。購入者の立場に立って、様々なメリット・デメリットを考えながら、一緒に家探しをしてくれる人。そんな人がいいですよね。

・知識が豊富
家の事は知ってて当然。土地勘もあって当然。住宅購入時のキャッシュフローの流れや、税金のこと、戸建てならば建築関係の知識も欲しいところ。場合によっては家具購入の予算についても詳しい人がいいかもしれません。

・一生懸命探してくれる
一期一会の出会いが不動産。理想の家を探す貴方ととことんお付合いして、最後の最後まで一生懸命探してくれる。そんな不動産屋さんがいいですよね。逆に、自社で取り扱う物件にハマる物が無いからってほっぽり出してしまう不動産屋はイヤですよね。

・独自の物件情報がある
その不動産屋さんならではの掘り出し物的な情報があるとお付合いしたくなりますよね。プレミア感のある物を買いたい欲求は誰にでもあるものだと思います。

・交渉力がある
不動産は価格交渉が効くケースもあります。売主さんにワガママ通したい場面も出るかもしれません。そうなると交渉力に長けた不動産屋さんが良いですよね。

・手数料が安い
不動産の価格ももちろんですが、仲介業務に対して発生する手数料も安いに越した事はありませんよね。

・トラブルの責任が取れる
契約自体に何か問題があった場合や、買った住宅に何か問題があった場合、経済的な責任を取れる不動産屋がいいですよね。というかこれは必須事項だと思います。

・アフタフォローもしっかりしている
高額商品ですから買った後の事も心配ですよね。売りっぱなしでほっとかれるのは困ります。1年に1回でも「その後、お困りごとはありませんか?」って聞いてくれる不動産屋さんがいいですよね。

他にもいくつかあるかもしれませんが、やまだが思いつくのはこんなもんです。


その2:不動産屋(やまだ)にとって良い客とはどんな客なのか定義する

一方で不動産屋にとって良い客とはどんな客でしょうか。一般論ではなく、これはやまだの個人的見解になります。ざっと挙げてみます。

・お金がある
お金のある人は銀行に頼らずに済むので手間の部分でも商談のステップも少なくて、とにかく楽です。

・信用力がある
現金が無くても信用力がある人であればローンを引っ張りやすいので、余計な手間が生まれず嬉しいです。信用力とは勤めている会社規模や役職、保有資産、その他収入、借金の支払い遅れの有無などです。中小企業経営者は連帯保証額が大きくて意外と手間だったりするのでやまだはイヤです。

・ワガママが過ぎない
ペットOK、ピアノ弾きたい、バリアフリー、駐車場3台、駅指定、、、といった要件が少ない方が不動産屋は楽です。要件が無さ過ぎるとそれを決めていく作業も発生するので楽ではありませんが、予算、だいたいのエリア、住む人数、駅からの許容時間、くらいは誰でも決まっているものです。これくらいの要件で決めてくれる人はとても楽ですね。

・複数の不動産屋に行かず、自分だけでやってくれる
複数の不動産屋との取引があるとわかった時点で、自分の売上になる角度はグッと減ります。それをせず『必ずやまださんで契約するから。他の不動産会社の紹介でもやまださんでやるから。』と言って貰える人は本当に有難いです。

・正しい不動産知識が多少ある
たまに全く不動産知識がない人が住む家を探していると聞きます。やまだはゼロからわかりやすく一生懸命説明しようと努力するのですが、はっきり言ってすごく手間ですし、疲れます。必要な事ではあるのですが、多少知識がある人の方がこちらも楽というわけです。一方で間違った知識を持って頭でっかちになっている人もいます。これは最悪にめんどくさいケースなのでリリースします。

・マーケット感覚がある
極端な例ですが『銀座で2000万で3LDKに住みたいんだけど?』って来る人と、『エリア問わず都内2000万くらいで3LDKがいいんだけど?』って来る人がいます。前者はリリースして、ぜひ後者とお取引をしたいです。マーケット感覚がない人にはせめて『2000万で3人で住める家を買いたいんですが、買える物件はありますか?』っていうニュアンスで来て欲しいです。

・仲介手数料を交渉して来ない
これを交渉されると一気にやる気が萎えます。最悪もう決まらなくてもいいお客さんとして扱います。やまだのやる気はこれと連動しています。ビタ一文まからないと思ってください。その代わり必ずきっちり仕事します。

他にも「美人のグラマラスなおねーさんがいい」とか言い出したらキリがありませんがざっとこんなもんです。


その3:良い不動産屋像と良い顧客像を刷り合わせてみる

ぜひその1とその2を比べてみてください。どれだけ乖離があるかわかりますでしょうか。

あくまでやまだの場合ですが、

「楽して売上あげたい」
「めんどくさい仕事は出来るだけしたくない」

というクズです(笑)でもやまだの感覚と似たような感覚の不動産屋が世の中には結構たくさんいると思います。みんな「めんどくせーなー」と思いながら、ワガママばかりの客の相手をしたり、決まりもしない物件を案内したり、分厚い書類作ったりしているのだと思います。

こんなクズのような不動産屋さんをうまく使って、うまく味方につけて、良い物件とめぐり合い、安心して家を買うという行為のなんと難しいことか!不動産業ではない皆さんには同情を禁じえません。。。


その4:なぜ不動産屋はクズでなぜ客はめんどくさいのか

不動産屋がクズな理由は明白です。クズでも仕事になるからです。世の中には少ないかもしれませんが、楽して売上つながるお客様がいるにはいるんですね。そしてそれが高単価なのでクズでも仕事になるのです。

一方で客がめんどくさい理由も明白です。一生に一度の買い物ですし、自分が住む家ですし、自分だけでなく家族が住む家でもあります。こだわって当然の買い物なのです。それはもうたくさん要件が出るでしょう。それは仕方ありません。

ただしこのままでは平行線です。ではどうクズと付き合うか。クズでも一生懸命仕事をする相手がいます。どんな相手か。それはその2で書いた通りです。
これに出来る限りお客様が近づいてください。「え?こっちが客なのに営業に客が合わせなければいけないの?」そう思う人の気持ちもわかります。わかりますが以下の話を読んでみてください。


その5:数字で見るお客様の価値

やまだの前職の会社は戸建もマンションも関係無く、家を買いたい人のために物件を探す仲介屋さんでした。営業マンは年間で10~20件くらい契約をする会社です。買主様と「はじめまして」して「物件のお引渡し」までは3~6ヶ月くらいかかりますので、それなりに手間と時間がかかります。しかし短い人は1ヶ月で契約まで行くし、長い人は1年以上かかりますので、この平均期間の数字はあまりアテにはなりません。ただ年間20件以上契約しようとすると単純に業務量が増えて結構忙しくなります。やまだは18件くらいの契約数を目指すように指導されていました。小さい物も、大きいものも織り交ぜて18件くらいやれるとバランスの良い勤務時間で、それなりに成果が出て会社からも詰められず、それなりに時間的余裕のある社会人生活が送れると教わりました。それに対して売り上げ目標は1500万~3000万です。逆算すると1件あたりの契約単価は最低100万から150万くらいは欲しい計算になります。手数料を100万欲しいと考えると、

100万円(手数料)÷0.03(仲介手数料の割合)=3333万円(物件の売価)

となり、3333万以上の予算のあるお客様を優先していく方針に自ずとなります。それ以下の予算のお客様は決めても手間の割りに手数料が低いお客様となり、優先順位を下げられてしまいます。

またやまだは物件を探している期間をヒアリングしていました。たまに「2年間探しています。」なんて言うお客様もいますが、やまだは「あ、この人無い物ねだりしてるか、何か買えないか買わない理由のある人だな。」と思って放置してました。そんな人とダラダラとお付合いをしていたらその年の売上に悪影響があるからです。すぐに買える人を30人から50人くらいストックしておいて、そのストックを入れ替えながら、そのうちの2割くらいが契約が見えているお客様である事が理想だとやまだは当時の上司に教えられました。

ダラダラと数字の話を書きましたが、何が言いたいかというと、

この営業マンが一生懸命対応する30人~50人リストの中に入らないと、
不動産屋は良い働きをしない!

という事です。AKBの神7みたいな感じですね!

この50人の中に入るのは結構難しいです。だいたい上位5~10名は資産力が違います。億ションをローンも組まずに買えてしまうような人だったりします。その後20名くらいは契約実績のある人だったり、営業マンの相思相愛のファンだったり、誰かの紹介だったりして無碍には出来ない人達です。基本的には残り20名くらいの枠を新規取引のお客様は争うことになります。そして残りの枠の中で予算の低い人は脱落し、経済的信用力の無い人も脱落し、手数料を交渉してくる人も脱落し、ワガママな要望が多すぎる人も脱落するのです。そして残った人が50人リストに入る事が出来て、良い不動産屋とのお付合いをする事が出来るようになるのです。しかもこれはやる気があり50件もリストを保有するやまだのような営業担当の話です。やる気のない担当は30件くらいしかリストを作りません。

ではこの50人リストの中に入れない顧客はどう扱うのか。やまだは経験の浅い新人に渡して、彼らの教育に使わせて頂いたりしました。歯に絹を着せずに言えば、お金にならないのであればせめて若手社員の成長の糧になって欲しい、という考えです。

営業マンの決めたい客リストに入らない客は無価値である!!

こういう事です。


その7:客が不動産屋に選ばれている?

どうでしょうか。上記を読んで、不動産屋に良い動きをさせる事がいかに難しい事かおわかり頂けたでしょうか。お客様は実は良い不動産屋と家を選んでいるつもりが、実はお客様が不動産屋に選ばれていたという構図になっていたりします。

でもお気持ちはわかります。これだけ空き屋問題で騒がれているし、不動産屋に行けば物件たくさん紹介されるし、

A:中古住宅・新築住宅合わせた数

B:家の購入を希望して探している人の数

を比較したらA>Bになるし、お金払う側だし『家を探す方が立場が強い』と勘違いするのは当然だと思います。しかし視点をよりミクロにすると、

A:住みたい町人気ランキングに入るようなエリアで値段もお手頃な住みやすい家の数

B:人口集中している都内の住みたい町人気ランキングに入るようなエリアで年収が平均くらいの人で家を買いたがっている人の数

を比較するとA<Bになります。言うなれば、

みんなが買いそうないい家はいいお客さんに売れば良くて、
わざわざめんどくさいお客さんに売る必要がない

という事です。この事実を物件購入者は見逃してはいけません。つまりケースによっては物件購入希望者は『不動産屋に選ばれる側』であるという事であり、そういったケースも東京都内では少なくないという事になります。


その8:最後のまとめ

では最後にどのようになれば不動産屋から良く扱ってもらえて、一生懸命物件紹介して貰えるのかまとめておきます。

①予算を潤沢に持つ
実際に使うかどうかは別にして、両親や配偶者の両親、銀行などからお金を引っ張り、たくさん予算がある状態を作ります。予算は5000万で実際3500万の家を買ってもいいわけです。この5000万という数字の部分を高める事が大切です。

②社会的信用性を落とさない
借金の滞納とか税金の滞納とか本当にやめてください。住宅ローンの借り換えパターンで、滞納があるとかもっての他です。本当にやめてください。

③良い物があればすぐに買える状態にしておく
せっかく不動産屋が良い物件を見つけて来ても、「これから家族を説得します!」とか本当にやめてほしいです。「今すぐ買う事だって出来るぜ!何なら現金目の前に持ってこようか?」みたいな状態にしておいてください。

④手数料を交渉しない
何度も言いますが交渉してくる人のために一生懸命働く気にはなりません。他の不動産屋に行ってください。むしろ不動産屋さんに「手数料はキッチリ払うから頑張って!」って言った方がいいです。

まずこの①~④を目指してください。目指せない人も近づいてください。

⑤不動産屋を複数紹介してもらう
①~④と同時進行で3~5人くらいの不動産屋を誰か信用している人から紹介受けてください。不動産屋はそこらじゅうにいますので、ご両親でもご友人でもいいです。きっと誰か紹介してくれる人がいます。新規の取引はあまりおススメしません。誰かの紹介が良いと思います。なぜなら誰かの紹介だとその人の顔を立てなければならなくなるため、無碍にされる可能性が減るからです。そして貴方のニーズを伝えて「良い物件情報があればください。」とお願いしておいてください。他の不動産屋と会っている事はもちろん内緒です。

⑥自分でもネットで良い物件を探す
さらに同時進行でインターネットのポータルサイトを見てください。ホームズとかスーモとかです。良い物件があったらその物件の窓口になっている不動産屋に会いに行ってください。上記①~④を目指していればそこまで無碍にされないはずです。それでもたまに対応が酷い不動産屋がいます。そしたら上記で紹介を受けた信用出来そうな不動産屋さんに「この物件ってそちらでも扱えますか?」と聞いてみてください。扱える時と扱えない時がありますが、聞くのはタダです。

以上、6項目全部出来てやっと良い物件に出会えるかどうか、という話です。ここまでやってやっと良い不動産屋から良い不動産が買えるのです。とっても大変ですね!

どうですか?家も不動産屋もこだわり過ぎる気が無くなって来たでしょう?ほら『住めば都』って言うじゃないですか。だから不動産屋も家ももうそれなりでいいじゃないですか。だからそれなりのやまだからそれなりの物件買いましょ?というのは冗談ですが、

適度な妥協と歩み寄りのない住宅購入希望者は、
きっとなかなか良い物件とは出会えないですよ?
なぜなら不動産屋から嫌われるからね!

というお話でした。

※ご注意
今回の話はちょっと過激かもしれません。あくまでやまだの個人の話です。すごくいい人で、自分の売上なんて気にせず親身になってくれる不動産屋さんもきっと世の中にはいますよ!


くだらない戯言ですので実質無料にしました。やまだもっと頑張れと言う人だけ買ってください。

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